一枚の写真から(松山市医師会報2008年1月号掲載)
中間体操

                   末光耳鼻咽喉科
                   末光清貞

 この写真を撮ったのは昭和40年頃、私が高校1年生頃です。
買ってもらった一眼レフのカメラに300ミリの望遠レンズで、学校の教室から運動場を撮影しました。
みんな上半身裸で体操をしています。
決して軍事教練の風景ではありませんのでお間違いなく。
中間体操という、わが母校名物の日課の体操風景なのです。
毎日2時間目の授業が終わると、こうして上半身裸になって、全員が運動場に集合してランニングと体操をするのです。
 それは寒い寒い雪が降るような日も、はたまたかんかん照りの真夏でも、毎日、毎日全校生徒がこうして体操をします。
教師も全員参加します。
夏はまだしも、やはり冬はいやでいやでしようがありませんでした。
教室で服を脱ぐのがいやで、ぐずぐずしていると怒られます。
しかもこれは自由参加ではなくて中学1年生から、高校3年生まで全員強制参加なのです。
もちろん病気の場合は仕方ありませんが、休む場合も校庭に出て整列をして見学をしないといけませんでした。
教室に残ってると怖い教師が見回にやってきてこっぴどく怒られてしまいます。
 しかし当時は苦痛でしかたがなかったこの中間体操のおかげで、あまり風邪も引かず比較的元気でいられたのは、皆さん共通の想いではないでしょうか。
ところがこの名物中間体操も18年くらい前には無くなったそうです。
それを聞くと少し残念な気がしました。
確かに時代遅れ、なのでしょうね。
 当時は体操の時間なんて1時間の間ずっと運動場を走り回るだけだったり、遠足は文字通り延々と歩くだけだったり。
マラソン大会が1年に一回あって、中学生7キロ、高校生14キロを走らされていました。
(実は勉強の順番より、このマラソン大会の順番のほうが私はずっとずっと上でした)
当時は何の意味があるのだろうと思いましたが、それはそれなりに楽しく、また成長過程の子供にはいいトレーニングになっているのだということを後になって理解できました。
中学、高校ではスポーツや部活はあまり盛んではありませんでしたが、その分こういったことで体を鍛えてくれていたのです。
当時の恩師も数少なくなってきましたが、時に同窓会などでお会いすると、中間体操も含めて感覚がワープします。
さー、裸になって体操だ!