読書日記 2004年〜2014年
2015/7/4 | 「ローリング・ストーンズを経営する」 プリンス・ルパート・ローウェンスタイン 河出書房新書
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2014/11/2 | 創元 「ヴァイオリン職人の探求と推理」 ポール・アダムス 創元推理文庫
☆ 著者はイギリス生まれのミステリ作家で、このステリが初の邦訳作品。腕のいいバイオリン作りの職人が、友人の刑事に協力して事件解決に挑む。 |
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2014/9/6 | 「フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠」 マイケル モス 日経BP社
☆ 巨大食品企業が売り上げをのばすために行っている驚くべき製品開発やマーケティングの実態と、ライバルとの激しい競争や株価対策などで健康的な製品を出したくても出せないジレンマを当事者への徹底的な取材と内部資料により、解き明かした迫力あるノンフィクション。 |
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2014/2/16 | 「知の最先端」 シーナ・アエンガー、フランシス・フクヤマ、カズオ・イシグロほか PHP新書
「知の逆転」が理系の知の巨人のインタビュー集だったのに対して、本書「知の最先端」は、どちらかというと文系のトップランナーたちのインタビューから構成されている。 |
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2014/2/15 | 「爆速経営」 新生ヤフーの500日 蛯谷 敏 日経BP社
☆ITで成長している会社は、ダッシュで走り続けないと勝ち続けることはできないようだ。高速くらいじゃだめで「爆速」なんだ。 |
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2014/2/9 | 「イノベーション・オブ・ライフ」 クレイトン・M・クリステンセン 翔泳社
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2014/2/8 |
「楽園のカンヴァス」 原田 マハ 新潮社
☆ 原田マハさんは、森美術館に勤務経験のあるキュレーターで作家。 |
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2014/2/2 |
「知の逆転」 ジェームズ・ワトソンほか 吉成 真由美「インタビュー・編」 NHK出版新書
☆ ジャレッド・ダイヤモンド、ノーム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキー、トム・トレイン、ジェームズ・ワトソン、現代最高の英知といわれる6名が、人類の未来をどう予言しているのか語る。人工知能の創設者マービン・ミンスキーは、膨大なメモリーにばかり頼って方向を誤ったために、役にたつロボットを福島の原発に送ることができなかった、現代のコンピュータ研究を批判する。 |
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2014/1/5 | 「問答有用」 中国改革派14人に聞く 吉岡 桂子 岩波書店
☆ 中国で改革派と言われる19人の官僚・学者・ジャーナリスト・経済エリート・NGO活動家らに「日中のいま」「日中のこれから」を聞いたインタビュー集。朝日新聞中国駐在員の著者がインタビューしている。 |
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2013/12/14 | 「キャプテンの責務」 A CAPTAIN'S DUTY リチャード・フィリップス ハヤカワ文庫
☆ ソマリア沖の海賊は数年前から悪名高いけど、この人はアメリカの商船「マークス・アラバマ号」の船長としてソマリア沖のアデン湾をケニアのモンバサに向け航海中にこの海賊に襲われ拿捕される。5人の海賊と渡り合う緊張の中、海賊の出方を読む冷静な心理戦で、乗組員たちを商船内に隠し通し、自分が捕虜となり救命ボートに海賊と乗り移る。 |
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2013/11/17 |
「ライス回顧録」 ホワイトハウス 激動の2920日 コンドリーザ・ライス 集英社
☆ ブッシュ政権、47歳で国家安全保障担当大統領補佐官を努め、2期目のブッシュ政権で、国務長官に就任する。オバマ政権に引継ぎをして現在はスタンフォード大学に復学。 |
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2013/9/15 | 「アップル帝国の正体」 後藤直樹 森川潤 文芸春秋
☆ アップルファンだけど、なんともすさまじい会社である。なんか寂しくなりました。 |
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2013/6/23 | 「ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト」 ポール・アレン 講談社
☆ マイクロソフトとビル・ゲイツとともに創業したポール・アレンの半生記の自伝。 |
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2013/6/15 | 「謎の独立国家ソマリランド」 高野秀行 本の雑誌社
☆ 最高に面白い。目から鱗のアフリカ事情でした。角旗さん同様、早稲田大学探検部OBの著者だったので、期待して読んだけど期待は裏切られなかった。ソマリアの海賊が請負仕事で、金さえ出せば海賊志願者が集まり、外国商船を拿捕できる。ヤバイビジネス |
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2013/2/11 | 「督促OL修行日記」 榎本 まみ 文芸春秋
☆ 著者は、就職氷河期に大学新卒で何とか信販会社に就職するも配属先は、督促部署のコールセンター。 |
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2013/1/12 | 「ランダム・ハウス物語」 出版人ベネット・サーフ自伝 ベネット・サーフ ハヤカワ文庫
☆ アメリカのランダム・ハウス社を興した著者の自叙伝 |
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2012/10 | 「探検家、36歳の憂鬱」 角幡 唯介 文芸春秋
☆ 大宅賞作家による初の冒険エッセイ集。受賞作『空白の5マイル』の舞台となったチベット・ツアンポーの探検が面白かったので、このエッセイ集も購入 |
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2012/9/ |
「マイルス・デイビス自叙伝T・U」 マイルス・デイビス 宝島社文庫
☆ ジャズの帝王が残したただ1冊の自伝 |
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2012/8/ | 「解錠師」 スティーヴ・ハミルトン ハヤカワ文庫
☆ 2013年版 海外編このミステリーがすごい!第1位作品 |
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2012/7 | 「日本でいちばん大切にしたい会社」 坂本光司 あさ出版
☆ 金銭や利益以外の価値が何かを教えてくれる。 |
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2012/6/ | 「大本営参謀の情報戦記」 情報なき国家の悲劇 堀 栄三 文春文庫
☆ 大本営の情報参謀が、戦後40年近くの沈黙を守って、戦中情報がどう扱われたか、の体験を語る貴重な記録 |
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2012/5/18 | 「グーグル ネット覇者の真実」 IN THE PLEX How Google Thinks, Works,and Shapes Our Lives スティーブン・レヴィ 阪急コミュニケーションズ ☆ 「世界で最も影響力のあるネット企業の思考を読み解く最高の入門書」と、書評がピッタリする。ネットの神童たちが、作り上げる凡人に想像すべくもないグーグルの創造の世界の凄さに感動した。 |
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2012/3/25 | 「中国経済あやうい本質」 浜 矩子 集英社新書
☆ 世界の経済全体が不穏となる中、中国が存在感を増しているが、その中国も新旧二つの世紀の狭間で、国の運営に綱渡りのような状況を続けている。 |
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2012/3/10 | 「日本人の戦争」 ドナルド・キーン 文春文庫
☆ 先日、3.11の震災を機に日本に帰化されたドナルド・キーンさん。 |
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2012/3/3 | 「ぼくはお金を使わずに生きることにした」 マーク・ボイル 紀伊国屋書店
☆ イギリスで1年間お金を使わずに生活する実験をした29歳の若者がメディアで紹介されるや、世界中から取材が殺到し、大きな反響を呼んだ。貨幣経済を根源から問い直し、真の「幸福」とは、「自由」とは何かを問いかけてくる、現代の『森の生活』。
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2012/2/5 | 「いねむり先生」 伊集院 静 集英社
☆ 著者が、ギャンブルの神様にして作家、色川武大と過ごした温かな日々を綴った自伝的小説。妻である夏目雅子さんを若くして癌でなくし、自暴自虐になっていた時期に色川さんと出会い過ごした日々。色川さんは、場所と時間を選ばず眠りに落ちてしまう眠り病のほかに、自分と同じように突然襲ってくる妄想に苦しみながらも作家生活を送っていたことが、一緒に過ごす時間が増えるに従って見えてくる。 |
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2012/1/29 | 「かばん屋の相続」 池井戸 潤 文春文庫
☆ 著者は、三菱銀行勤務を経て作家デビュー。帆布カバン屋さんをめぐる兄弟の事業の相続による二人の争い。親父さんの遺言で事業のあとを継いだ銀行家の兄だったが、兄にとって意外な落とし穴があった。 |
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2012/1/22 | 「大人の流儀」 伊集院 静 講談社
☆ 何十年か昔、平凡パンチに開高健の人生相談だったか、ご意見番の連載があったが、これは伊集院先生版といった感じ。自信をもって人生観を言えるようになるにはそれ相応の人生があったんだろうな。「人はそれぞれ事情をかかえ平然と生きている。」これは伊集院さんの言葉ですが。 |
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2012/1/15 | 「リトル・シスター」 レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳 早川書房
☆ 『かわいい女』として日本では知られていた”The Little Sister”の村上春樹訳。
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2012/1/8 | 「春嵐」 ロバート・パーカー 早川書房
☆ 私立探偵スペンサーシリーズも39作目のこの作品で最終作となった。2010年1月に著者ロバート・パーカー氏が逝去したことにより。 |
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2011/11/12 | 「職業は武装解除」 瀬谷 ルミ子 朝日新聞出版
☆ 1977年生まれと未だ若い女性だが、アフガニスタンのように戦争や紛争の終結した国で、兵士に武器を捨てさせる武装解除(DDR)のプロとして活動している。<DDR−兵士の武装解除(Disarmament),動員解除(Demobilization)、社会復帰(Reintegration)>すでにスーダン、シエラレオネ、ソマリア、ルワンダ、バルカン地方など多くの紛争地域で活動実績がある。紛争地域の兵士には、兵士でしか生活の道はない。しかし、武装解除しなければ、その国が平和に経済的発展を遂げて行くスタート台にはつけない。兵士を武装解除するため部隊のボスと交渉し見返りを与え、、兵士を説得し職業訓練のシステムを作ったり、農業に復帰する支援をしたりプロとしての高いスキルが要求される。こんな職業?があったのか驚く。以上に日本の若い女性が紛争地域を渡り歩くようにして自分のスキルを高め、この道のプロとして活動する姿勢に感心した。日本の若者(特に女性は強い)に素晴らしい人がまだまだいる。 |
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2011/11/6 | 「わが外交人生」 丹波 實 中央公論新社
☆ 外交官の回顧録。平成14年に退職するまで、米中ロの三大国の大使館に勤務した経験がある。三大国にみんな勤務は珍しいそうだ。ロシアのエキスパートで、橋本首相とエリツィン大統領の北方領土交渉で外務省の黒子として中心的な役割を果たした。 |
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2011/10/2 | 「稲盛和夫のガキの自叙伝」 稲盛 和夫 日経ビジネス人文庫
☆ 京セラの創立社長で、KDDIも創業し、現在はJALを再建中の稲盛さんが、自分の言葉で生い立ちから、現在(2004年74歳)までを綴った。 |
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2011/9/26 | 「東京震災記」 田山 花袋 河出文庫
☆ 著名な作家が1923年9月1日の「関東大震災」を記録した。 |
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2011/9/19 | 「決断できない日本」 ケビン・メア 文芸春秋
☆ 米国務省日本部長だった著者が、「沖縄はゆすりの名人」と発言したと報道され、解任される。一切の弁明や反論を禁じられたため国務省に辞表を提出し、この本で報道元の共同通信記者に反論する。辞表を上司に伝えた翌日に、東北の大震災が発生。アメリカの「ともだち作戦」の日本との調整官として働いたあと国務省を辞任する。日本で19年間生活し、長く日本通として働いた経験がり、沖縄の基地問題を中心にアメリカ政府の本音を告白する。 |
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2011/9/18 | 「なぜリーダーは「失敗」を認められないのかー現実に向き合うための8つの教訓 リチャード・S・テドロー 日本経済新聞出版社 ☆ ハーバードビジネススクールの著名教授が、「否認」(前の現実を認められない)が原因で危機によ陥った有名企業の実例を解き明かし、それを避けるためにリーダーが取るべき行動と「不都合な真実」を受け入れるための8つの教訓を説く。 |
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2011/9/11 | 「経営戦略の教科書」 遠藤 功 光文社新書
☆ 早稲田大学ビジネススクール教授が、講義で行った「経営戦略」の内容を本にまとめたもの。15コマの講義内容に企業の実例をあげ解説されている。実際の講義では、実業界からゲストスピーカーを招き、臨場感タップリに生きた経営戦略を体感するようになっており、学生たちに刺激を与えているそうだ。今からでも受けてみたいこんな講義。 |
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2011/9/4 | 「いま、知らないと絶対損する年金50問50答」 太田 啓之 文春新書
☆ 年金の仕組みはわかり難いので敬遠していたけど、この本のお陰でとに角、年金に加入しておいて損はないことが良くわかった。たちまち年金が破綻する状況でもないようで安心もした。年金問題は国民にとって大きな問題でマスコミでもしょっちゅう取り上げられているが、報道する側もよく判ってないから、判りにくい報道になっているのだろう。国民に正確な情報が伝わらないと、目先の利益だけで判断され、個人も国も大変なことになってゆく。 |
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2011/8/21 |
「エロティック・ジポン」 アニエス・ジアール 河出書房新社
☆ 著者は1969年生まれのフランスの女性ジャーナリスト。2006年にフランスで出版された「日本のエロティックな想像力」の邦訳で、フランスでは今でも順調に版を重ねているそうだ。 |
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2011/8/20 | 「未曾有と想定外」 東日本大震災に学ぶ 畑村洋太郎 講談社現代新書
☆ 「失敗学」の権威、畑中洋太郎博士が、震災後に考えたことをまとめた本。 |
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2011/08 | 「原発のウソ」 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章 扶桑社新書 ☆ 伊方原発裁判などで放射線被害を受ける住民の側に立って活動してきた人。ユーストリームなどでインタビューを聞いてこの著者の発言が一番納得できると感じていたので、この著者の本も読んでみる。どうも原発が少なくとも地震国日本にあるのは非常にヤバイようだ。中止にしてゆく方がよさそうだが、すでに生み出された膨大な放射性廃棄物の処理方法も怪しい様子。なんとも酷い状況だ。 怖かったのは、JOC臨界事故で被爆し死亡した2人の作業員は、細胞が再生されず、苦しみぬいて83日目に死亡した。(最初に運び込まれた国立水戸病院は、放射能汚染の被爆者受け入れを拒否)DNAの複製機能が放射能被爆で破壊される。 2006年にロンドンで毒を盛られて暗殺された元KGBの職員だったリトビネンコさんに使われたのは、「ポロニウム210」という放射性物質。用いられた量は「100万分の1グラム」にも満たない量だった。放射性物質に安全な被爆量はないと言うことだろう。 |
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2011/08 | 「デフレの正体」−経済は「人口の波」で動く 藻谷浩介 角川oneテーマ21 ☆ 「生産性の上昇で成長維持」というマクロ論者の掛け声ほど愚かに聞こえるものはない。現実は内需にマイナスに働いているからだ。 「現役世代人口の減少」、日本の問題はここにある!誤った常識を事実で徹底的に排す。」 著者は、政策投資銀行の松山支店に勤務経験があるそうな。 |
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2011/07 | 「ユニクロ帝国の光と影」 横田増生 文芸春秋゙
☆ 「努力します」「考えます」は許されない。総崩れの日本企業のなかで、唯一気を吐く柳井正率いるユニクロ。だが、これまで、独自調査によって柳井経営を精査したメディアはなかった。 |
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2011/07 |
「国連運輸部・鉄道課」の不思議な人々 −鉄道エンジニアの国連奮闘記ー 田中宏昌 ウエッジ
☆ 1984年、当時、国鉄のエンジニアだった著者は、バンコクの国連に派遣される。若くして長逝したM君とともに「アジア鉄道近代化プロジェクト」のために獅子奮迅する日々をユーモラスに活写する。 |
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2011/06 | 「疾走中国」変わりゆく都市と農村 ピーター・ヘスラー 白水社
☆ 2000年〜2007年「ニューヨーカー」北京特派員として中国で暮らした著者。北京郊外の農村に一軒家を借り農民とともに生活しながら、レンタカーで中国の辺境までドライブし見聞、交流した住民たちの物語。中国語を流暢に喋れる外人として、中国の人たちの尊敬を得て、受け入れられておりまた、中国の人たちへの愛情が、このレポートをより味わい深いものにしている。田舎から出稼ぎで都会の工場で働く女工たちの過酷な勤務状況に触れながらも彼女らの逞しさや向上心に感服し、彼女らの将来を応援している気持ちが伝わる。 |
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2011/06 | 「そうだったのか中国」 池上 彰 集英社文庫
☆ 中国の存在感は増大する一方だが、中国の現代史を体系的に学べる機会は少ないので、興味深かった。特にこの数十年の中国はすごいスピードで変化して存在感を増してきているので、この巨大な隣国を理解するために役に立った。 |
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2011/3/27 | 「イギリス近代史講義」 川北 稔 講談社現代新書
☆ 著者のエピローグより。 |
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2011/3/20 | 「日本のいちばん長い日」 AUG.15.1945 半藤 一利 文春文庫
☆ 敗戦という大激震。8月15日の24時間を追った記録。昭和40年に当時生き残った関係者に取材し書き上げられた。敗戦という形で、建国以来はじめてといっていい大きな変化に直面したとき、全日本がいかにおおきくゆれたか。広島、長崎に原爆が投下され、もはや日本の命運もつきたが、徹底抗戦を叫ぶ陸軍におされ、ポツダム宣言に対し受諾の判断を決められない。日本人の精神構造がつくる真実のドラマ。 |
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2011/3/13 | 「ニューヨーク散歩」 街道をゆく39 司馬 遼太郎 朝日文庫
☆ 司馬さんが、ドナルド・キーン氏の退官記念の講演のため再訪したニューヨーク紀行。1993年週刊朝日に連載された司馬さんのエッセイ「街道をゆくシリーズ」の1編だが、新装版が現在も発売されている。司馬さんは、時間をおいて読み直してもいつも新鮮な感動がある。ニューヨークに住む日本人との出会いや、優秀な「日本」研究者たちとのふれあいが楽しい。 |
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2011/3/6 | 「須賀敦子全集」 第1巻 須賀 敦子 河出文庫
☆ 須賀敦子さんが、イタリヤで学び、結婚し、イタリヤに暮らした時代のエッセイ集。「ミラノ霧の風景」で、女流文学賞、講談社エッセイ賞受賞。他に「コルシア書店の仲間達」などのエッセイシリーズが収録されている。ほとんどのエッセイが、イタリアでのことだが、旅の途中や留学中の見聞録といったものではなくではなく、イタリヤ人と結婚し仕事、生活を送った時代のこと。日々、気ぜわしく時間に終われるように生活している時に読むと、心洗われるエッセイ集。 |
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2011/2/20 | 「星を継ぐもの」 ジェイムズ・P・ホーガン 創元SF文庫
☆ 1980年初版発行、2010年80版と長ロングセラーだけあって、ずいぶん面白いスケールの壮大なストーリーだった。月面で発見された真紅の宇宙服をまとった人類と瓜二つの死体は、5万年前に死亡したものだった。 |
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2011/2/13 | 「そうだったのかアメリカ」 池上彰 集英社文庫
☆ 池上さんの「そうだったのか○○」シリーズは、すごく判りやすく書かれていていい。 |
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2011/2/11 | 「マネーの進化史」 ニーアル・ファーガソン 早川書房
☆ ハーバードの歴史学者・金融史家が、信用の創造から、銀行制度の発達、保険の発明、証券化、ヘッジファンドの誕生にいたるマネーの進化、金が世界を動かしてきたプロセスをドラマチックに再現する。 |
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2011/1/29 | 「淳之介さんのこと」 宮城まり子 文春文庫 「淳之介の背中」 吉行文江 港の人(新宿書房) 夫、淳之介が家を飛び出した妻とその夫が一緒に暮らした宮城まり子さんのが綴った本を一緒に読む。 宮城さんの本は人を愛することが感動的に伝わってくるすばらしい感性の文章だけどどちらが強く愛していたのかは判らない。 ☆ 「淳之介さんのこと」は、文芸春秋’95年から’00年に18回にわたって連載されたものが平成13年に単行本として出版された。作家吉行淳之介との37年にわたる宮城まり子さんの愛を綴る。「一日も逢わずにいられない それがはじまりだった。」出会いからその死まで、三十七年にわたり、いつも傍らで作家・吉行淳之介を見つめてきた著者が、思い出すままにつづる作家の生活 と淳之介への思い。 ☆ 「淳之介の背中」は、妻、吉行文江さんが、結婚してから、淳之介が「あじさいの人」(文中、宮城まり子のことをこう呼んでいる。)の元へ出て行ってしまうまでの15年間の生活のことを語ったもの。淡々とした調子で語られているが、淳之介の妻は自分であるとの強い思いが伝わってくる。何か鬼気迫るような迫力がある。2004年に出版されている。「淳之介さんのこと」が出版されたことへの対抗心がありありと伝わってくるような。 |
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2011/1/23 | 「夜も昼も」 ロバート・パーカー 早川書房
☆ 熱き警官魂と男の弱さをあわせ持つ警察署長ジェッシイ・ストーンの活躍を描くシリーズ最新作。(パーカーは2010年に亡くなったのでこれが最後となる)
ジェッシイが中学校に呼ばれたのは、女性校長が女子生徒のスカートをめくらせ、「不適切な」下着をつけていないか検査した騒動のためだった。法律違反とはいえないが、少女たちの心は傷ついた。その際に会った少女が、両親がスワッピング・クラブに参加するのをやめさせてほしいとジェッシイに頼みにやってくる。成人が自由意思でスワッピングに参加することもまた、法律違反ではない。しかし、ジェッシイはこのままにしてはおけないと感じる。 |
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2011/1/22 | 「苦役列車」 西村賢太 新潮社 今年の(第144回)芥川賞受賞作品
☆ 「平成の私小説作家ついに登場!」と帯に。 |
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2011/1/16 | 「全ての装備を知恵に置き換えること」 石川 直樹著 集英社文庫
☆ 著者は23歳で北極点から南極点までを人力で踏破、24歳で七大陸の最高峰の登頂に成功した。探険家で写真家の彼は、その後も世界各地を旅し続ける。極地で飲んだ安ワインやビール。山形でトマトと牛乳をくれた農家のおばあちゃん。チョモランマの僧の祈り声を運ぶ風。沖縄の合宿で食べた中味汁。アフガニスタンで見た天の川。それぞれの土地で出会い感じたことを清冽な文章と写真で語ったエッセイ集。 |
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2011/1/15 | 「ブリムストーンの激突」 ロバート・パーカー 早川書房
☆ 探偵スペンサー・シリーズの著者が、西部劇小説を書いた3部作の最後の作品。ワイアット・アープの真の姿を描こうとした最初の西部劇小説「ガンマンの伝説」を契機にこのシリーズが登場した。 |
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2011/1/10 | 「プロフェッシヨナル」 ロバート・パーカー 早川書房
☆ スペンサーシリーズ37作目の世界。 |
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2011/1/9 | 「灰色の嵐」 ロバート・パーカー 早川書房
☆ スペンサーシリーズ36作目 |
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2011/1/8 | 「昔 日」 ロバート・パーカー 早川書房
☆ スペンサーシリーズ35作目 |
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2011/01/2 | 「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」 村上春樹インタビュー集 文芸春秋
☆ 村上春樹が語る村上春樹の世界。インタビュー嫌いで有名な著者だが、日本と海外のメディアからの質問に13年間にわたってインタビューなどの集大成。村上春樹の小説には、明確な答えがないように思うが、答えは読者それぞれが、見つけるべきもの。読者が感じるように感じればいいのだと作者の口から聞くと、リラックスして読める。目から鱗。いわゆる村上本を読んで他人の批評を気にすることもまったくなし。インタビュー集など出版したくなかったそうだが、読者(すくなくとも僕)を安心させる?ためにも、インタビュー嫌いの村上さんではあるが、この本は、有益だ。 ☆ 毎日、朝、5時頃には起き、朝のうちに5時間余りの執筆をして、昼前には終了する。それからジョギングや水泳をしてり、音楽を聴いて読書をし夜9時頃には寝てしまう。規則正しい生活を続けている。著作は、自分の中にある深い井戸のような闇に降りて、精神の中から自然と湧き出す物語を紡いでゆく作業であり、健康な肉体をもってないと続けられない仕事である。少なくとも長く続けることはできない。毎日、机に5時間も向かって、著作をするのは本当にたいへんなことなんだ。(サラリーマン(僕)は、毎日8時間は机に向かってるけど、相当集中してないいだろうねえ。思い当たる)小説を書いてないときは、好きな作家の翻訳をする。(レイモンド・チャンドラー、フィッツジェラルド、カーバーなどの翻訳が有名)翻訳の仕事は精密な読書でもあり、ほんとうに著作の仕事には役立っている。 |
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2010/12/12 | 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」 村上 春樹著 新潮文庫
☆ ”ハードボイルド・ワンダーランド(科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた<私>が、その思考回路に隠された秘密をめぐって確約する)”と”世界の終わり(高い塀に囲まれ、外界との接触がまったくない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んでくらす僕の世界)”の二つの世界が、交互に展開し物語が進んで行く。現実にあるはずのない不思議な世界だが読み出してすぐに話の中に入り込んでいる。記号士、計算士、音抜き、ブレインウオッシュ、夢読み、一角獣、太った女の子、が現実のような世界に登場してくるが違和感がないのが不思議。 ☆ 二つの世界は、最後に一つに繋がってゆく。素敵な村上ワンダーランドだ。 |
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2010/11/7 | 「世界は分けてもわからない」 福岡 伸一著 講談社現代新書
☆ 連続して変化する色のグラデーションを見ると、私たちはその中に不連続な、存在しないはずの境界を見てしまう。逆に不連続な点と線があると、私たちはそれを繋いで連続した図像を作ってしまう。つまり、私たちは、本当は無関係なことがらに、因果関係を付与しがちなのだ。・・ヒトの目が切り取った「部分」は人工的なものであり、ひとの認識が見出した「関係」の多くは妄想でしかない。私たちは見ようと思うものしか見ることができない。 ☆ 科学者たちはなぜ見誤るのか?命の本質を見るのは簡単じゃない。・・科学の世界も難しいもんだなと思う。人の命の探求だから当然か。 |
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2010/10/10〜 | メグレ警視シリーズ 「メグレと殺人者たち」「メグレと口の固い証人たち」「ムグレと首なし死体」「ムグレと消えた死体」「メグレと火曜の朝の訪問者」「メグレ間違う」 ジョルジョ・シムノン 河出文庫 ☆ フランス司法警察のメグレ警視シリーズを読み出したら面白くて止まらなくなり、本棚に眠っていたこのシリーズをしばらく読み続ける。昭和51年に河出書房がメグレシリーズを出しはじめたものの復刻版。犯人や取り巻く人たち、特に女の心理描写や下層の生活者の描写がリアルに頭の中にイメージされる。メグレ警視が犯人たちを尋問で追い詰め事件を解決するスリルもいいが、登場する刑事や犯人たちの心理描写に引かれてやめられなくなる。犯罪を犯さざる得ないどうしようもない境遇の者たちへの眼差しも暖かい。 ☆ 何十年か前にテレビでメグレ警視シリーズを放送していたのを楽しみに見ていたのを思い出す。メグレは事件でフランス西岸のラ・ロッシェルに出向き、現地の刑事の案内で海沿いの市場で牡蠣とワインを美味しそうに食べていたのを何故か鮮明に覚えているのだ。大人になれば出張のついでにこんな羨ましいことができるのかと思いながら見たのかもしれない? |
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2010/10/3 | 「ねじまき鳥クロニクル」 第1部・第2部・第3部 村上春樹著 新潮文庫
☆ 3部作の長編で、何がテーマなのかはよく判らなかったけど(特にテーマなど気にしなくてもいいんだろうけど)日常当たり前に生活する中で、こだわりながら自分を見つめ、自分にとって大切なものを注意深く観察し、大切なものを守るために戦わなくてはいけないんだなとか感じる。 |
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2010/9/26 | 「雨天炎天(写真編)」 ギリシャ・トルコ辺境紀行 村上 春樹著 新潮文庫
☆ 旅は空気を感じること、と作者が書いていたけど、そうゆうことかもしれない。 |
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2010/9/12 | 「日はまた昇る」 ヘミングウェイ 新潮文庫
☆ そうか、『日はまた昇る』とはこういう小説だったか、と思い出しながら何十年ぶりかで読んだが80年前に書かれた小説なんて何も気にならない。20世紀の名作(新潮文庫20世紀の100冊シリーズとして」出版された1冊を購入) |
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2010/9/5 | 「辺境・近境」 「辺境・近境(写真編)」 村上 春樹著 松村映三(写真) 新潮文庫
☆ 村上春樹の90年代前半頃の旅行記で、イーストハンプトン(作家の家や別荘で人気が高い)、メキシコ大旅行、讃岐・超ディープうどん紀行、ノモンハン鉄の墓場、アメリカ大陸横断、神戸まで歩く、の7編が収められている。 ☆ 村上さんは旅行の好きな人で、有名人なのに結構危ない旅もしている。村上さんの感性を通してみる旅の印象になるほどと気づかされるようなことも多くて、自分で同じ所を旅してもこんな気づきはないよね、と言ったことがおおくて面白い。旅に同行した村上さんと同級生の村松さんの写真も面白く、同タイトルの写真中心の旅の本も一緒に読める。村上さんの旅行記を読んでから、村松さんの旅の写真を眺めるのも印象が深まってよかった。 |
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2010/8/15 | 「インパラの朝」 ユーラシア・アフリカ大陸 684日 中村 安希著 集英社
☆ 26歳、47カ国、2年の旅、45リットルのバックバックを担いで。 ☆ チベットの仏教寺院には、4何年間修行している彼女の姉がいた。毎日、早朝僧院でお経を読んで、それから終日、仏画と格闘している。夜、ろうそくの灯でサガンの小説を読んで寝る日々。その姉も会った事のないチベットの高僧に姉と共に面会する。高僧から最後に何か質問はないかと問われ「どうしても好きになれない人がいます。その人の言動を受け入れることも許すことも、到底無理です。どうすればよいでしょう?」仏教に裏打ちされた高潔なる助言を待った。 |
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2010/8/1 | 「雨天炎天」 ギリシャ・トルコ辺境紀行 村上 春樹著 新潮文庫
☆ ギリシャの辺境アトス半島を旅する。アトス半島はギリシャ正教の聖地であり、人々は神に近づくためにこの地を訪れる。だからこの地はギリシャの国内にありながら、宗教的聖地としてギリシャ政府から完全な自治を認められている。 ☆ トルコ辺境紀行は、ランどクルーザーでこの辺境をめぐる旅だが、無事生きて帰れたのは幸運なようなすさましい場所である。世界の旅にもほんとうに色々である。読む旅としては興味しんしんだが、自分でやるなら多少お気楽な出会いを楽しめる旅でいいかな。 |
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2010/7/25 | 「遊牧夫婦」 近藤 雄生 ミシマ社
☆ 大学を卒業し、学生時代に知り合った人と結婚しそのまま夫婦で海外へ放浪の旅に出る。
☆ 軽い乗りの文章を意識した旅行記で、沢木耕太郎「深夜特急」などとはだいぶ雰囲気も違うけど、こんな軽い雰囲気の旅もいい。若いうちにもっと旅を満喫したかった。この著者のようにもういいと思える何かを感じるまで。 |
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2010/7/17 | 「響きあう脳と身体」 甲野善紀 × 茂木健一郎 バジリコ
☆ 脳科学の最前線を知る茂木さんと武術的身体運用を極める甲野さんの知的な対談。人間が持つ極限の可能性について、脳科学と身体運用の巨人が語り合う。 |
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2010/7/10 | {ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」 ジェイ・マキナニー 新潮文庫
☆ 主人公のきみは、羨望のマンハッタンにあるニューヨーカーの校正係りという地上で最も困難な職のひとつに就く(村上春樹がそう書いている)。 ☆ 村上春樹の「THE SCRAP懐かしの1980年代」で、今アメリカで一番注目されている若手小説家として紹介されている。 |
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2010/6/27 | ”THE SCRAP" 懐かしの一九八○年代 村上 春樹著 文芸春秋
☆ 出版社から送られてくる80年代のアメリカの雑誌、新聞を読んで面白そうな記事があるとそれを毎月1か2回記事にまとめ日本の雑誌に掲載する。楽しそうな仕事だけど、実際著者もこの仕事は楽しみにしてやったそうだ。 ☆ 記事は、特にニュースバリューのあるようなものじゃなくて、なんとなく味わいのあるコラムやゴシップものばかり。平日の夜などに少しずつ読むのが楽しい。アメリカの知らない記事でも読んで思わずニヤッツとするこの感じ。 |
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2010/6/26 | 「下流志向」 ”学ばない子供たち 働かない若者たち” 内田 樹著 講談社文庫
☆ なぜ、日本の子供たちは勉強を、若者は仕事をしなくなったのか。誰もが目を背けたい事実を鮮やかに解き明かす。 ☆ 「現代日本の基本的ルールは、家族の中で(会社の中でも?)「誰がもっとも家産の形成に貢献しているか」は、「誰がもっとも不機嫌であるか」に基づいて測定される。 ☆ 「現リスク社会を生き延びることができるのは「生きることを集団目標に掲げる、相互扶助的な集団に属する人々」だけです。ですから「リスク社会を生きる」というのは、巷間いわれているように、「自己決定し、その結果については一人で責任を取る」ということを原理として生きることではない。「自己決定し、その結果については一人で責任を取る」というのはリスク社会が弱者に強要する生き方(というよりは死に方)なのです。 |
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2010/6/20 | 「疲れすぎて眠れぬ夜のために」 内田 樹著 角川文庫
☆ 朝日新聞の土曜日のBe欄の特集で著者を知る。哲学者で武道家であり、独自の視点で注目を集めている人だった。面白そうな人なのでさっそく文庫本を数冊購入し読む。 ☆ だから、いくらでも次々読みたくなるのですが、ちゃんと著者のブログ(内田樹の研究室)もあって、毎日のように読んでは、あーっ なるほどなあ、などと頷いている。 |
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2010/6/6 | 「アフリカの日々」 イサク・ディネーセン著 河出書房新社
☆ デンマークで生まれた彼女は、結婚後に夫婦で農場経営のため1914年29歳の時にケニアに渡航しコーヒー農園を始める。夫の放蕩から自らが農園代表者となるが46歳で農園経営に失敗し破産者として帰国する。この間のアフリカで生活者として暮らした日々の記録。 ☆ ケニアの農園は海抜6000メートルの高地にあり、比類稀な美しさをもった所。ただ、高地すぎてコーヒー栽培にはむかない土地であった。アフリカでの過酷だった運命をデンマークに帰国後、冷静に見つめ組み立て直し語っている。アフリカの自然がすばらしく美しく本に溶け込んでしまいそうだ。 |
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2010/5/23 | 「走ることについて語るときに僕の語ることと」 村上 春樹著 文芸春秋庫
☆ 村上春樹は、作家には珍しく健全な?日常生活を送っている。早寝早起きの規則正しい日常生活で、早朝に集中して本を書き、後は日々10キロ程度のランニングをし、あとは、読書をしたりして過ごす。毎年ボストンマラソンなどのフルマラソンに出場しそれなりのタイムも記録する。専業小説家として、長い人生を送るためには体力を維持する方法が必要だと考えた由縁。33歳で走り始める。 ☆ そんな作家が、作家としてはユニークだと思うけど、結構真っ当な人生観を語ってる。毎日、自分に課した距離を走る、規則正しい生活の意味を語っている。集中力を保って長く一流の仕事を続けて行くことは、自分に課した規律が必要なのは、どんな人生にも必要なことだろう。 |
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2010/5/16 | 「犠牲」サクリファイス わが息子・脳死の11日 柳田邦男著 文春文庫
☆ 神経症を患っていた柳田氏の次男洋二郎君が、25歳の夏に自死を図った。彼は対人恐怖症などで、中学生のときから12年間心を病んでいたが、両親ははじめの6年間気づかなかった。混んだ精神科に何年も親子で通院できたのもいづれ、息子が社会復帰する日がくるであろう希望があったから。しかし、悲しい結末となる。 ☆ 脳死の息子に付き添った11日間、息子に語りかけ、だんだんと息子の死を受け入れてゆけるようになる過程がある。生前、息子がせめて世の中の役に立ちたいと望み骨髄バンクに登録していた意思を生かしたいと脳死状態での骨髄提供を希望する。骨髄は間に合わず結局、腎臓提供を行い息子の意思を生かす。「脳死」は人の死か?議論があるが、死かかどうか科学的な判断だけではなく、僕たちにとっては、科学より患者へのいたわりのあるケアが、残された家族が死を受け入れる時間としてとても大切であることを知った。癒しの時間 |
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2010/5/3 | 「生き残る判断 生き残れない行動」 アマガンダ・リプリー著 光文社
☆ 災害を生き延びた人たちへのインタビューから、深刻な災害、テロに襲われたときの人の反応と静止を分ける判断と行動。人はパニックに襲われたとき考えることを止めてしまう。異様に礼儀正しくなり優先して逃げるべき人々が後回しになってしまい手遅れとなる。9.11では非常階段に流れ込んだ人々は、下の階の人々が降りるのをじっと待った。そして逃げ遅れた。 ☆ 世界貿易センタービルに入居するモルガン・スタンレー社の警備主任だったリック・レスコラはベトナム戦争帰りの兵士だった。こらからの戦争の形は、テロとの戦いだと見切っていたレスコラは、このビルがテロに非常に弱いことを見抜いていた。彼は、何年も掛けて3000人の社員に避難訓練を強要し、非常時に備えていた。モルガン・スタンレーのエリート社員に顧客との電話の前を離れさせることは、信念がなければできない。彼は反発をものともせずやり遂げていた。 9.11のその時、レスコラは、「あわてず席を離れないで」とのビル管理会社の愚かな館内放送を無視して社員全員に非常階段から退避するよう指示した。訓練どおり上の階の住人から非難をさせ社員も訓練どおり行動した。タワーが崩壊したときモルガン・スタンレー社の社員2,687人は無事非難していた。その後、彼は、妻に感謝の電話をして再び館内に捜索に入り、タワーは崩壊した。 |
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2010/4/29 | 「うずまき猫のみつけかた」 村上 春樹著 新潮文庫
☆ 村上春樹がアメリカのケンブリッジに住んだ’93年から’95年にかけての滞在記。毎年出場しているボストン・マラソンやフルマラソンを走ることへの思い。新しいフルクスワーゲン・コラードが盗難にあった話。盗難保険の請求で保険会社の担当の女性が日本では考えられないデタレメで、請求にエネルギーを費やされされ、遂に交渉上手な日本人の奥さんにバトンタッチし何とか請求完了する。仕事柄僕はここが一番面白かったけど。飼い猫や近所で見かける猫の話、小旅行の話など、村上ファンに結構サービス精神旺盛に書いてくれてるのが伝わってくるエッセイだね。 |
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2010/4/25 | 「1Q84」 Book3 村上 春樹著 新潮社
☆ 月が二つある世界へ入り込んでしまった、青豆と天吾は、その世界での試練を乗り越えて、運命的な再会を成しとげ、月が一つの”たぶん”もと居た世界に帰ってくる。 |
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2010/3/14 | 「男たちへ」 塩野 七重 文春文庫
☆ フツウの男をフツウでない男にするための54章の副題がついております。 |
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2010/3/7 | 「花散らしの雨」 みをつくし料理帖」 高田 郁 時代小説文庫
☆ 時代小説はもともと好きなジャンルで、料理ネタの小説も好きなので、この両方がマッチしたこのシリーズは楽しい。神田の町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任された女料理人の「澪」は、幼い頃に大阪で両親を失い天涯孤独の身だが、つる家の老主人や長屋の人たち、贔屓のお客さんに助けられ日々成長してゆく。次々出会う試練にも持ち前の根性と料理で試練を乗り越える。 |
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2010/正月2 | 「1Q84」Book1・Book2 村上 春樹著 新潮社
☆ 著者は、地下鉄サリン事件の被害者のインタビュー集とオウム真理教の信者のインタビュー集を出版している。被害者と加害者側の教団に属していた人々両方から話を聞きだしていてサリンやオウム事件のことを深く追求しているけど、この「1Q84」の物語は何かオウムのような得体の知れない新興宗教を土台として展開していてその描写がリアルでもある。短編集に登場するTVピープルや踊る小人をイメージしたようなリトル・ピープルも登場するが、特に空想的とも感じさせないうちに天吾と青豆の物語に引き込まれてゆく。物語のテンポもよくて心地よい音楽を聴くように楽しめた。 |
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2010/正月1 | 「ハリー・ポッターと死の秘法」上下巻(シリーズ第7巻) J. K. ローリング著 静山社
☆ 古書店で買ったシリーズの最終巻を読む。シリーズ1巻からずっとそれなりに楽しみながら読んで来たので最終巻は、正月休みの楽しみに。 |
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2009/12/19 | 「帆船時代のアメリカ」上下巻 堀 元美著 朝日ソノラマ
☆ 造船士官だった著者が、アメリカにおける帆船の歴史を描いた作品。船と海に対する愛情が溢れている。 |
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2009/12/12 | 「羆撃ち 」 久保 俊治著 小学館
☆ 久保さんは、1947年小樽に生まれ、大学卒業と同時にライフルで羆などの獲物を仕留めるプロ猟師となる。子供の頃から、日曜猟師の父親に連れられ、自然と猟に馴染んでいたのだ。同級生が就職活動に明け暮れている頃、父親に猟師になることを宣言する。父は、特に何も言わず、うらやましがっている風でもあったらしい。 ☆ 久保さんは、羆や鹿、雷鳥を売って年収80万円位で充分に生活していたそうだが、厳しい自然環境の中で猟に没頭する生活は充実し、豊かだと感動させるものがある。こちらは遊びで比較は適当でないが、冬の海のセイリングに満足を感じるのに通じるものがあるかも。28歳の時にプロハンターの本場、アメリカのハンティングガイド養成学校に東洋人として初めて入学、校長に1000人の卒業生で最高のハンターだと言わしめる成績で卒業。アメリカでハンターの経験もする。現在は、北海道標津町で牧場を営む。 |
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2009/11/22 | 46年目の光「視力を取り戻した男の奇跡の人生」 ロバート・カーソン著 NTT出版
☆ 3歳の時に薬品をかぶる事故で失明し、回復不能と言われていた男(メイ)が、46年目に最新医学(幹細胞移植)による手術により、視力を取り戻した。 |
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2009/10/ | 「チャンドラー短編全集1 キラー・イン・ザ・レイン」 レイモンド・チャンドラー 早川書房
☆ 「チャンドラー短編集」の当代の翻訳者による新訳短編全集。全4巻の第1巻。1933年のデビュー作「ゆすり屋は撃たない」他 |
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2009/10/ | 「アンダーグラウンド」 村上 春樹著 講談社文庫
☆ 「1995年3月20日の朝、東京の地下でほんとうに何が起こったのか。同年1月の阪神大震災につづいて日本中を震撼させたオウム真理教団による地下鉄サリン事件。村上春樹が、62人の関係者にインタビューを重ね、62名の62通りの思いや人生が鮮やかに伝わってくる。 |
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2009/10/ | 「約束された場所で」 村上 春樹著 講談社文庫
☆ 地下鉄サリン事件の加害者側であるオウム真理教の信者や元信者へのインタビュー集。被害者へのインタビュー集である「アンダーグラウンド」の続編。彼らは、何故現世を捨てて、オウムに何を求めて入信したのか。サリン事件にかかわっていない一般信者へのインタビューを通じて、彼らの、現代社会のかかえる心の闇を探る。 |
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2009/10/17 | 「なぜ選ぶたびに後悔するのか」「選択の自由」の落とし穴 バリー・シュワルツ
ランダムハウス講談社 ☆ 「選択の自由のある豊かな社会の中で、選択の結果に満足できないのはなぜか?ありとあらゆるオプションの中から、よくよく考えて選んだつもりなのに、何か物足りない。買っても買っても満足できない。わたしたちはいったい何が欲しかったのだろう?」満足できない要因は何か?満足すなわち幸福を獲得する方法。 1. 選ぶときを選ぶ 生活の中で向き合う選択肢のうち、何が本当に重要か見極めてそのに時間とエネルギーを注ぐ。オプションを制限すれば、選択の負担を軽くでき、満足を味わえる。 2. つまむひとではなく、選ぶ人になる。 いい判断を下すには時間と注意力が必要だ。必要とされる時間と注意力を捻出するには、選ぶべき場面を選ぶしかない。 3. 満足を心がけ、最大化を控える。 まずまず、を受け入れられるようになれば、意志決定が単純になり、もっと自分の決断に満足できるようになる、満足できる機械を捉えてそれに感謝することだ。ただし、決断を迫られたとき、自分のしっかりした基準が必要だ。 4. 機会コストを機会コストとして考える。 決断したときに退けたオプションの魅力について考えるのはいいがほどでやめるようにするのが正解だ。選ばなかったオプションの魅力を考えると選んだオプションが物足りなくなる。 5. 決断は取消不能にする。 いちど決心したら取り消せないのだと覚悟していれば、いつも横目で出口を探すのではなく、いまの関係をよりよくすることにエネルギーを注ぎ込む事ができる。 6. 感謝の心を実践する。 選んだ品なり経験なりのいい面にもっと感謝して、悪い面にあまりがっかりしないように意識して努めることで、主観的な評価はかなり違ってくる。 毎日寝る前に感謝する事を5つ書き出す。 ・寝室の窓からさしこむ日光、友人の暖かい言葉、アジが絶妙にうまく焼けた、雑誌で役に立つ記事を見つけた・・。 7. 後悔しない。 後悔を恐れる余り判断が狂ったり、判断を避けるまでになれば、なるべく後悔しない方法を考えるのが正解だ。 8. 順応を見越す。 なんにしても手に入れた時の喜びは続かないとわが身に言い聞かせる。 9. 期待を管理する。 決断の結果に高い期待をかけすぎない。 10. 他人との比較はほどほどに 自分を幸せにすること、自分の生活に意味を与えるものに注意を向ける。 11. 制約を歓迎する術を学ぶ 毎日が、選択との戦いにならないようルールに従うと決め、節約した時間をルールを適用できない選択や決定について考える時間に振り向ける。 |
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2009/7/11 | 「ハイブリット」 木野龍逸著 文春新書
☆ ハイブリット車プリウスの開発に挑んだ経緯とエンジニアたちの開発過程の物語。トヨタの車は好きでなかったが、この開発物語を読んで見方が変わった。プリウスは奇跡で誕生したような車だった。大企業トヨタのイメージとは違って、いい加減さがあったり、とんでもないような意思決定があったり意外にファジーな?感じがいい。トップの車社会の未来を見つめた車の開発をとの号令で、プロジェクトがスタートしたが、誰もが、ハイブリット車は「99%無理だ」と思っていた。しかし、誰も自分がプロジェクト中止のストップひも(工場で製造ラインを緊急に止めるためのひも)を引いた汚名だけは着たくない。開発期限をどんどん切られ、追い込まれながらもチームは、開発の成果を出してゆく。 |
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2009/7/4 | 「象の消滅 」 村上 春樹著 (短編選集1980-1991) 新潮社
☆ アメリカで、出版された村上作品初期の短編17編が、英語版と同じ作品構成で、日本版として出版されたもの。村上作品は、アメリカの雑誌「ニューヨーカー」で高く評価され、1990年に日本人として初めてニューヨーカーに作品が掲載された。この後、93年に大江健三郎氏、04年に小川洋子さんの短編作品が掲載されている。ニューヨーカーに掲載されることがどのくらいすごいかは、ニューヨーカーを根城に輝かしいキャリアを積んだ偉大な作家が、トルーマン・カポーティ、J.d.サリンジャー、アーウィン・ショー、ジョン・アップダイク・・と綺羅星のごとくいることだ。さらに93年には、ニューヨーカーに優先的に作品を掲載する契約を勧められ、結んでいる。 ☆ 「象の消滅」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」「パン屋再襲撃」・・17の短編は、どれも日常を題材にした作品で、違和感無くスッと物語に入ってゆけるのだけど、何かしら不思議で奥深い世界を持っている。作家の持つ引き出しの多さとか感性の豊かさを感じさせられる。また、この短編集の装丁も中身を反映したようにモダンでいかにもニューヨーカーの趣味のようでもあり本棚に残しておきたくなる一冊。 |
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2009/6/27 | 「コロンブスそっくりそのまま航海記 」 ロバート・F・マークス著 朝日新聞出版
☆ トレジャーハンティングの会社も経営する水中考古学者である著者の1962年の航海「Voyage
of NINAU」が、何故か今年4月に翻訳されたもの。 ☆ コロンブスの時代の天文航法を使い、コロンブスと同じ食料を積み込み、服装も同じに。出発の日も同じにこだわったため、かなり準備不足でぶっつけ本番の航海となり、やっぱりトラブルの嵐に見舞われる。乗組員は、公募で集まったスペインの人々だが漁師はいても帆船の経験者はいない。食糧不足、水不足、嵐で沈没の危機、乗組員のトラブル、木造船が腐り始める、位置をロストする。トラブルのかなりの部分は、準備不足が招いたものだけど、最後にはアメリカのバハマ諸島になんとか到着し盛大な歓迎をうける。航海は、まず、出航してしまうことも大切なようだ。 |
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2009/4/29 | 「スプートニクの恋人 」 村上 春樹著 講談社文庫
☆ 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。 ☆ とてもありえない不思議な物語だけど、物語にシンクロしながら引き込まれてゆく。特にギリシャの小島でのすみれとミュウそして僕が登場してのストーリーがいい。 |
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2009/4/26 | 「意味がなかればスイングはない 」 村上 春樹著 文春文庫
☆ 著者初の音楽エッセイ。シューベルトのピアノソナタからスタン・ゲッツ、ブルース・スプリングスティーン、Jポップのスガシカオまで11名の音楽シーンを村上春樹の愛情あふれる名文で語る。音楽を聴くように言葉をかみしめ一文一文楽しみながら読み進む。 ☆ この文章には思わず頷く。 |
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2009/3/28 | 「予想どうりに不合理 」 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 ダン・アリエリー著 早川書房 ☆ 経済行動に大きく影響しているのにもかかわらず、これまで無視され誤解されてきた、ひとの不合理さを研究するのが、行動経済学というあたらしい分野である。 ☆ 一方、行動経済学の考え方では、人々が身近な環境から余計な影響を受けやすく、関係のない感情や浅はかな考えなどさまざまな形の不合理性にも影響されやすいと考える。 |
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2009/3/22 | 「世界一高いワイン”ジェファーソンボトル”の酔えない事情 」 真贋をめぐる大騒動 ベンジャミン・ウォレス著 早川書房 ☆ アメリカ第3代大統領、ジェファーソンが所有していたとされるビンテージワインが1985年にクリスティーズのオークションで3000万円で落札されるが、このボトルの信憑性に疑問の声があがる。このボトルの発見者が怪しいが証拠がない。誰も手を出せない。 ☆
この人物を私的捜査網を駆使して調べ上げ、遂に2006年に告訴したのは、1992年アメリカズカップ優勝艇アメリカキューブのオーナー、ビル・コークだった。この人物からたくさんの高価なビンテージワインを購入していたため白黒つけないと許せなかったのだ。 |
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2009/3/14 | 「生物と無生物の間 」 福岡 伸一著 講談社現代新書
☆ プロローグで著者は学生時代に教師が問うた言葉を紹介する。 ☆ ここからノーベル賞を獲得したワトソンとクリックのDNA2重ラセンの論文が紹介され、DNA発見にまつわるドラマが語られる。DNAについては、生物の時間に習ったような内容を判りやすく、エピソードも交えながら文系の読者にも興味を切らさないように工夫しながら解説されている。 |
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2009/3/7 | 「精神科医は腹のそこで何を考えているか 」 春日 武彦著 幻冬舎新書
☆ 人の心の闇と向き合う精神科医とはどんな人たちなんだろう。と思ってこの本を読み出した。100人の精神科医が登場して100タイプの医師を語る。ほとんどの医師は、この著者の分身であるようだけど、結構本音で語ってくれているようで、医師の葛藤もリアルに伝わってくる。あえていただけない医師のタイプも登場させており参考になる。 ☆ 48番目の医師のささやきは分かる気が: |
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2009/2/22 | 「巨龍・中国がアメリカを喰らう 」欧米を欺く「日本式繁栄システム」の再来 エーモン・フィングルトン著 早川書房 ☆ 著者曰く、現在の日本の繁栄があるのは、先進国アメリカの先進の技術移転を受け、ものづくり立国として、開放されたアメリカ市場に輸出を行い、自国の市場は貿易障壁で巧妙にガードし貿易黒字を溜め込んだお陰である。この「儒教国家」特有のずるがしこい繁栄システムを模倣して、東アジアの儒教国家である韓国、台湾もまた、繁栄を手に入れた。 ☆ 先進国の技術を盗み安い労働力で、製造業を起こし輸出で国を潤わすアンフェアな国々。かなり過激に日本をはじめ東アジアの国を攻撃しているが、今、日本が中国に漠然と感じている近い将来には日本の製造業を盗られてしまう恐怖を、この著者はアメリカを初めとする西洋に警鐘を鳴らしているようである。こんなものの見方をされているのは、日本人として理解しておくべきことだろう。サブプライムローン問題でアメリカ経済が破綻しかけている今、不況の不満は、日本や東アジアにきそうだ。アメリカの雇用を守るため製造業を返せと。 |
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2009/2/7 | 「密謀」 藤沢 周平著 朝日新聞社
☆ 上杉謙信の義の心を受け継ぎ、戦国の世を駆け抜けた上杉家知謀の執政・直江兼続。豊臣秀吉を魅了し、徳川家康を畏怖させた傑物の生涯。上杉景勝の執政として上杉家を守る。秀吉の遺制を次々と破り、勢力を増大していった徳川家康は、石田三成の策に乗って天下分け目の”関が原の戦い”を起こすが、上杉景勝は、石田と呼応し家康挟み撃ちにすべきとの兼継の進言にも関わらず、自領会津を動かなかった。 ☆ 直江兼続の心中には、主家の命で進軍せず、後に家康が天下人となったのを認め降伏したことに複雑な思いを残す。上杉が兵をあげれば、家康は、関が原の戦いに全勢力を注げず、日和見的な勢力も家康に参戦せず、天下の趨勢は反対に向ったはずだ。しかし、主君上杉景勝に天下を獲る気概はなく、兵を収め家名を残すことを最優先した。傑出した名参謀も主君と天下の大きな流れには逆らえない。直江には、そこまで転がり込んでいた天下取りの大きな仕事をあと一歩で成し遂げれなかった不運の想いがあるのでは。 |
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2009/1/31 | 「最後の冒険家」 石川 直樹著 集英社
☆ 熱気球の冒険家「神田道夫」は、熱気球での長距離世界記録、滞空時間世界記録を達成し、西ヒマラヤ最高峰ナンガパルバット越えに成功し2000年の植村直己冒険賞を受賞した。2004年に神田氏と著者の二人で行った太平洋横断は失敗し、太平洋に着水、運よくパナマ船籍のコンテナ船に救助される。2008年1月31日2回目の太平洋横断では、同乗者を見つけられず神田一人で太平洋に飛び立つが、2月1日午前3時の更新を最後に消息を絶ち、未だ発見されていない。 ☆ 本田勝一氏は、冒険の条件として「命の危険性」と「行為の主体性」の二つをあげているが、勤め人が仕事の傍らにスポンサーもなく自己資金で、手作りの熱気球に籐のバスケットを吊り太平洋を横断するのは、まさしく冒険だろう。バージングループの会長リチャード・ブランソンが1991年に熱気球で唯一太平洋横断に成功しているが、気密ゴンドラに乗りハイテクを駆使してたぶん資金もふんだんに使って行っており、神田の冒険とは全く趣が異なる。 |
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2009/1/18 | 「ネームドロッパー」上・下巻 ブライアン・フリーマントル著 新潮文庫
☆ ネームドロッパーは、他人の個人情報を盗み出して本人になりすまし、ネット上から財産を騙し取ってしまう詐欺師のこと。イギリス人のジョーダンは、一仕事終えて、ニースにバカンス、そこで出会った美しい人妻アリスと楽しい休暇の一時を過ごす。それっきりの関係のはずだったが、帰国した彼を待っていたのは、「姦通罪」での訴状。ジョーダンと敵との知的な攻防戦がスリリングで途中で読むのを辞められない。ネット詐欺の全貌もわかり面白い。 ☆ 著者は、東西冷戦の終結後、得意のスパイ小説から、ロシアマフィヤの活動など新しい分野でも次々書いているが、毎回、背景の取材が緻密で、ストーリーとその世界の様子を存分に共に楽しめる。 |
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2009/1/17 | 「前線 捜査官ガラーノ」 パトリシア・コーンウェル著 講談社文庫
☆ シリーズ第2弾。捜査官ガラーノは、眉目秀麗なヒーローで、ブランド品で身を包んでいる。でも、そのブランド品は、古着屋から買ったもの。車はハマーに乗っていたが、ガソリン代の値上げでハーレーに買い換えたりもする。高級アパートに住むが警察の特権を利用して安く契約したり、適当に要領のいい庶民的なヒーローで親しみがある。 ☆ 野心満々の非常なエリート検事にこき使われるが、その検事の窮地も救い、貸しを作ったりして事件を巧く解決してしまう。著者も「検視官」シリーズよりかなりリラックスして書いと思う警察小説。退屈なな週末を乗り来るのにぴったり。 |
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2009/1/11 | 「笑いと治癒力」 ノーマン・カズンズ著 岩波現代文庫
☆ 著者は、アメリカ人のジャーナリストで米有数の書評・評論誌「サタデー・レビュー」編集長を30年務め、その後カリフォルニア大学大脳研究所教授となる。 ☆ 医師に回復の見込みが薄いことを宣告されてから、積極的に自分の病気に関わり自分で何とかしなくてはと、強い意志で病気の回復に努める。お笑いの本やビデオで気持ちを明るく前向きにし、ビタミンCを摂ったりし奇跡的な全快をする。 |
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2008/12/30 | 「インド厄介な経済大国」 エドワード・ルース著 日経BP出版センター
☆ 経済新興国として話題になる事が多い最近のインドは、マンガ「島耕作」と一時人気のインドファンドで知るだけの経済発展著しい国であった。実際は、経済的にも文化的にも宗教でも大変厚みがあり、また極端な両面性のある一筋縄ではいかない国のようだ。経済では、優秀なIT産業や鉄鋼業、製薬業など非常に先進的な技術を持ち、世界の先端産業にソフトや製品を供給している。インドのIT産業が生み出すソフトウエアを締め出しては、アメリカの金融業やIT産業も成り立たなくなるほど、深く入りこんでいる。日本の自動車メーカーに鉄板を輸出するほど鉄鋼業の技術力もある。 ☆ インドの産業が、IT産業を含めて高い技術力を持っているのは、法律で労働者の権利が強く保護されているため一度雇った従業員は、容易に解雇できないので、中国のように安い労働力を使って安物を大量に作り輸出する産業では成り立たない。そのため精鋭をそろえ、高い技術力のある産業で世界に進出していたのだ。インドも中国と一緒で安い労働力にたよる輸出産業の国と考えていたが、この点が中国と大きく異なるインドの産業の強みだ。 ☆ また、インドは民主主義が尊重されている国で、激しい貧富の差やカースト制での差別、異なる宗教の民などの問題があるが、選挙では多数をしめる下位のカーストの人々や貧しいが多数を占めるモスリムの意見が選挙を通して反映されている。厄介な問題を山ほど抱える国であるが、これらを巧く克服して発展すれば、将来は中国に伍する大国になる可能性も秘めている国だ。 ☆ しかし、農村部を中心に凄まじい貧困層があり、インドのような極貧が実質ゼロの日本はなんと恵まれた国だろう。日本で問題の格差社会なんかのレベルじゃなく、生きれるかどうかの格差がインドには現存する。 |
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2008/12/7 | 「人間交路」 長倉 洋海著 毎日新聞社
☆ シルクロードを旅した写真家「長倉洋海」氏の写真紀行 ☆ 長倉洋海氏は、「マスード 愛しの大地アフガン」などアフリカ、中東、アジアなどの紛争地域を撮った写真集で有名だが、この写真集はシルクロードの街々で暮らす人々を愛情をこめて撮った写真集となっている。 |
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2008/12/6 | 「こころ」 夏目 漱石著 角川書店
☆ 大正三年作。「漱石後期三部作の終曲であるばかりでなく、漱石文学の絶頂をなす作品。誠実ゆえに自己否定の試みを、自殺にまで追い詰めなければならなかった漱石は、そこから「則天私去」という人生観にたどりつく。」と文庫本の解説。 ☆ 若き日の先生は、寡婦と娘が暮らす家に下宿していたが、貧乏な友人Kを好意で連れてきて隣の部屋に住まわす。Kは次第に娘に恋心を抱き、先生に告白するが、先生は、その告白で自分も娘に好意を持っているのに気付く。 |
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2008/11/30 | 「臨床瑣談(りんしょうさだん)」 仲井 久夫著 みすず書房
☆ 題名は、臨床経験で味わったちょっとした物語といった意味。著者の専門である精神科以外の医学や病院やその周辺のことについての想いが綴られれいる。著者は1934年生まれの方なので、最新の医療情報が描かれているわけではないが、その経験からの見識に共感することや考えさせられることが多かった。 ☆ 病名を告知された患者側ができる有効なことは何かに主眼がある。 |
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2008/11/23 | 「ぼくは猟師になった」 千松 信也著 リトルモア
☆ 京都の山の麓に住んで猟師になった千松さん。 ☆ 猟師生活を続けるため、定時に早く終われる運送店で働きながらの生活だが、狩猟期に捕獲した肉を保存し、四季折々の山菜や川魚の捕獲、海にも出かけ素もぐりで、漁もする。質素だが、こんな風に豊かな生活が、京都の街外れに暮らしながら出来ることに驚きだ。グローバルな時代の奔流に惑わされず、僕らが忘れてしまっていた昔ながらの人間らしい生活だ。 |
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2008/11/16 | 「ニューヨークのとけない魔法」 岡田 光世著 文春文庫
☆ ニューヨーカーは、お節介で、おしゃべりで、図々しいけど憎めない。 ☆ 東京の大学を卒業後、ニューヨーク大学で勉強し新聞記者など経て作家になった人だが、ニューヨークでこんな生活をしている日本人もいるかと思うほど、都会の街に溶け込んで自然体でニューヨークの生活を楽しんでいる。 |
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2008/11/2 | 「プロ弁護士の思考術」 矢部 正秋著 PHP新書
☆ ではアマ弁護士はどんなん?とタイトルを見て思う。 ☆ 七つの考え方の一つ一つは、そのとおり、と思うことばかりで特別なことはないように思うが、日常の思考の中で体系的に使いこなせることが、凡人でない所以なんだろう。さて、思考に必要な七つのコンセプトとは、 |
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2008/10/13 | 「さらば財務省」 -官僚すべてを敵にした男の告白- 高橋 洋一著 講談社
☆ 小泉政権時代の郵政改革に竹中大臣のブレーンとして、財務省官僚から派遣される。経済財政諮問会議などで異能を発揮する。財務省では、東大法学部がエリートコースだが、著者は、東大数学科卒業後経済学科も卒業し、財務省の変人枠で入省したそうだ。入省後プリンストン大学に3年間留学し、著名な経済学者の薫陶を受ける。 ☆ 財務省では3人しかいない理数系の人で、財務省の先輩が制定したものでも自分がロジカルに解明した結果をそのまま公表して、財務省からずいぶん不興をかったようである。財務省などが隠す今話題の「埋蔵金」を見つけ出し暴露したのもこの人。 |
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208/10/3 | 「秘められた貌」 ロバート・B・パーカー著 早川書房
☆ パラダイス署の署長ジェシイ・ストーンのシリーズ第6作 ☆ 事件も男女の愛憎が引き起こす。したたかな女に惚れた元警官が、その女を愛しているゆえに指図を断り切れず、遺産相続で女に利害反する人々を殺してしまい、最後までその女を庇い、罪を引っかぶって最後には、ジェシイに撃ち殺されてしまう。悲しい男の物語。 |
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2008/10/2 | 「異邦人」 パトリシア・コーンウェル著 講談社文庫
☆ 検視官ケイ・スカーペッタシリーズも15作目では、独立して法医学コンサルタントとしてチャールストンに移っている。女子テニスのスタープレイヤーが休暇先のローマで惨殺された。遺体は酷く切り刻まれ、くり抜かれた眼窩には砂を詰められていた。イタリア政府から依頼を受けたスカーペッタは、法心理学者のベントンとともに事件の調査に乗り出す。最新の捜査技術を駆使し、遺体や犯行現場の残留物から犯人を追跡する。捜査に関わる人々の会話が絡み合い伏線となりながら捜査は進んでゆく。ハイテクを駆使した最先端の捜査手法が興味深い。 ☆ 長年の仲間だった元刑事マリーノとの間に深刻な齟齬が生まれる。長年の秘書ローズは、末期がんに侵されていた。コンピュータの天才ルーシーも深刻な病魔を抱えている。ハッピーエンドかと思ったベントントとの関係もスムーズには行かない。この章では、スカーペッタを取り巻く人たちの環境や関係が劇的に変化してゆく。深刻な状況のなかで最後にたどり着く結末に驚かされる。 |
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2008/10/1 | 「殺意のコイン」 ロバート・B・パーカー著 早川書房
☆ 私立探偵サニー・ランドルシリーズの6作目 ☆ サニーは、分かれた恋人と縁りを戻そうとするが、お互いの関係に自信が持てず精神科医のカウンセリングを受けている。その先生は、探偵スペンサーシリーズのスペンサーの恋人スーザン。刑事もボストン市警や州警察の刑事など共通の人物が登場する。ロバート・パーカーの作品を読むときの楽しみの一つ。 |
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2008/9/28 | 「ドリームガール」 ロバート・B・パーカー著 早川書房
☆ 私立探偵スペンサーシリーズの三十四作目 ☆ 売春は、スペンサーとスーザンの純愛の対極にあり、探偵のスペンサーとしては容認できないが避けて通れない問題。スペンサーは、エイプリルを救おうと最善の努力をするが、エイプリルは最後まで、心を開かない。男に依存する生活から抜け出すために男の手を借らざるえず、ジレンマに陥る。利用したつもりの男に利用され、自身の破滅へと進んでしまう。物悲しい結末。 |
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2008/9/14 | 「フロスト気質」上・下巻 R・D・ウイングフィールド著 創元推理文庫
☆ フロスト警部シリーズ第4弾 ☆ 4年に1冊くらいしか出版されないシリーズだけど、こんなに大笑いさせてくれ、読み出したら止まらない本はすごい。文庫本1冊1155円の値段もすごいけど。 |
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2008/7/20 | 「悩む力」 姜尚中 集英社新書 ☆ 人生論 個人をめぐる現代の問題は、100年前の夏目漱石と社会学者マックス・ウエーバーが直面したものと同じと著者は言う。 |
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2008/7/12 | 「深夜特急」 第1巻から4巻まで。 1巻 香港・マカオ 2巻 マレー半島・シンガポール 3巻 インド・ネパール 4巻 シルクロード 沢木耕太郎著 新潮文庫 ☆ 昭和22年生まれの沢木耕太郎26歳の時の旅物語。若者の貧乏旅行は、もう当たり前というか、普通に行われているし、類似の多くの旅行記やテレビ番組でも多く放映されていて情報は一杯ある。しかし、どういった訳か今やルポライターの大家となっている著者の若き日のこの旅物語が書店で目に留まり、なにかしらの懐かしさのような気持ちも動いて手に取る。 ☆ 旅は、第5巻トルコ・ギリシャ・地中海 第6巻南ヨーロッパ・ロンドンへと続いているが、今回は、4巻読んでなんとなく納得した感じで終了した。アジアのエネルギーを感じてもう充分といった感じ。 |
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2008/5/6 | 「ロスチャイルド家と最高のワイン」 名門金融一族の権力、富、歴史 ヨアヒム・クルツ著 日本経済新聞社 ☆ 物語は、ロスチャイルド家の勃興から始まる。フランクフルトの貧しいユダヤ人横丁で生まれ起業したロスチャイルド家の始祖マイヤー・アムシェルから2代目で、事業を発展させた5人の息子達。1800年代にすでにこの息子達は、パリ、ナポリ、ウイーン、ロンドンに分家している。グローバル事業の先駆者達だ。ユダヤの迫害と金融帝国を築き上げていった手腕など興味深い。 ☆ クライマックスは、シャトー・ムートンを名だたるブランドワインとして成功させたフィリップ・ド・ロスチャイルドの物語。当初の格付けは、1855年パリ万博の時に制定された2級シャトーだったが、これに我慢できず、20年ご遂に1級シャトーとして認めさせた執念。ワイナリーを農家から一流のグローバルなビジネスに成長してゆく過程も描かれて面白い。現代のワイナリーはさらにグローバル企業により経営され、洗練され儲かるビジネスとして確立されてきている。ワインのロマンはももう飲む側のノスタルジーだ。 |
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2008/4/27 | 「不機嫌な職場〜なぜ社員同士協力できないのか」 河合
太介 (著), 高橋
克徳 (著), 永田
稔 (著) 講談社現代新書 ☆ 職員の数を減らされ最小人数で仕事をせざる得ないと、自分の仕事に日々に追われる。廻りの職員も似たようなものだから、自分の事をまず片付けないと仕事が溜まる一方だ。そんな中で、お互い協力しろと言う方に無理があるように思う。 |
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2008/4/20 | 「ミラノ 朝のバールで」 宮本 栄子著 文芸春秋社
☆ 著者が小学生の頃、お姉さんから贈られた「イタリア」の写真集。その時から日記のようにその写真家(西川治)に手紙を書き続けた。大学生の時、偶然、その写真家の家の前を通りかかり、面談した。緊張で何を話したか憶えてないけどその後も手紙を書き続けた。家業の倒産で大学3年生のとき、退学し、新聞でたまたま見つけたイタリアでウエイトレス募集の広告に応募し、24歳のこのとき初めてイタリアに行く。 ☆ イタリアのレストランで、イタリア人のカメリエレ(給仕人)と出会い、結婚。今は、彼の経営するレストランを手伝いながら2人の子供の母親である。日本での噂どおりのイタリア人の情熱といい加減さなどに翻弄されながら、イタリアを丸ごと愛するようになった著者が日記のように書き綴った54編のエッセイ。 |
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2008/4/12 | 「治療を超えて」 バイオテクノロジーと幸福の追求 大統領生命倫理評議会報告書 青木書店 ☆ アメリカ合衆国大統領の諮問委員会の報告書の日本語訳である。原文はサイトでも公表されている。バイオテクノロジーの発達により、今まで考える必要もなかった様々な倫理問題が発生してきていることは、日本のマスコミでも頻繁に見聞きするようになった。この翻訳版は、2005年10月出版なので、さすがにアメリカでは、かなり前からこの問題について大統領が諮問委員会を編成して取り組んでいたようだ。委員会のメンバーは、医者博士を初め哲学者、法学博士など多彩なアメリカの英知を集めている。
☆ 報告書の要旨は、つぎのとおり、前書きに当たる大統領宛送付書にまとめられている。 |
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2008/3 | 藤沢 周平著作シリーズ 新潮文庫 文春文庫 「用心棒日月抄、孤剣、刺客(三部作)」「漆黒の闇の中で(彫師伊之助捕物覚え」「たそがれ清兵衛」「蝉しぐれ」「よろずや平四郎活人剣」etc ☆ 3月は、藤沢周平の時代劇シリーズを毎日のように読む。市井の人々の人情、切ない恋心、藩内の権力闘争に巻き込まれる主人公達の生き様、悪徳代官と悪徳商人を懲らしめる主役達。 読み出したら止まらない魅力あるドラマばかりです。 |
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2008/2/23 | 「やがて目覚めない朝が来る」 大島真寿美 筑摩書房
☆ 人生で避けられない死を意味したタイトルだが、物語は淡々と進みよい音楽を聴いた後のような心地良さが残る。 ☆ この人たちとの交流と父親との再会、そして死別。誰にも「やがて目覚めない朝が来る」けど、人情味あふれた人たちに取り囲まれた人生は捨てたものじゃない。 |
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2008/2/11 | 「バベットの晩餐会」 イサク・ディーネセン 筑摩書房
☆ デンマークの女流作家が1950年にアメリカの雑誌で発表した作品。 ☆ バベットの創る芸術品の料理の数々は、質素な信仰生活を長年続け、すでに年老いて、気難しくなり不和の耐えない人たちに言い知れぬ幸福感をもたらし、長年のいさかいもどちらからともなく氷解させてしまう。 |
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2008/2/10 | 「二度目の破滅」 「束縛」 「虚栄」 ロバート・B・パーカー 早川書房
☆ 女探偵サニー・ランドルシリーズ3冊を週末に一気読み。 ☆ 元旦那とあえて離婚したが、今も自分の気持ちに確信が持てず、カウンセリングを受けながらもギャングファミリーの元旦那とも縁が切れず交際中。 |
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2008/2/9 | 「冷蔵庫のうえの人生」 アリス・カイパース 文芸春秋
☆ 変わったタイトルの本だが、この本の文章は、シングルマザーと15歳の娘の冷蔵庫の扉に張った連絡メモだけ。 ☆ 母と娘のメモだけの文章で、二人の心配や喜び、お互いに支えられる人の居る安心感がかえってストレートに伝わってくる。毎日ゆっくり会えなくても、何気ない伝言も文章にして日々、伝え合って、親子の絆は強まってゆく。 |
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2008/1/6 | 「捨てられるホワイトカラー―格差社会アメリカで仕事を探すということ」 バーバラ・エーレンライク 東洋経済新聞社 ☆ アメリカ人の中年女性ジャーナリストが、ホワイトカラーの失業者を装って、就職活動をするルポ。 ☆ 中年のホワイトカラーには厳しい現実を突きつけられるが、ここから特段の社会的な提言がされている訳ではない。 |
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2007/12/24 | 「財務3表一体理解法」 国定克則 朝日新書 ☆ ビジネス新書のベストセラーとなっていたのを新聞の書評欄で見ていたのが出張先の東京の書店で目につき購入。「六本木ヒルズの人気ビジネス講座が本にー」とサブタイトルにある。 ☆ 最近の経済新聞でよく目にしていた「税効果会計」「企業の合併と買収」「のれんの処理」などの会計的な処理の意味がやっと理解できた(気がした)。ハウツーものの本で満足できるようになったのは、年齢のせいかなとも思うが。 |
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2007/12/15 | 「獄中記」 佐藤 優 岩波書店 ☆ 血肉となった哲学をもつ人は、逆境で強い。強いだけでなくますますその強さを昇華させてゆく基礎体力をもっている。不条理なことに追い込まれたときは、その哲学が自分を律して生きていくうえで背骨のように必要不可欠なものだろう。 ☆ それにしても著者の勉強量の豊富さに驚かされた。外務省の情報分析専門官であるが、昼夜を徹しての仕事とそのための読書量に伴う博識に驚嘆した。学生時代に勉強した基礎体力もあったればこそだろうが、1日に1500ページの専門書を読破し、その後ワープロで読書ノートをつける。毎日まともな睡眠時間なく自分を高める努力をするプロ意識に脱帽するばかり。キャリア外交官でも勉強不足の者も多く、その国の新聞の論説もまともに読めないくせに外交官として通用している人も多いらいが。 |
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2007/11/24 | 「国家の罠」外務省のラスプーチンと呼ばれて 佐藤 優 新潮文庫 ☆ 鈴木宗男議員と著者の逮捕を「国策捜査」と著者は呼ぶ。国がその時代の求める風を感じとり、風に乗れず旧態依然の体質で活動する者たちを時代のけじめをつけるための生贄として断罪する。最初に有罪ありきの捜査のこと。そういえば、北方領土返還に全力を傾けた著者と比べると、かなり卑しく書かれているが「守屋次官」のゴルフ接待事件もそんな感じを受ける。単なる破廉恥なごっつあん犯かもしれないけど。 ☆ 接見禁止に土日も無い連夜の検事の取調べに耐え、検事とバトルを繰り広げる。検事と互いに人間同士の尊敬の念をも抱くようになる。検事の仕事ぶりも興味深い。 ☆ 新聞とテレビネタでニュースを判断するのは禁物。事件の背景は見えてない。著者におもねる記事やコメントばかり聞いているのは怖いことと改めて知らされた。 |
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2007/11/11 | 「殺人にうってつけの日」 ブライアン・フリーマントル 新潮文庫 ☆ フリーマントルは、スパイ、チャーリー・マフィンシリーズで大ファンになったので全部読んでるが、この作品は、これとは独立した物語。CIAを裏切ってKGBの手先となった男が、KGBのアメリカでの連絡役の男に妻も寝取られたうえにCIAに売られ、15年間服役。その間、二人に復讐することだけを考えていた。男はしかし、元妻を虐待していた大悪党とプロットはそう単純ではない。 ☆ イギリスの諺に「どの家のクローゼットにも棺おけがある。」(それぞれ人に知らせられない事情があるといったことだろう)と言うのがあるそうだが、この作品でも元スパイ同士の復讐劇以上に二人の心理戦の描写や元KGBの男と妻の窮地に追い詰められるほど広がってゆく、二人のミゾの描写が秀逸で、読み出したらやめられなく一冊 |
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2007/11/10 | 「慰安婦達の太平洋戦争」 秘められた女達の戦記 山田 盟子 光文社NF文庫 ☆ あまりにムチャクチャで、辛い運命の女性達の物語に最後まで読む気にならなかった。平和と経済的安定の得られない時代は酷い。特に社会的な弱者ほど。 ☆ その数、数十万人、陸軍は、慰安婦、海軍では特要員と呼ばれ、その存在も、生死さえも闇の中に閉ざされた”軍機の女達の足跡”を現地取材を重ね追い続けた著者の執念の著作。 |
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2007/10/28 | 「過去からの弔鐘」 ローレンス・ブロック 二見文庫 ☆ 元刑事の探偵マット・スカダー・シリーズ ☆ ビレッジのアパートで切り刻まれ殺された娘の過去を探して欲しいとその父親からの依頼を受けるが、犯人は、逮捕され独房で自殺していた。 |
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2007/10/20 | 「グルメ探偵」 ピーター・キング バベル・プレス ☆ 著者は、フロリダ在住のシェフ。グルメ関係専門の探偵が活躍するシリーズ第1作。事件のスリルに美食が付きまとうおいしい本。シェフだけあって、事件と一緒においしそうなレシピも満載されている。 ☆ 有名な美食の会で、死人がでた。探偵は、得意の舌で事件に迫ってゆく。食欲の秋の夜長に読むのに最適な読書と美食の混ざった一冊。 |
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2007/10/7 | 「捜査官ガラーノ」 パトリシア・コーンウェル 講談社文庫 ☆ 検視官シリーズのコーンウェルの新しいシリーズ。 ☆ 検視官シリーズのような全編に漲る緊張感がなく、久しぶりのこの著者のシリーズを楽しみに読んだ割にはちょっとガッカリ。DNA捜査が登場はするけど、重要な要素でもなく目新しい捜査方法でもない。キャリアの美人検事が、同僚の科学捜査研究所所長の差し金で、強盗にレイプされ殺されそうになったりするプロットは、検視官シリーズを思い起こす意表をつかれる展開だったが、そこまでの感じ。この著者にしては物足りない1冊でした。 |
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2007/9/29 | 「スクール・デイズ」 ロバート・B・パーカー 早川書房 ☆ 探偵スペンサーシリーズ33作目で、既に33年続いているシリーズ ☆ ボストン郊外のハイスクールで起こった生徒2名による銃乱射事件。犯人の生徒は自白して事件は明白なはずだが、どこかしっくりしない。無実を信じる少年の祖母の依頼で調査を開始したスペンサーが、少年を取り巻く生々しい事実を暴いてゆく。 |
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2007/9/17 | 「経済財政戦記」 官邸主導 小泉から安部へ 清水 真人 日本経済新聞社
☆ 小泉内閣で有名になった「骨太の方針」。 ☆ 竹中経済産業相と彼が任命した少数精鋭の匿名チームと与謝野薫、中川秀直、谷垣財務相らの激しい確執の中、小泉首相のリーダーシップで、骨太の方針が決定定して行く。決定されるまでの紆余曲折の過程とデフレと格闘しながら政府、自民党、閣僚らとの利害衝突をまとめ上げてゆく小泉首相のリーダーシップは、迫力がある。 |
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2007/9/9 | 「<病>のスペクタクル」 生権力の政治学 美馬 達哉 人文書院
☆ 「国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の躍進に努めなければならない。(「健康増進法」第2条)」 ☆ 病へのせりあげられた恐怖と病への予防が反照しあう「病のスペクタクル」 |
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2007/8/12 | 「パリスの審判」 ジョージ・M・ティバー 日経BP社
☆ カリフォルニアワイン VS フランス・ワイン ☆ カリフォルニアワインが、フランスの名だたるワインをブラインド試飲会で破ったドラマに劣らず、感動的なのが、カリフォルニアのワイン生産黎明期に試行錯誤しながらワイン生産に打ち込み、フランスのワインに勝るワインを生産・醸造した人々のサクセスストーリーやほろ苦い物語だ。読み進みながら登場するワインを何時か味わうことを夢想して何度も、銘柄をメモしながら読み進んだほど、魅力的なワイン物語。 ☆ 各章の末尾に記載された訳者の「訳注」が気がきいていて面白い。この本の題名「パリスの審判」の訳注:ギリシャ神話の故事にある元祖「美人コンテスト」 結婚式に招待されなかった「争いの神」、エリスが結婚式場に「最も美しい女神へ」と書いた黄金のリンゴを投げ込んだ。三人の女神がそれは私のものとケンカになり、ゼウスは、トロイアの王子、パリスを「選考委員」に指名した。最初のヘラ(ゼウスの妻)は、「私を選んでくれたら、世界の支配者にしてあげます。」と言い寄り、2番目の軍神アテナは、・・・・・・。とうん蓄も楽しめる。 |
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2007/7/14 | 「ハリー・ポッターと謎のプリンス上・下」 J.K.ローリング 静山社
☆ 全世界で3億部売れたこのシリーズの第6巻。第1巻の「賢者の石」から全部読んでいるけど、面白いのでやめられない。 ☆ 童心に帰って夢中になって読んでいる自分がいるのに気づいて楽しい。魔法学校のダンブルドア校長先生の死も気になる。 |
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2007/6/30 | 「密航魚夫」 吉田亀三郎の生涯 小島敦夫 集英社
☆ 明治末年、愛媛県保内町の海から日本人初の帆走船による太平洋自主横断の記録。保内町の腕のいい漁師吉田亀三郎が、1912年(明治45年)漁船(打瀬船)で新天地アメリカでの割のいい仕事を求めて密航する。 ☆ 世界では、1898年退役船長のスローカムが、改造漁船スローカム号で単独世界1周を完結させている。 |
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2007/6/3 | ファンドーリンの捜査ファイル「リバイアサン号殺人事件」 ボリス・アクーニン 岩波書店
☆ 「アキレス将軍暗殺事件」のような華々しさはないけど、ポアロのシリーズのような緻密な推理ゲームを楽しめた。 ☆ パリで起こった一度に10人も殺害した凶悪犯人が、この船に乗っていた。この下手人を追うパリ警察の刑事も乗っていたが殺害されてしまう。果たして第2、第3の殺人が次々と船上で起こる。ファンドーリンの見事なお手並みと個性豊かな脇役の登場、意外な犯人と手の込んだストーリーに拍手。 |
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2007/6/2 | ファンドーリンの捜査ファイル「アキレス将軍暗殺事件」 ボリス・アクーニン 岩波書店
☆著者は、ロシア人だが、日本語の「悪人」をもじったペンネーム。三島由紀夫をロシア語に翻訳して紹介した人。今やこの娯楽小説のシリーズでロシア一のベストセラー作家だが、日本通でこのシリーズにも個性の強い日本人が脇役として登場してそれなりに活躍している。この事件簿では、元「やくざ」のお兄さんが主人公のお供としてロシアで活躍する。 ☆ 赴任先の日本から数年ぶりにロシアに帰ってきた若き外交官ファンドーリンが、国民的英雄の「アキレス将軍」の死の謎に挑む。突然の病死と思われたが、背後には政治的陰謀が潜んでいた。権力闘争の闇に請け負った仕事は必ずやり遂げる白い目をした恐るべき殺し屋と「賭けには、一度も負けたことが無い強運の持ち主」ファンドーリンの戦い。殺し屋の生い立ちと高級コールガールとのはかないロマンスもいい。 |
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2007/4/30 | 「ワインと外交」 西川 恵 新潮新書
☆ 饗宴は、外交の重要な道具立てである。 ☆ 饗宴外交では、食べきれない程の豪華なメニューのイメージがあったが、第二次大戦後は、首脳会談も日常的になり品数を減らした実質が尊ばれるようになった。ヘルシーと食の安全がキーワード。クリントン大統領時代にヒラリー夫人は、ホワイトハウスのフランス人料理長を解任して、野菜中心のカントリー料理を作るアメリカ人シェフを任命している。 ☆ <99年オランダベアトリックス国王の天皇陛下歓迎晩餐会では、> ☆ <シラク大統領とシュレーダー独大統領のエリゼ宮での最後の饗宴> |
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2007/4/8 | 「女性の品格」 坂東 眞理子 PHP新書
☆ 著者は、総理府から埼玉県副知事、オーストラリア総領事を歴任された人。現在は、昭和女子大学の副学長。 ☆ 法則は、男女を問わず必要であろうもっともなことばかりだが、当たり前のことが、普通に出来ないのが我々凡人の所以でしょ。 |
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2007/3/30 | 「ワインの帝王 ロバート・パーカー」 エリン・マッコイ 白水社
☆ ワインを100点満点で評価する方法で、伝統と格式のワインの世界に革命を起こしたパーカーの評伝。 ☆ 世界中でカリスマの影響力を持つパーカーの点数評価で、ワインの価格と販売量が劇的に変わる。既存の特権者たちの牙城を崩したパーカーの功績は大きいが、あまりに大きな影響力のために生産者と消費者の関係は、何か不安定で歪になったかも。点数の高いワインを購入できることがステータスになっている。ワインの楽しみは何? |
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2007/3/21 | 「会社法入門」 神田秀樹 岩波新書
☆ 東大の先生が解説した2006年5月1日に施行された会社法の入門書。企業買収ドラマのハゲタカを読んで、これからは、経済ニュースを理解する上で会社法の基礎知識は必須と感じ読む。 ☆ 日本の企業に「グローバルになった環境に対応し、競争力を高め、IT革命へ対応」できることがその基本精神のようだ。 |
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2007/3/18 |
「ハゲタカ」上・下刊 真山 仁 講談社文庫
☆ NHKの同名のドラマの原作。著者は読売新聞記者を経たフリーライター。ドラマも面白かったがこの原作の方がずいぶん面白い。 ☆ 債務超過で、身動きできなくなった企業を買い、再生させるファンドは経済再生に時代が求めたものだと思う。経営者や株主、従業員が恨むべきは、そんな状態までに企業を追い込んだ無能な経営者であって、買い叩くファンドではない。ちなみにハゲタカと言う鷹は存在しない。ハゲワシ類・コンドル類の俗称です。 |
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2007/3/11 | 「徴税権力」 国税庁の研究 落合 博実 文芸春秋
☆ 税は国家財政を支える柱であるが、それを支える巨大な国税組織と権力についての珍しいレポートだろう。職員数5万6千人、国税庁の下に11の国税局とその下に524の税務署を配置している。その権力は、よど号乗っ取り事件で人質になった会社経営者が、人質になったときより、国税の査察の方がよっぽど怖かったと言ったエピソードもある位だ。 ☆ 93年に自民党のドンだった金丸信を脱税で摘発したときの攻防戦は、凄い。他にも有名芸能人の集中摘発やテレビ局の脱税調査など面白いエピソードにことかかない。著者は、元朝日新聞の記者で、国税担当が長かった人だけに、国税職員などにもニュースソースがあるようで、リアルな読み物であった。 |
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2007/2/25 | 「私の夫はマサイ戦士」 永松 真紀 新潮社
☆ 福岡の短大卒業のお嬢さんが、マサイ族戦士の第二夫人として結婚 ☆ 当然、二人に文化や習慣のギャップがあるんだけど、マサイの夫の相手の立場や文化を尊重する姿勢に助けられ、夫婦生活を営んでゆく。 |
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2007/2/12 | 「ヤンキースの広報」 広岡 勲 日本経済新聞社
☆ 松井がヤンキースに行くとき、自分の広報として、著者の広岡を連れてゆくのを契約条件とした。広岡はハワイの大学を出てアメリカの大学院でジャーナリズムを学び日本の新聞社で松井番をしていた。 ☆ 松井が、負けた試合でも試合後必ずインタビューしている理由がわかった。日本から大挙してやって来ているマスコミが、ヤンキースのロッカールームまで松井を追いかけない代わりに毎日、共同会見をすることにしたのだ。 |
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2007/2/4 | 「まっとうな経済学」 ティム・ハーフォード ランダムハウス講談社
☆ この本に出てくるのは、為替や景気の循環の話ではなく、中古車市場の謎解きや、スーパーで無駄遣いをしないための知恵である。 ☆ 大都会のコーヒーの値段が高いのは、地代が高いから・・ではない。 |
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2007/1/7 | 「神の手」 パトリシア コーンウェル 講談社文庫
☆ 検死官スカーペッタがリッチモンド市で検屍局長をしてた頃とがらりと環境が変わり、現在は、スパーレディーのルーシーが主宰する私的捜査機関で働く。
☆ ジムで自転車をこぎながら、毎分120の心拍数下で本を読むには、止められない魅力のあるこのシリーズがよかろうと読むことにしたが、今回の作品では、無理があった。夜、落ち着いてじっくりと読む方がよい。 |
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2006/12/29 | 「姜尚中の政治学入門」 姜 尚中 集英社新書
☆ 暴走する超大国アメリカと心中するのか、アジアの隣人たちとの共生を選ぶのか。 ☆ アメリカ、暴力、主権、憲法、戦後、民主主義、歴史認識、東北アジアという七つのキーワードを取り上げて話を進めながら、現代の日本とその関係する世界を読み解く。 |
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2006/12/24 | 「ローマの街角から」 塩野 七生 新潮社
☆ イタリアのローマに腰を据えて、「ローマ人の物語」を執筆中の筆者が、日本の雑誌のために執筆したコラム集。 ☆ ローマ史をはじめ歴史や哲学を勉強することは、自分の生きてゆく時を見つめ決断をせまられたときの大きな指針あるいは判断材料となること。これからのグローバルな世の中で生きてゆく子供たちには、どの国の誰との議論にも耐えうる哲学的な素養を身につける教育が必要だ。 |
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2006/11/26 | 「危険学のすすめ」 ―ドアプロジェクトに学ぶ―畑村洋太郎 講談社
☆ 2004年3月六本木ヒルズの大型回転ドアに6歳の男の子が挟まれ死亡した事故の後、「事故の真の究明を行う」という趣旨のもとに発足したドアプロジェクトの報告。検察や行政の原因究明では、断罪のための犯人探しが目的となり、関係者は自分や周りのものに責任を負わされるのを恐れ、真実に口をつぐむ。 ☆ 大型回転ドアは、ヨーロッパから導入され、日本で独自の発展を遂げてゆく。巨大化するビルの施主の嗜好に合わせ、より豪華になる過程で大型化し、重量も飛躍的に重くなる。輸入時0.7トンのドアが2.7トンにまで大型化した質量のある回転ドアが回り、そこに挟まれればもう、殺人マシンと化す。 ☆ ヨットの開発においても、現在のデザインや技術に達するために数多くの事故を経験しており、何をどうすることで問題点を解決してきたのかは、技術の来歴をみることが大切だろう。その場しのぎの付加設計では、いつか必ず事故を起こす。 ☆ このプロジェクトのように主体的に行動することを望んでいるタイプの人の活動が、社会や組織を変えて行く力になるのだろう。 |
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2006/10/29 | 「未来を変える80人」 僕らが出会った社会企業家(ソーシャルアントレプレナー) シルバン・ダニエル マチュー・ルルー著 日経BP社 ☆ 1980年フランス生まれのダニエルと77年生まれのルルーの二人が、14ヶ月をかけ38カ国を訪れ、113団体を取材した。 ☆ 子供たちに<命ある地球>を残すためには、もっと環境を大切にし、皆が共存してゆく方法を早急に考えなくてはならない。そんな思いを胸に、社会を変えることを目指し、行動を起こしている人物に会うために世界中を巡る。 ☆ 既成概念(例えば、社会貢献と企業精神は両立しない)を壊し、未来のための解決策を実践する企業家達の会社が、こんなにすばらしい業績をあげているなんてこの本を読むまで想像もしなかった。 |
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2006/10/15 | 「シャルビーク婦人の肖像」 ジェフリー・フォード ランダムハウス講談社
☆ ファンタジー小説でありミステリー小説。ほんとうの話かほら話かどちらともとれる変わった物語。 ☆ 19世紀末のニューヨークが舞台。肖像画家のビアンボが受けた仕事は、シャルビーク婦人の肖像画製作。ただし、屏風の向こうで婦人が語る過去の話とその声だけで、姿、形を想像しなければならない、という奇妙な条件付だった。 |
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2006/10/9 | 「流星ワゴン」 重松 清 講談社文庫
☆ 著者は、2001年「ビタミンF」で直木賞受賞作家 ☆ この永田が、ふとしたことで流星ワゴンに乗せられ、過去にタイムスリップする。(このあたりは、短い説明は難しい)永田は、過去の大切だったところに連れて行ったもらい、歯車が壊れる以前の大切な人たちと大切なひと時を共にする。そして、未来を変えることはできないけど一粒の希望をもって、もとの時間に帰って行く。 |
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2006/10/7 | 「ニカラグアを歩く」 藤井 満 日本図書刊行会
☆ 著者は、88年に大学を休学してニカラグアをはじめ中南米を訪ねた。特段の思想があって中南米を選んだわけではなく、戦争も体験してみたかったそうだ。 ☆ 革命がもたらした民主主義への希望と、経済の悪化による挫折感が、一人ひとりの心の中で渦巻いているのを先々で見聞する。中南米に限らないだろうが、親米派でないとアメリカに政権を維持させてもらえない現実もあるようだ。 |
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2006/10/1 | 「無印結婚物語」 群 ようこ 角川書店
☆ 作者の群ようこさんは、独身女性のようであるが、結婚後のいろいろな夫婦生活を創作?した物語が12話。それぞれ笑える話で、たわいなく楽しめた。こんな夫婦もいるんだろうなあ、といった感じ。 ☆ 群ようこさん原作の「かもめ食堂」をUCLA映画科卒業の「荻上直子」さんが監督・映画化したのをDVDで見て、いい映画だったので、古本屋の100円コーナーでたまたま目についた群ようこさんのこの本を購入した。 |
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2006/9/24 | 「天皇家の食卓」 秋葉 龍一 DHC
☆ 著者は、ノンフィクション作家 ☆ 食卓は似ていても決定的に違うのは、料理人で、コック長(宮内庁管理部大膳課主厨長)は、とりわけフランス料理にかけてはぴか一ばかり。 |
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2006/9/17 | 「25時」 デイビット・ベニオフ 新潮文庫
☆ 1970年ニューヨーク生まれの作者が2000年に上程した長編処女作 ☆ 驚かすようなドラマチックな話や展開はない。 |
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2006/9/16 | 「冬を怖れた女」 ローレンス・ブロック 二見書房
☆ アル中探偵マット・スカダーシリーズ第二作 ☆ こう書くとよくあるストーリーのように感じるかもしれないが、ラスト・シーンもなかなか渋くていい。 |
2006/9/10 |
「帝国ホテル 厨房物語」 村上信夫 日経ビジネス人文庫
☆ 帝国ホテルの総料理長であり、日本に本格的なフランス料理を浸透させた村上さんの自伝である。 ☆ 12歳で社会に出てから腕のいいコックになることだけを考え修行を重ね、出会いに恵まれ、与えられたチャンスをものにし期待に応え、最後には帝国ホテルの専務取締役と破格の栄達を成し遂げるサクセスストーリーでもある。 |
2006/8/27 | 「木のいのち 木のこころ」 西岡常一 小川三夫 塩野米松 新潮文庫
☆ 西岡常一さんは、1908年生まれで、法隆寺金堂、薬師寺金堂、法輪寺三重塔などの復興を果たした最後の宮大工。 |
2006/8/20 | 「東京タワー オカンとボク、時々、オトン」 リリー・フランキー 扶桑社
☆ オカン、今までいろいろごめんね。 ☆ 著者のリリー・フランキーさんは、武蔵野美術大学卒業の「文章家・小説家・コラムニスト・絵本作家イラストレーター・・・etc.」と多彩な才能の方と巻末に紹介されていました。 |
2006/8/5 |
「やっぱり変だよ日本の営業」 宋 文州 日経BP
☆ 著者は、1985年に国費留学生として北海道大学大学院で博士号を取得。天安門事件で帰国断念。自ら開発した土木解析ソフトを売り歩き「ソフト・ブレーン社」を創立。2000年12月にマザーズに上場。成人してから来日した外国人としては初のケース。 |
2006/7/9 | 「海辺のカフカ」 上・下刊 村上春樹 新潮文庫
☆ 田村カフカ君は、15歳の誕生日に家出して四国に向かう。 ☆ それぞれの人々の運命が、過去を通して交錯し、世界が一つになっていく。 物語のテーマは判らないけど、不思議なそれでいてなにかしら心地良い物語の流れに漂いながら、1日で読んでしまった。 |
2006/7/8 | 「キャリアに揺れる」 上西充子・柳川幸彦 ナカニシヤ出版
☆ 法政大学キャリアセンター副センター長の上西さんと同大学キャリアデザイン学部学生の柳川さんが、迷える学生、新社会人が自分の将来に向き合うために読む30冊の本の紹介。 ☆ 1.学ぶ 2.揺れる 3.働く 4.背負う 5.ぶつかる の5章に分かれて、その分野に関する本が紹介されている。 |
2006/7/2 |
「ひらめき脳」 茂木健一郎 新潮新書
☆ NHKの番組「プロフェッショナル」の司会者で、気になっていた著者の本を偶然に書店で見つけ購入。脳科学者で脳と心の関係を探求している。 ☆ 「セレンディピティ」は、「思わぬ幸運に偶然出会う能力」と訳されている概念。恋愛映画のタイトルにもありました。 |
2006/6/25 | 「99999」ナインズ デイヴィット・ベニオフ 新潮文庫
☆ 映画化された「25時」でデビューした著者の最新作 ☆ 代表作であろうナインズは、車の走行距離計の数字が、99999から00000に変わる(転がる)一瞬を仲間と無邪気に祝う”サッドジョー”と小切手に書かれた金額のならんだゼロが、転がり落ちるのを恐れるように両手で受け取る”モリー”の対比が見事。 |
2006/6/25 | 「ウェブ進化論」 梅田 望夫 ちくま書房
☆ インターネットが登場して10年、いま、ITコストの劇的な低下=「チープ革命」と技術革新により、ネット社会が地殻変動を起こし、リアル世界との関係にも大きな変化が生じている。グーグルが牽引する検索技術の進化は、知の世界の秩序を再構築しているという。 ☆ インターネットの「あちら側」と「こちら側」との概念が面白い。ネットのこちら側とは、インターネットの利用者すなわち我々に密着した部分で、携帯電話、カーナビ、コンビニのPOS、ATMなど皆、インターネットと私たちを結びつけるもの。ものづくり日本の強みもここにある。 ☆ IBMは、パソコン事業を中国企業に売却したが、今後付加価値は、パソコンなど「こちら側」の技術ではなく「あちら側」の技術にシフトしてゆくと確信している証拠だろう。ものづくりだけが、日本企業の生きる道と「こちら側」の技術だけに没頭している日本企業に明るい将来はあるか?と考えさせられる書でした。 |
2006/6/18 | 「書物の運命」 池内 恵 文芸春秋
☆ 著者は、1973年生まれのイスラム政治思想史専門家。 ☆ 例えば、ユリヤ・ユージック著「アツラーの花嫁たち」は、2004年の北オセチア・ベスランの学校占領などロシアとチェチェンのイスラム過激派との紛争で、女性たちが自爆戦士となる過程を追究した。 |
2006/6/17 | 「即戦力の磨き方」 大前研一 PHPビジネス新書
☆ 経営コンサルタント会社マッキンゼーの日本支社長だった著者の若いビジネスパーソンのための自分の磨き方。キーワードは、三種の神器「語学力」「財務力」「問題解決力」に「勉強法」「会議術」 ☆ 「もし、テレビをつけるならCNNかBBCにしておくといい。NHKのニュースを見て地方の天気を見たところで人生に何の意味がある。毎日、5分も天気をみていると、1年間では30時間。その暇があっつたら、著者の主催する資産運用のコースhttp://www.ohmae.ac.jp/ex/43/kari.htmが終了できる。」 |
2006/5/26 |
「死者の長い列」 ローレンス・ブロック 二見書房
☆ 探偵マット・スカダーシリーズ12作目 31人の会の会員が、事故・自殺・殺人事件に巻き込まれるなどで、何年もかけてだんだんと死んでゆく。それは実は、殺人事件であった。 ☆ わらわれの後ろには、過去の死者の長い列が連なっている、といったことがテーマになって進行してゆく。最近のスカーダーシリーズには、はでな殺人描写はないが、主人公スカダーの日常風景や心理描写を丹念に綴りながら、物語が進行してゆく。ロバート・パーカー作のスペンサーシリーズのような人間ドラマの雰囲気に重点が移ってきた趣がある。個人的には、物足りなくなってきたが。 |
2006/5/20 |
「泣いて笑ってスリランカ」 末広美津代 ダイヤモンド社
☆ 紅茶に惚れた独身女性の体当たり紅茶修行の1年日記 ☆ スリランカの紅茶産業について、産地での収穫段階からブローカーによるテイスティング、販売まで著者の目線で伝わる。 ☆ 著者は、現在、日本でスリランカの紅茶をネットで販売する商売をされている。この本を読んだ後では、紅茶の魅力に抵抗できず、僕もさっそく何種類か紅茶を注文した。 http://www.mitsutea.com/ |
2006/5/5 | 「カルロス・ゴーン経営を語る」 カルロス・ゴーン 日本経済新聞社
☆ 99年6月日産自動車COO、01年6月より社長兼CEO ☆ ゴーン本人も述べているようにルノーと日産自動車の提携の成功は、自信を失くしていた日本経済全体を蘇らせる革命の始まりだった。異文化のフランス人経営者が日産自動車の本社にやって来て、問題点を洗い出し、日産自動車の従業員達に指針を示し、自信を取り戻させ、やる気を引き出し、会社を蘇らせたばかりか、世界企業としてパワーアップしてゆく。 ☆ ゴーンは、パレスチナ移民の子供としてブラジルで生まれ、成績の優秀さでフランスで高等教育を受け、ミシュランに就職。ミシュラン・ブラジルを再建した手腕を買われルノーに転進。他社が尻込みするほど疲弊した日産自動車とルノーが提携を決断したのは、ゴーンの存在があったからだとルノーの社長が語っている。困難な時代に会社を発展させるのは、やはり優秀な経営者だろう。 |
2006/4/1 | 「マネー・ボール」 マイケル・ルイス ランダムハウス講談社
☆
野球ノンフィクション ☆ 僕は野球オンチだが、メジャー球団の世界のことや選手達や取り巻く人たちの人間模様もとても面白しく読んだ。 ☆ 著者は、元債権セールスマン。野球会の門外漢ゆえにこの世界の重鎮たちに気兼ねなくまた、先入観なくここまで書けた訳だろう。 |
2006/3/5 |
「宮廷料理人アントナン・カレーム」 イアン・ケリー ランダムハウス講談社 ☆ アントナン・カレームは、1783年生まれ〜1833年没のフランス人料理人。貧しい生まれであるが、ナポレオンをはじめ、イギリス・ロシアの皇帝・貴族や富豪の料理人として、一世を風靡した当時の超セレブな料理人。料理の鉄人ショーは子供だましに思える迫力。 ☆ 本をめくると19世紀初頭の貴族の壮大な食事風景や当時の厨房の様子をはじめ、社交界の様子が、料理の芳香とともに立ち上ってくる。 ☆ カレームは、料理の著作も当時評判となりレシピも数多く残されているそうだ。レシピも巻末にたくさん掲載されている。 |
2006/3/5 |
「聖家族のランチ」 林 真理子 角川書店 ☆ 奥さんが有名な料理研究家である家族のミステリー。最近、テレビや選挙にも出て流行りの料理研究家ってこんな風にマスコミに作られるのかと、可笑しくなった。 ☆ 料理研究家の母親の愛人である雑誌編集長を高校生の息子がつい包丁で刺し殺してしまうが、母は、子供をかばう為に愛人であった編集長の死体を毎日、料理し、家族4人で、1カ月がかりで食べてしまう。 ☆ 最後に残った頭だけは、硬すぎて料理できず家族で、深い谷にピクニックに出かけ、捨てようとするが・・ |
2006/3/5 | 「アメリカの高校生が学ぶ経済学」 ゲーリー・E・クレイトン WAVE出版
☆ アメリカの高校生が使っている経済学の教科書の日本語訳。 ☆ 第1章 経済学とは何かよりpreviewより。 ☆ 日本でも学生に体系的で実務的な経済学を学ぶ機会を与えていかないと、グローバルな競争にさらされる子供たちが、不利になる。 |
2006/3/4 |
「日本国債」 上・下2巻 幸田 真音 講談社 ☆ 日本国債を通して繋がるさまざまな人々。債権トレーダー、機関投資家、営業部門、財務省の担当者、さまざまの人々の行動力は仕事へのこだわりとなり現れる。 ☆ 国債は、日本国の借金であり、特に長期国債は、日本の子供達が、10年、20年後に背負わされる莫大な借金。この未来への無責任な借金は、現在、何に使われているのか。 ☆ 増えつづける国債残高は、平成16年度末で、600兆円 ☆ この借金は、日本国の未来への投資に使われたとは思えない。どこにも行けない橋や海岸工事・繰り返される土木工事などなど未来への投資とは程遠いのだろう。
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2006/2/19 |
「大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代」 ジム・ロジャーズ 日本経済新聞社 ☆
世界を旅する投資家が、市場をどう読み解くべきか考え方を解説する。 ☆
株式相場が活況な時は、商品相場は低迷し、誰も見向きもしない。こんな時こそ商品に投資のチャンスである。歴史を振り返ってみても18年周期で、株式相場の活況と商品相場の活況が繰り返している。 |
2006/2/10 |
「女子大生会計士の事件簿」 山田 真哉 角川文庫 ☆ 「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」が昨年ベストセラーになった公認会計士である著者のすごく分かり易いミステリー風ビジネス書。 ☆ 女子大生会計士が、監査の先々で出くわす奇妙な事件「粉飾決算・会社乗っ取り・クーポン詐欺」などを説きながら会計の仕組みや会社の仕組みを教えてくれる。 ☆
ここまで分かり易いのは、著者が文学部の学生時代に予備校の先生をしていたおかげだろう。バス通勤中に読むのにちょうどいい。 |
2006/2/4 |
「冒険投資家・ジム・ロジャーズ世界バイク紀行」 ジム・ロジャーズ 日経ビジネ文庫(原題は、INVESTMENT BIKER) ☆
著者が、改造ベンツで、2度目の世界一周をする10年前の1990年にBMWのバイクで、初めて世界一周したバイク紀行 ☆ この前の2回目の世界一周紀行を読みすぐこの本も購入した。 ☆ 壮大な旅の書であり、歴史家の博識をもつ天才的な投資家が世界各国を売りか買いかの視点で、観察し投資しながら巡る。 ☆
パートナーの女性とともに2台のバイクで、ヨーロッパから中東、シルクロードを走り抜け中国に入り、北京を経て日本を訪れたのち、シベリアを横断し、モスクワを経てヨーロッパに帰る。 |
2006/1/28 | 「冒険投資家・ジム・ロジャーズ世界大発見」 ジム・ロジャーズ 日経ビジネス文庫
☆
著者は、投資家・元コロンビア大学教授。 ☆ 改造ベンツ(SLKロードスター)で116カ国、24万キロの旅。 |
2006/1/15 |
「ハードワーク・低賃金で働くということ」 ポリー・トインビー 東洋経済新報社
☆ 著者は、英BBC放送で社会問題担当部長・「ガーディアン」紙記者。 ☆ 経済を活性化させるために、「小さな政府」をつくる。非効率な官業は民営化する。官民を問わず、割高になる人件費を切り下げるため、正規職員を減らし、雇用は派遣会社との外部契約に変えていく。その先には、どんな社会と暮らしが待ち受けているのか。サッチャー改革以来、20年以上民営化路線を進めてきたイギリスで何が起きたのか検証したドキュメンタリーである。 |
2006/1/8 | 「国家の品格」 藤原 正彦 新潮新書
☆ エッセイ「若き数学者のアメリカ」が、有名な著者は、御茶ノ水大学の数学教授で、作家、新田次郎と藤原ていの2男。 ☆ 破錠しかけた世界を救えるのは、日本しかない。日本人が美しい情緒と形を身につけ「品格ある国家」を保つことが人類への責務である。 |
2006/1/7 | 「退廃姉妹」 島田 雅彦 文芸春秋
☆ 終戦直後の過酷な環境の中で生き延びた姉妹の大河ロマン。 ☆ 自宅に進駐軍のアメリカ兵を受け入れ、身を投げ出す行動的な妹、久美子。特攻帰りの男の全てを受け入れる理知的な姉、有希子。 |
2006/1/4 | 「冷たい銃声」 ロバート・パーカー 早川書房店
☆ 冒頭でいきなりホークが撃たれる。 ☆ ア強烈な自負心を持つホークが、懸命のリハビリを続け、プライドを取り戻そうとする。 |
2006/1/3 | 「背信」 ロバート・パーカー 早川書房 ☆ 探偵スペンサーの事務所を訪れた依頼人マーリーンの夫の浮気調査から巨大エネルギー企業キナジー社の幹部達の交錯した人間関係(といってもスワッピング)と不正が、あばかれて行く。。 ☆ 大企業の設定は、アメリカで、破綻した巨大企業エンロン社を下敷きにしていると思わせる設定。 |
2006/12/18 | 「ダブルプレー」 ロバート・パーカー 早川書房 ☆ パーカーが生み出した新しい主人公バークと、大リーグ初のアフリカ系アメリカ人選手ジャッキー・ロビンソンの「二人の闘い」を描く。 ☆ ガダルカナルの帰還兵ジョセフ・バーク。戦傷と離婚を経験したバークは、ジャッキー・ロビンソンの警護役となる。 |
2005/11/12 | 「決断力」 羽生 善治 角川書店
☆
将棋界はじまって以来の7冠達成をした天才棋士が、自分の将棋を通してその戦い方、人生観を書いたベストセラー |
2005/11/5 | 「在日」 姜 尚中 講談社
☆
1950年熊本県生まれの在日2世、姜 尚中の自伝 |
2005/10/23 | 「竹中教授のみんなの経済学」 竹中 平蔵 幻冬社
☆
竹中さんの優れている事は、経済の素人でも誰にでも判りやすく説明できる事。 |
2005/10/9 | 「凍」 沢木 耕太郎 新潮社
☆
登山家山野井夫妻が、二人だけで挑んだヒマラヤの高峰ギャチュンカンへの過酷な登攀の物語。 |
2005/9/25 | 「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」 ジョセフ・E・ステングリッフ 徳間書店
☆
WTO「世界貿易機関」の副総裁を務めたノーベル経済学者の著作 現在は、コロンビア大学教授 |
2005/9/24 |
「ラストホープ」 福島孝徳 徳間書店
☆ 「神の手」と呼ばれる世界トップの脳外科医 アメリカで活躍する福島医師が、日本に来て、連日何件も脳腫瘍の摘出手術をする映像をテレビで見て、本を購入 ☆ 日本に実質9日間滞在した間に20件近い脳腫瘍摘出手術を行っていた。東大の恩師の教授が、福島先生は、天賦の集中力を持った人だといっていたが、ずば抜けた手術数は、集中力に負うに違いない。 |
2005/9/4 |
「処刑宣告」 ローレンス・ブロック 二見文庫 ☆ 探偵マット・スカダーシリーズ 新聞への殺人予告に従って次々殺害されて行く。 ☆ アル中だったマットが禁酒の会に出席し苦悩していたシリーズと雰囲気が変わり、愛する人を得て世間並みの幸せを見つける。 |
2005/8/21 |
「司馬遼太郎が考えたこと」第5巻 司馬遼太郎 新潮文庫 ☆ 三島由紀夫の割腹自殺について論じた「異常な三島事件に接して」など65編のエッセイ ☆ 「わが空海」の編で、知らなかった空海の偉大さに感銘した。 |
2005/8/20 |
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」山田真哉 光文社新書 ☆ 身近な疑問からはじまる会計学の話。今年最大の新書ベストセラー。 ☆ これだけ分かりやすく書けるのは、すばらしい才能。 ☆ 著者は、大阪大学の文学部史学科卒業の公認会計士さんだが、文学部での勉強が、素人にも理解しやすい本になったかな。 |
2005/8/15 |
「薬はなぜ効かなくなるか」 橋本 一 中公新書
☆ 細菌学の発展からサルファ剤が生まれ、ペニシリンが開発され、人体から微生物のみ死なせる抗菌薬を手に入れた。 ☆ このときから、耐性菌との戦いも始まる。抗菌薬の入門書 ☆ 今年、職場で結核にかかった人がいたせいか、この薬の本が目にとまり購入 |
2005/8/14 |
「土の中の子供」 中村文則 文芸春秋社 ☆ 17年度上半期芥川賞受賞作品。主人公の心理描写がよく描かれており、面白かった。 ☆ しかし、芥川賞選考委員の村上龍は、文芸春秋にその選評として、「虐待を受けた人の現実をリアルに描くのは簡単ではない。(中略)誠実な小説家なら、そんなことは不可能だと思わなければならない。」と酷評していた。 |
2005/8/10 |
「ジャスミンを銃口に」重信房子 幻冬社 ☆
1997年、密かにベイルートを脱出し日本に潜伏中の彼女は、2000年11月8日、大阪で逮捕され現在も独居房に収監され裁判中である。 ☆
30年前のオランダでの事件、しかもPFLPの作戦で関係者は、アラブの地か、すでに亡くなっている事件の共謀容疑で、東京地方裁判所で、現在裁かれているそうだ。きっと、アメリカの圧力で,日本は、徹底的な裁判を続けているのだろう。サイード著「戦争とプロパガンダ」を思い出す。 ☆
そんな彼女が、独居房から弁護士に月2回送りつづけた短歌。その数はni、05年3月31日までに3548首に及んでいる。「テロリスト」と呼ばれた女性の日々の思いを綴った歌集。 ☆
「人生に折り合いつけずにきたことを君の言葉で噛みしめる夜」 ☆
「杖に頼り八十五歳の母来たるガラス越しにも手を重ね合う」 ☆
「「地獄でまた革命やろう」と先に逝き彼岸で待っている君は二十六歳」 |
2005/6/5 |
「薬指の標本」小川洋子 新潮文庫 ☆
著者の[博士の数式]が,以前読んで面白かったので購入。 ☆
人々が思い出の品々を標本にするため持ち込む「標本室」で、標本技術者の秘書として働いているわたしの物語。 ☆
不思議な雰囲気を意図した作品だと思うが、どこがよいのか?感性が合わないのかも。フランスで映画化決定と本の帯びに書いてあった。 |
2005/5/22 |
「殺しのリスト」ローレンス・ブロック 二見文庫 ☆
殺し屋ケラー・シリーズの長編 ☆
殺しの依頼を受けたケラーは空港に降り立った迎えの男が用意していたのは車とピストル、そして標的の家族の写真だった―。 ☆
いつものように街のモーテルに部屋をとり相手の動向を探る。しかし、なにか気に入らない。いやな予感をおぼえながらも“仕事”を終えた翌朝、ケラーは奇妙な殺人事件に遭遇する……。 |
2005/5/15 |
「死者との誓い」ローレンス・ブロック 二見文庫 ☆
スカダーシリーズ最高傑作の評価とのこと。 ☆
前作の「倒錯の舞踏」の強烈な犯罪題材とは打って変わり、都会の平凡な犯罪を思索的に描く。確かに秀作。おすすめでした。 |
2005/5/8 |
「倒錯の舞踏」ローレンス・ブロック 二見文庫 ☆
無免許の私立探偵マット・スカダーのハードボイルド探偵シリーズ ☆
マット・スカダーはアルコール中毒で、禁酒の会に参加して飲酒の誘惑になんとか打ち勝っている。 ☆
スカダーの恋人エイレンは、現役の娼婦。友人の飲み屋の親父ミックは、暗殺者の顔を持つ。エンターテイメント性充分の脇役も揃っている。 ☆
描かれている犯罪が、今風過ぎるとゆうか、僕には強烈、グロテスクぎみで、ハードボイルド小説には、多少の違和感がつきまとう。この作品では、偶然借りたレンタルビデオに男の子のセックス殺人が録画されていたことこら始まる。 |
2005/3/12 |
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」J.K.ローリングス青山社 ☆
シリーズ第5巻 上・下巻セット 1巻4000円!×2巻 ☆
第1巻から結構はまって読んでいますが、ポッターも思春期を迎え初恋に破れたり、最愛の人の死を経験したり、自らの過酷な運命を知らされたり、人生の避けられない喜怒哀楽を経験する。 ☆
今までの4巻とはストーリーの趣が少し変わったようだ。人生を経験しながらハリー・ポッターも成長したのだ。 |
2005/3/5 |
「文学部唯野教授」筒井康隆 岩波書店 ☆
某大学文学部唯野教授を取り巻くメチャメチャ生くさいお話。 ☆
ここまで書くかと抱腹絶倒で読み終えるが、大学内の学部は凄い魑魅魍魎の住む世界なんだな。 |
2005/1/30 |
「掌上66」松山東高等学校文芸部 ☆
大江健三郎氏が、文芸部長だったこともある歴史ある文芸誌。当時「17歳には17歳の文学がある。」といった趣旨のことを書いていたそうです。(あとがき) ☆
幾つかの小説を読んで、たしかに17歳にしかか書けないあるいは17歳だから書ける作品があるだろうと同感する。 ☆
小説の背景あるいは行間に生徒達の日常の思いや思春期の悩み、エネルギーが伝わってくる。 |
2005/1/23 |
「企業情報漏洩防止マニュアル」酒巻久(キャノン電子情報セキュリティイ研究所) アスキー ☆
今年4月から個人情報保護法が施行される。気になっていたのでコミセン図書館で目に付いたこの本をトレーニングルームでのエアロバイクを漕ぎながら暇つぶしがてら読む。 ☆
曰くインターネットでいかに社員が余計なサイトを見ているか。疎い上司は知るすべもなく生産性を低下させているのだそうだ。その責任は、有能な部下に適切な仕事を与えていない部下にあるとも。 ☆
対処法は、キャノン開発のセキュリティ対策ソフトを導入し、社員のアクセス記録やパソコンの使用履歴を秘密裏にチェックするのだそうだ。 |
2005/1/16 |
「痕跡」上・下2巻パトリシア・コーンウェル 懇談社文庫 ☆
検死官シリーズ最新刊 ☆
以前のシリーズ作品に比べると毒気がパワーダウンした。 ☆
人の理性の裏に潜む本人も気付かない病的な部分がテーマになり、心理的な面の探求に方向が変わったようだ。 ☆
☆ スーパーレディのルーシーも部下との人間関係に悩む。 |
2005/1/9 |
「ワイン 一杯だけの真実」 村上 龍 幻冬社 ☆
ワインを飲んで風景が異化してしまうことがある。香りを嗅ぎ、試飲した瞬間、どこか別の場所に運ばれて行くような錯覚に陥るときがある。官能的な錯覚だ。(著者のあとがきだけど、こんな飲みかたができれば素敵だろう。) ☆
そういった瞬間をモチーフにして現代を生きる女性と8本の極上ワインをモチーフに書かれた8編の短編集 ☆
「オーパス・ワン」「シャトー・マルゴー」「ラ・ターシュ」「ロス・バスコス」「チェレット・バローロ」「シャトー・ディケム」「モンラッシュ」「ロバートバイル醸造所トロッケンベーレンアウスレーゼ」 |
2005/1/2 |
「爆魔」上・下2巻 フリーマントル 新潮文庫 ☆
アメリカとロシアの捜査官「カウリー」と「ダニーロフ」がタッグを組んでテロと戦うシリーズ最新作。寝正月用に購入。 ☆
国連ビルにサリンと炭素菌の双頭の弾頭を持つミサイルが撃ち込まれた。ニューヨークやワシントンでも爆弾テロが発生する。最近実際に発生したテロを題材にしたような展開が面白く上下2巻を2日で一気に読んでしまう。 ☆
CIAや旧KGB組織内部での権力闘争も並行して描かれ面白い。 |
2004/12/5 |
「保険業の大転換」アンダーセンコンサルティング金融ビッグバン戦略本部 東洋経済新聞社 ☆
日本の保険業界は、保険業法の改正により、急激に自由化に突入した。従来大蔵省の指導のもと護送船団方式と呼ばれる最下位の保険会社も経営が成り立つように守られていた。 ☆
今後の保険会社の生き残る道を提言したコンサルティング会社の変革へのシナリオ ☆
99年発行と古いけど、古本屋で100円で売っていたのでついでに購入。この位古いのもこの本の予言や提言を検証するのにちょうど良い。 |
2004/10/24 |
「ストレスに負けない脳」ブルース・マキューアン 早川書房 ☆
現代病とストレスと人体の関係を脳神経学の第一人者が解説。最近の脳の研究成果はすばらしくストレスを真っ先に感知する脳の仕組みの解説。 ☆
ストレスを知る者は、ストレスを味方にする・・と考え読むがなかなか参考になった。 |
2004/10/17 |
「マイ・ストーリー」山本容子 新潮社 ☆
銅版画家の山本容子さんの芸術家らしい自由闊達な半生の自伝。 ☆
人生を精一杯楽しみながらも、人との交わりを通じて、日々自分と自分が生み出す作品を高めていく人生に共感をもつ。 |
2004/10/10 |
「いちげんさん」デビット・ゾペティ 集英社 ☆
外人の著者と盲目の日本人の京子との交流。常に外人であることを意識させられる日本の暮らしの中で、京子は、盲目ゆえに自分の容姿に違和感を持つことなく受け入れる。 ☆
そんな京子とのちょっとエロチック生活も印象的。 |
2004/10/3 |
「彼らの流儀」沢木耕太郎 朝日新聞社 ☆
「ありえたかもしれない人生のいくつかを失いながら人は歩む・・・」 こんなサブタイトルに惹かれ読み始める。「彼ら」有名/無名の人々33人の生の輝きに触発され、著者が書いたコラム集。 ☆
現代の33人の人生の輝き(流儀)それぞれにある不思議な魅力が、伝わってくる。 |
2004/9/12 |
「空中ブランコ」奥田英朗 文芸春秋 ☆伊良部先生ますます快調 |
2004/9/12 |
「イン・ザ・プール」奥田英朗 文芸春秋 ☆
精神科医の伊良部先生と友達になりたくないけど、相談してみたいような。 ☆
登場人物は、身の回りに居そうな人(自分を含め)ばかりと思うのは、もう伊良部先生の診察が必要? |
2004/9/11 |
「博士の愛した数式」小川洋子 新潮社 ☆
博士の孤独と情熱 ☆
自分が博士のように記憶が80分となったら何を語っているんだろう。 |
2004/9/5 |
「武士道」新渡戸稲造 三笠書房 ☆
映画ラストサムライを見てから読む ☆
新渡戸稲造の博学さに圧倒される。引用されている著書の参照が多く(ほぼすべて知らない)ついて行けない。1900年アメリカで英文で出版されたそうだが、この当時の国際人はこんなにすごかった。武士道よりその事に感動。肝心の武士道は理解不足で良く判らず。 |
2004/9/5 |
「真相」ロバ−ト・パーカー 早川書房 ☆
私立探偵スペンサーシリーズの30作目 ☆
28年前の殺人事件の苦い真相を明かしてしまうスペンサー ☆
週末の探偵・冒険小説はリフレッシュの時。 |
2004/8/29 |
「影に潜む」 ロバート・B・パーカー 早川書房 ☆
警察署長ジェシイ・ストーンが、パラダイスの町(アメリカの架空の町)を恐怖に陥れた連続殺人事件を解決する。 ☆
ハードボイルドだけど情に厚いヒーローのシリーズ小説 |
2004/8/15 |
「介護入門」モブ・ノリオ 文芸春秋 ☆
今年の芥川賞受賞作品 ☆
何がいいのか判らなかった。 |
2004/8/22 |
「反撃の海峡」ジャック・ヒギンズ 早川書房 ☆
ヒギンズの冒険小説シリーズで1992年初版 ☆
「荒鷲は舞い降りた」など昔からヒギンズの冒険小説ファンだが、これは、ノルマンディー上陸作戦前夜の連合国軍とドイツ軍の情報活動や心理的対決を背景として描いた第2次世界大戦ドラマ。 ☆
実話とフィクションを織り交ぜた背景に007とフィリップマーロウのいいとこ取りのようなタフな主人公が苦戦しながら最後に必ず勝利するかっこよさにシビレ、何歳になっても止められないシリーズ。 |
2004/7/25 |
「シービスケット・ある競走馬の伝説」ローラ・ヒレンブランド ソニーマガジンズ ☆
同名の映画が話題になった作品。作者は女性の競馬ジャーナリスト。 ☆
1930年代後半の競走馬「シービスケット」とこの馬にかかわる人たちの物語である。馬、馬主、調教師、騎手達の波乱万丈の物語 ☆
当時アメリカ中を興奮させていたこの馬のレースシーンの臨場感もすばらしくリアルな迫力ある筆致で描かれてているが、より興味を引かれたのは馬に関わった人々の人間ドラマ。調教師の仕事に対するプライド、当時の騎手たちのケガをすれば、保険も保障もなく使い捨てにされる過酷な環境の中での克己に感動した。 ☆
当時のアメリカでの大不況時代の生活の匂いも競馬に関わる人々を通して伝わってくる。 |
2004/7/19 |
「ダーリンは外国人」小栗左多里 メディアファクトリー ☆
朝日新聞の日曜版書評欄で紹介されていた話題の漫画とのことで購読。 ☆
アメリカ育ちの外人ジャーナリスト・大学講師との共同生活(出版時点では入籍してないとのことなので)体験での「なんで?」みたいなのを日本人の奥さんがマンガにまとめたもの。 ☆
外人の旦那さんと日本人の奥さんの家庭の絵日記を読むような感じかな? |
2004/6/27 |
「まともな人」 養老 孟司著 中央公論新社刊 ☆
「バカの壁」で有名になった解剖学者だった著者が21世紀最初の出来事(9.11テロ、北朝鮮問題、小泉内閣発足など)について「あたりまえ」を疑うエッセイ。 ☆
☆ 著者特有の具体的な分かりやすい語りなんだけど狐につまれたような話もあり、理解が追いつかない部分もある。世間のあたりまえに洗脳された僕の脳みそが、もはや疑いを受け入れないのか? ☆
今、世間で教育をどうするか議論が盛んなようである。座って机の前で学べる事もある。しかし応用が利くことは「身についた」ことでしかありえない。教養教育がだめになったのも「身につく」ことがないからだろう。教養はまさに身につくもので、座って勉強しても教養にはならない。ただ勉強家になるだけである。なぜ身につかないのか。情報化時代だからである・・・・。 ☆
集団が命がけで、つまり本気で機能しようとすると、順送りでは具合が悪い事が突然わかる。日露戦争のとき、舞鶴勤務でもはや引退という東郷平八郎を連合艦隊司令官として呼び出した。理由はあいつは運がいいということだった。当時の海軍は、「機能体」であった。順送りというのは、組織に明確な機能、目的がないということ。 |
2004/6/13 |
「城壁に手をかけた男」上下刊 フリーマントル 新潮社 ☆
イギリスの情報機関MI6のスパイ、チャーリー・マフィンが活躍するシリーズの最新作。 ☆
日常生活は、全く不器用でさえないチャーリーが、エリート官僚の上司やスマートなロシアやアメリカの敏腕スパイをことごとく出し抜いて行く。スケールは違うけど僕のような普通のサラリーマンも自分の身近な状況に置き換えてや拍手喝采している。今回のシリーズでは、僕の好きなチャーリーの妻ナターリヤが息苦しさを感じて家出してしまう。続きが早く読みたい。 ☆
東西の冷戦が終結した時には、スパイ小説作家は、ネタがなくなってしまうなと思ったが、その後もこのシリーズはちゃんと続いている。両陣営の闘いあるいは、国と国の闘いは終わらないのだ。すくなくとも小説の上では熾烈な駆け引きを続けている。 |
2004/6/10 |
「女房が宇宙を飛んだ」 向井万起男著 講談社 ☆
宇宙飛行士向井千秋さんの旦那さんが、千秋さんのスペースシャトルフライトについて書いたもの。旦那さんも慶応大学のお医者さんで千秋さんの先輩だった人。自分がなりたかった宇宙飛行士にあこがれてプロポーズをしたそうだ。 ☆
夫婦とも相当ユニークな人で、二人の日常の掛け合いに笑い転げながら千秋さんの宇宙飛行について、マスコミでは報道されない身内ならではの話が面白いし、なるほどと感心させられる。この本は、2作目で前作ともどもおすすめです。 ☆
数年前に県庁勤めの兄が、向井万起男さんを「男女共同参画社会」がテーマの講演会講師に呼ぼうとがんばったそうだけど、飛行機に乗るのが嫌いだからと断られたそうだ。 |
2004/6/10 |
「女盗賊プーラン」 プーラン・デヴィ 草思社 ☆
古本屋ブックオフでお気に入りの100円コーナーで見つけ購入。 ☆
著者のプーラン・デヴィは、インドの被差別カースト民に生まれ少女の時、売られるように結婚。家畜か奴隷のような悲惨な生活を強いられやがて盗賊団に身を投じる。首領となってインドを荒らしまわるうちに懸賞金付のお尋ね者となり、やがて投降。 ☆
11年の獄中生活ののち1996年の選挙に立候補して当選し、国会議員となる。 ☆
何年か前に射殺されたのを新聞で見たが、波乱万丈の人生とは、この人のことだろう。 |
2004/6/5 |
「古武術の発見」 日本人にとって身体とはなにか。 養老孟司 甲野善紀対談集 光文社知恵の森文庫 ☆
甲野さんは、古武術の研究家で独自の理論と技術で剣術、槍術、体術などを教えている。最近は、巨人軍の桑田投手へ古武術の指導により、復活(新たな投球フォームの開発により)させたことで有名な人。今年、たまたまNHKテレビで古武術の模範演技をされているのを見て感心したのですが、たまたま書店で養老孟司さんと対談のこの本を見て購入。 ☆
武道の歴史は、剣豪小説だけのものでなく、祖先は身体をどう考えていたのか、心との関係はどうかを武道を切り口に考えるきっかけを与えられた。 ☆
余談ですが、畳のサイズは織田信長が決めたそうです。平時には敷いておいていざというとき持ち上げて盾にする。身が隠れるだけの高さと幅、火縄銃の弾を防ぐ厚みで、あの大きさが決められた。こうゆうものって一度決まると変わらないものですね。 |
2004/5/20 |
「韓国式発想法」 舘野晢著 NHK出版生活人新書 ☆コレアレポートの蒲谷氏に紹介され購入。 ☆
身近な国、韓国の人々の精神構造と文化を体系的に知ることができ面白い本でした。 ☆
精神構造では、西洋人以上に日本人と違いがあるかも。こんなに日本人と発想や文化が違うとは思わなかったが、容姿が似ていても国が違うんだから当然なんだろう。身近な人々だからこそ今までにもっとお互いを知る努力をすべきだった。サッカーワールドカップの共催以後、官民はじめさまざまのレベルで交流が深まっているのはいい徴候。 |
2004/5/15 |
「メグレと火曜の朝の訪問者」 ジョルジョ・シムノン著 河出文庫 ☆
絶版だったシリーズの復刻版で2000年に再登場したシリーズ ☆
シムノンの小説は、人間模様というか人間心理の表現が秀逸なので昔からのファン。店頭で見つけて思わず購入し、久しぶりに読んだがやはり人間心理の綾や葛藤を楽しめた。メグレシリーズをすべて復刻して欲しい。 |
2004/5/8 |
「マイ・アメリカン・ジャーニー(上・中・下)」 コリン・パウエル著 角川文庫 ☆
以前、妹がペーパーバックを読んでいて、「やはり偉くなる人は、それなりの過去の努力や経歴があるね」と言っていた。気になっていたのを今回、本屋で文庫本を見つけたんで購入 ☆
妹と同じ感想でした。コリンパウエルは、湾岸戦争の時には、アメリカ軍を統括する統合参謀本部議長でその時は、ヒットアンドランで直ちに撤退した。イラクに攻め込んだ今、コリン・パウエルが、国務長官でなく国防長官だったらアメリカもこんなに深入りせず、違った展開になっただろうと思われた。 ☆
ジャマイカからの貧しい移民の子供だが、軍隊に入隊して指導者になるべくしてなった人。また、こんな人をチャンとトップにするアメリカは素晴らしい国でもある。 |
2004/5/1 |
「シラクのフランス」 軍司泰史著 岩波文庫 ☆
著者は共同通信社の記者 ☆
欧州統合のグローバル化の中でフランスはどう変わろうとしているのか。分かり易く読めた。 ☆
パリの華やかなイメージに目を奪われがちだが、高い失業率、極右の台頭、移民の深刻化などフランスはどう変わろうとしているのか興味深い。 ☆
核実験を繰り返しながら、アメリカのイラク派兵には反対するなど独自の哲学をもつフランスの政治を知るのに面白い本。 |
2004/5/3 |
「戦争とプロパガンダ」 E.W.ザイード著 みすず書房 ☆
テロ撲滅のもとに大国のアメリカとイスラエルは、とんでもない殺戮や侵略を行なっているんだな、が第一の感想と驚き。 ☆
アラブやイスラムの視点から見ることの大切さも教えられました。 |
2004/5/2 |
「黒蝿(上・下)」 パトリシア・コーンウエル著 早川文庫 ☆
ご存知検死官シリーズの最新刊。読み出すとやはりはまってしまった。 ☆
今までのシリーズとだいぶ展開が変わってきた。ルーシーが殺人を犯すとは。FBI心理捜査官のベントンが生きていたのにもビックリ。 |
2004/1/11 |
☆ 「スプレー号世界周航記」 ジョシュア・スローカム著 中公文庫 ☆ ジョシュア・スローカムが19世紀末に廃船を改造したヨットで史上初の単独世界周航を果たした航海記。 ☆ ヨットでの困難な航海記であり、危険を切り抜ける冒険談であるとともにそれまでどんな書物によっても知らされる事のなかった世界各地の風物詩を生き生きと記録し当時、世界中を興奮させた名著の復刻版。 ☆ 一気に読むのがもったいなくてじっくり読みたくなる本。 |
2004/1 |
☆
古書店で購入した古文書に封じ込められていた実話で新潮ドキュメント賞受賞作 ☆
金沢藩の猪山家の仕事は代代、御算用者(現代の会社で経理か総務) |
2004/1 |
「メンタル・タフネス」ジム・レイヤー著 ワニ文庫 ☆
感情をコントロールしストレスさえ原動力に変える現代人のための心理学」のタイトルにつられ購入。 ☆
著者は、テニスのナブラチロワやスケート金メダリストのダン・ジャンセンの指導者として有名なのは、あとで知った事。 「テニスのトッププロは、25秒間のゲームの休憩時間に行動と感情をコントロール、休息と回復を獲得する能力が競技を有利に導き勝利のために不可欠な役割を果たしている。」これが、トッププロとそれ以外の選手の大きな差だそうです。 |