今年の花粉症

               松山市平和通1丁目
               末光耳鼻咽喉科
               末光清貞

 今年の杉花粉の飛散は例年の3倍以上、昨年の8倍にも及ぶ量でした。
ずいぶんと春先に花粉症で悩まされた方も多かったと思います。
現在スギ花粉にアレルギーのある人は国民の8%以上と言われています。
実際にはそれ以上かもしれません。
鼻がつまり、くしゃみ、それに鼻水、目も痒くなり肌も荒れて痒くなります。
夜が寝られなくなるのが一番つらいと患者さんは言われます。
世の中が快適に住みやすく、また西洋風の食生活になるにつれアレルギーは増えるといわれています。
当然大気汚染もその要因です。
1995年の杉花粉大量飛散の時もそうですが前年の夏が水不足でした。
何らかの関係がありそうです。
杉花粉は2月後半から4月前半くらいまで飛びます。
4月からはひのきの花粉が飛びます。
杉花粉にアレルギーのある方はひのきにもアレルギーのある方が多いです。
杉とひのきの花粉が非常に似た性格を持つからです。
杉の花粉の多い年はひのきの花粉も多い傾向があります。
5月になると今度はカモガヤに代表されるイネ科の雑草の花粉が飛びます。
このイネ科雑草の花粉症も結構最近では多くなっています。
道端や河原、街路樹の下にも多く繁殖しています。
この次期には幼稚園、小学校の遠足もありますので、遠足のあと症状が出る子供さんも多いです。
あらかじめそういったアレルギーがあるかどうかを知っておくことが大事です。
この春の種々のアレルギーも梅雨に入るとおさまってきます。
ただ、かびにアレルギーのある方はこの次期に出ますので要注意です。
夏の間は出にくいアレルギーも秋口にはブタクサなどのキク科植物の花粉が飛びますが、春に比べればずいぶんと少ない数になります。
最近は花粉症を始め、喘息やアトピーなどのアレルギー疾患を持つ患者さんの年少化が気になります。
特に花粉症は2-3才でも出る傾向がありアレルギー疾患全体の増加とともに懸念される事項です。