蒲谷敏彦KOREA REPORT  8月号-2 

KOREA REPORT (8月号)
ソウルな女性達(おんなたち)
第2話 ”ユナ&ユウコ” 

日曜日なのにソウルは雷に大雨です。先週の日曜日から続いていて、韓国各地は集中豪雨でいろいろな災害が発生しています。

ところで、韓国はサマーバケーションの真っ最中。7月下旬から8月中旬にかけて3〜7日のお休みを取ります。韓国に来た当初は一番嫌な時期でした。スーツを着てネクタイ締めた日本人サラリーマン(私)が天安行きの汽車に乗ると、周りは早くも浮き輪を下げて走り回る子供達や、弁当広げた爺さん婆さん、ギターを弾いて歌っている若者グループで一杯でした。思えば遠くに来たもんだ。どうして韓国人が遊んでいるのに、日本人の私は汗水垂らしてカバンを持ってこんな所に立っているんだろう? と思ったものです。ふと国道を見れば、貸切バスが揺れながら走っています。お酒飲んでカラオケで踊っているアジュマ(おばさん)達で揺れているのでした。韓国はこの季節あっちもこっちも行楽地は人で一杯になり、高速道路も大渋滞です。

 

夏休みはどこに行くの?が挨拶代わりですが、近頃は

『バングラデッィシュかバンコクか』

の答えが多くなってきました。

どちらも韓国語の部屋(バン)が入っていて、バングラデッィシュは部屋の中をぐるぐる廻る、バンコクは部屋の中で静かにしているという意味らしく、どこにも行かないで寝てるよということです。これも平素から遊べて何も盆正月に遠くに行かなくてもという、先進国入りの現象のひとつでしょうか? それとも単にお父さんが疲れているのでしょうか?

 

さて、皆さん熱い暑い夏いかがお過ごしですか? 今月のKOREA REPORT(8月号)は、 ソウルな女性達(おんなたち)シリーズ 第2話“ユナ&ユウコ”をお送りしましょう。


ユナを抱くユウコさん


『お久し振りです。**さんのサイン持って来ました。』

東京に里帰りしていたユウコさんが、生まれて6ヶ月になるユナを抱っこして我が家にやってきました。ユウコさんの友人は**氏のマネージャーをしています。私はさんま、小堺、江川、郷ひろみ、トルシエなどと同い年なんだとお話していたら、忘れずにサインをお土産にしてくれたようです。

 

ユウコさんは東京生まれの東京育ち、今年26歳になる現代的な若奥さんです。4年前の冬、友人とソウルの盛り場明洞(ミョンドン)に遊びに来ました。そこで街頭販売をしているソウル生まれの彼(今では明洞でもかなり有名な商売人です。)と出会いました。1年後再び韓国に来ましたが、彼は仕事が忙しくてゆっくり会えませんでした。でも帰り際に売り物のTシャツをお土産にくれて、彼女は帰国後クリスマスのプレゼントと手紙を贈って...。そして1年後の夏、彼女は勤めていた会社を辞めてソウルに来きました(何が彼女をそうさせたのだろう?)。するとまた明洞で偶然に彼と再会してしまいました。それからは、今度は彼が東京に行って...

 

韓国人男性の女性へのアタックには定評があります。マキコさん(KOREA REPORT 4月号参照)の話によると、夜、学生寮の前の広場でロウソクの光が見えるので何をしているのかと見ると、大きなハート型に並べたロウソクの光の輪の中でアベックが楽しそうに話をしていたそうです。昼間からその男子学生が一生懸命ロウソク並べたのかなぁ と思ったそうです。

 

ユウコさんは詳しく話してくれませんが、崔大成(チェ・テソン)さんのそんなような猛烈なアタックを韓国語と日本語で受けたようです。その当時日本のカレシも居たように聞くのですが、韓国男性の男らしさ&優しさに降参されたそうです。

 


明洞でTシャツを売る崔(チェ)さん(冬はマフラーや帽子)

両国のご両親もあっさり結婚を許され、昨年の4月にめでたくご成婚、6月には妊娠しましたが、結婚してからは毎日ケンカが絶えなかったといいます。

『日本ではこんなことしない!』

『ここは韓国だから...』

韓国語の教室にも通い始め、もっと新婚生活(ソウル生活)を楽しみたかったという新婦は、妊娠が判った夜に泣きました。旦那は子供が出来て嬉しいことなのに何故泣くのかと、また大喧嘩になり、トランクを投げ出されて、日本に帰れとまで言われましたと今は楽しそうに話してくれました。

 

今年の2月7日に女子誕生。韓国名でも日本名でもOKなように、ユナ(裕那)と名付けました。漢字の画数にもやはり気を使いました。この子は18歳までは韓国、日本両国籍で両国のパスポートを持っています。韓国出入国は韓国パスポートで日本出入国は日本のパスポートで。

 

韓国の姑さんは肝っ玉母さんで、産後1ヶ月間は毎日、韓国の仕来りどおりミオック(ワカメスープ)を飲まされました。昨日は、

『明日は息子の誕生日だ。』

朝、ミオックを飲ませなさいと大鍋に入ったミオックを持って来られたと思ったら、嵐のように(ユウコさん言)帰って行かれたそうです。旦那さんは4人兄弟で男一人。母の愛を一身に受けて育ったようで、ここソウルでも嫁姑の複雑な関係は健在。

 

ユウコさんにメールでインタビューしてみましょうね。

>1.ソウルでの新婚生活はいかがですか?

この前もちょっとお話しましたけど、来た当初はやはり辛かったです。

毎日の様に喧嘩しましたし。(文化、習慣の違い、私の家事の下手さとか)

学校に通って、言葉が使えるようになって世界が広がりました。

旦那とも少しずつ歩み寄ってお互いを理解し合って来たので最近は

ほとんど喧嘩する事もなくなりました。

旦那の職業柄、休日にお出かけ、とかはないですけど、

時間のある時には食事や映画に行ったりして、まあまあ楽しいです。

今は裕那も産まれて新婚かどうかも謎ですが、最近やっとこ

楽しいと言えるようになりました。

おじ注)『千と千尋の神隠し』今、明洞でやってますよ。世界に誇る日本のアニメ、ご家族で見に行ってください。

 

>2.韓国料理で好きな食べ物と嫌いな食べ物は?

私、食わず嫌い王なんです。

だから本当はめちゃくちゃ美味しいのに、食べてない物がたくさんあるかも。

好きな料理:カルビ、プルコギ、ビビンパプ、チャプチェ、チゲ系、

           トッポッキ、チヂミ、うーん、あと何があるかなぁ。

嫌いな料理:グロい系の物は駄目です。鶏の足とか、ポンテギとか。

おじ注)やっぱり、ポンテギだめ(KOREA REPORT(10月号)参照)ですか。
日本人はダメみたいですね。でも鶏の足はグロい?

 

>3.日本の男性と韓国の男性を比べて違うところ、同じところは?

これは難しい〜。恋愛経験乏しいけど頑張って書きます!!

韓国の男性というと、旦那しか知らないんですけど、ずばり「男らしい」!

日本男児は女の子の機嫌をとろうとして優しくなっちゃってる気がします。

あとは頼り甲斐があるかな。「俺についてこい!」系の・・・。

ベタだけど、こう言われたら嬉しいって女の子は多いと思います。

あと、情が深い。深すぎるかも。親兄弟、家族同然に育った友達、後輩とか。

おまけで気が短い、です。

同じ所は・・・あんまりないかも知れないですね。

だから旦那に惹かれたのかも。なんちゃって〜。

おじ注)「俺についてこい!」系に女の子は弱いみたいね。やっぱり最後はおノロケ。

 

旦那さんにも訊いてみましょう。

『日本の奥さんはいかがですか?』

『私も一度しか結婚していないので良く判らないけど、韓国女性と結婚した友人達の話を聞くと、うちの方がいいみたい。』

『どんなところが?』

『優しいし...etc 』

と、やはりノロケられてしまいました。



ソウルで幸せに暮らしています  お父さん

二人の夢は将来大きな貿易会社を創ること。
ただいま、ソウルで夢への階段を1段?2段登ったところです。

近頃、日本の男性はどうもねぇ〜とお嘆きのあなた、韓国でステキなカレシを見つけてみてはいかがですか? いい男性(ひと)いますよ。いっぱい。

それでは今月はここまで。また来月お話しましょう。

ソウルより 蒲谷敏彦




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