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耳管開放症
(耳管閉鎖障害)
2010年12月13日
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はじめに
耳管は普段は閉鎖していて、嚥下(飲み込み)などに際して一瞬開くのですが、耳菅開放症はこの耳管の閉鎖が緩かったり開きっぱなしだったりする病気です。

男女ともに60歳以上の高齢者に多いのですが、女性は10代〜30代の若い女性にも見られるのが特徴です。

原因

最も多い理由は「急激な体重減少」です。心臓病や糖尿病での病状悪化のために痩せる場合や治療のためのダイエットの過程で耳管開放症になることがあります。また悪性腫瘍の治療後にもしばしば発現します。

若い女性の場合は、急激で過度なダイエット、妊娠、経口避妊薬などが原因になります。

また運動をして汗をかいたときや、長時間の会話を続けたあとなど「鼻の奥が乾燥した状態になる」と耳管が開きっぱなしになりやすくなります。

症状
@自声強調       自分の声がぜんぶ耳に抜けて響く
A自己呼吸音聴取   自分の呼吸の音が耳に響いて聞こえる
B耳閉感         耳がふさがった感じ

検査
@聴力検査
Aインピーダンス・オージオメトリー
B耳管通気音の確認
Cオトスコープで呼吸音などを聞く
D顕微鏡で鼓膜の動きを観察する、など

治療
@水補給
運動して汗をかいた後や、長時間話した後の耳管開放症状→適切な水補給をします。

A妊娠中
出産後には軽快することが多いので、出産までは心を安らかにして待ちます。産後まで続く場合に治療を検討しましょう。

B体重減少
超過度で急激なダイエットは避けるべきですが、必ずしも太ることが耳管開放症治療のためになるとは限らないので、相談が必要です。

C飲み薬  白虎加人参湯など

D生理食塩水の点鼻法
病気の耳側の鼻孔から生理食塩水を点鼻する方法です。耳管咽頭口を、毛細管現象と保湿で、一時的に閉鎖させるのが目的です。家庭でも出来る方法です。

E手術法
シリコン製耳管ピン挿入法(東北大学耳鼻咽喉科)
経鼓膜的耳管ピン挿入術
耳管内軟骨挿入術
耳管内粘膜下注入術(アテロコラーゲンや脂肪など)
など