蒲谷敏彦KOREA REPORT ’01.6月  


ご無沙汰してます。お元気にお過ごしの事と思います。
松山は梅雨入りとのこと、うっとおしい日々お見舞い申し上げます。
船は出されてますか?
 
さて、先日サッカーのコンフェデレーションズ・カップでは、日本代表が土砂降りの雨の中オーストラリアに勝って決勝進出できて良かったですね。
私たちは水原(スウォン)スタジアムで「フランスVSブラジル」を観戦しました。
34500人の観衆が大興奮でした。
ご存知のとおりフランスが2−1で勝ちましたが、すばらしい試合でした。
フランスはやはり強い!! 特にFWの9番要注意です。
 
当日は仕事が終わって、私の会社から地下鉄(900W)で水原(スウォン)駅まで1時間、食事をしてからシャトルバス(500W)で40分後にスウォン・ワールドカップ・競技場に着きました。このスタジアムは出来たばかりで松山の坊ちゃん球場のような感じです。
席に着いたのは試合開始の5分前でした。バック・スタンド1階の前から10列目(A席で50000Wでした。B席;30000W、C席;15000Wです。)白のワイシャツに緑のネクタイでいましたが、テレビに映っていませんでしたでしょうか?
フランスの強烈なボレー・シュート、ブラジルの華麗なフリー・キックで前半は1−1。後半にフランスが頭で押し込んで決めました。
世界トップレベル対決の印象は、月並みな表現ですがグラウンドがとても小さく見えます。それとボールの空気圧が異常に低いのではないかと思わせるボールへのソフトなタッチと、反対に強烈なシュート時には鉄の玉かと思わせる迫力に仰天しました。
韓国人はウェーブが好きで2階席はずっとやってました。私も2回ほどしましたけど…
とても楽しいひと時を終えて、アパートに帰ったのは12時を過ぎていました。
 
最近、塩野七生とマキアヴェッリに凝っています。ご存知の通り、マキアヴェッリは「マキアヴェッリズム」という言葉で知られる16世紀のフィレンツェの思想家です。
「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。」
「人間は必要に迫られなければ善を行わない。」
など人間性の奥深くを見つめ、冷徹な言葉を残しています。
 
最近知った彼の思想で、気に入ったことを書いておきます。
 
マキアヴェッリは、愛されることと憎まれることと軽蔑されることの違いを、次のように述べている。
 誰でも愛されたいと願う。
だが、めざましい成果をあげた場合、愛されるよりも憎まれるほうが多くなる。なぜなら、人間は嫉妬するのが普通だからで、憎まれることは能力を認められたことの証明でもあるのだ。
 しかし、軽蔑は同列に扱えない。軽蔑は、能力を認めたうえでの評価ではない。能力を認めないことによって生まれる評価である。
それゆえに、憎まれることがあっても軽蔑されることだけは絶対に避けねばならない。必ずや実害につながる。 (塩野七生著 『再び男たちへ』より)
 
どうしても日本人は憎まれることを怖がって、軽蔑されているのではないでしょうか?
でも、サッカーの全日本は軽蔑されずに世界から憎まれそうですね。
海外で働く者としては、イチローとともに頼もしい限りです。
私も韓国人と強烈なでも、心地よい摩擦を発生しながらの韓国勤務&ソウル生活です。
 
それではまた、お体大切に。
 
追伸;7月17〜22日に早くも松山出張になりそうです。
    
蒲谷敏彦  ソウルにて

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