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嗅覚障害
2011年1月29日
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はじめに
嗅覚障害は外鼻孔から嗅覚中枢までの嗅覚伝導路のどの部位の障害によっても起こり得ます。原因疾患別では鼻副鼻腔疾患、感冒罹患後、頭部外傷が3大原因で、1/4は原因不明です。治癒率(改善率)は原因疾患によって異なりますが、感冒罹患後嗅覚障害は70%以上でまあまあ良し、頭部外傷の改善率は40%で不良、鼻副鼻腔疾患の場合は原因疾患の治り具合に左右されますが概ね良好です。

原因
病名別の原因頻度は、@鼻副鼻腔疾患37%、感冒罹患後21%、頭部外傷11%が3大原因で、24%が原因不明です。
解剖学的に、@呼吸性嗅覚障害(鼻腔内の障害)、A嗅粘膜性嗅覚障害(嗅粘膜の中にある嗅神経の障害=感冒嗅覚障害)、B末梢神経性嗅覚障害(頭部外傷など)、C中枢性嗅覚障害(頭部・顔面外傷、アルツハイマーやパーキンソン病など)の4つに分類されます。

検査
@内視鏡による鼻腔内の観察・・・・必須の検査です。

A画像診断(レントゲン写真やCTやMRIなど)

B嗅覚機能検査(T&Tオルファクトリー・メーターなど)・・・当院には機械がありません。

C静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)=アリナミンを静脈注射してニオイを感じる時間を検査します。


治療
@原因疾患(副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎)が判明すれば、その治療をします。

A鼻洗浄やネブラーザーをして鼻腔内を清潔にします。

Bステロイド点鼻療法・・・仰臥位で肩に枕を入れて懸垂頭位をとり、鼻の中にステロイド液を垂らす治療です。慣れてきたら、家庭で出来るように指導します。

C内服薬・・・・・ビタミンB12、漢方薬(当帰芍薬散など)

上記を約3ヶ月治療します。