Amatua おじさん Jazz Pianist
Smilly Tamaのジャズ・ピアノ日記

2001年1月

新年いきなりバンド練習あり。毎年新年は正月休暇に練習した成果を試すが成功したためしはない。今年の正月はバップのテンポ240に取り掛かった。220までしかできなかった。曲はAnthropology。テンポ220で始めたがTpのSoloが終わってピアノに回ってきたときは240だった。玉砕!。茫然自失。毎年のことではあるが報われない。敗因は左手が追いついていないこと、即ちコード進行の認識が間に合っていない。とても楽譜を見ていては間に合わないので、暗譜は必須と覚悟。次週再挑戦の決意です。
玉砕したAnthropologyの左手に取りかかる。とりあえずコードチェンジ毎に全部押さえる方針で練習を開始した。左手だけ。それでも結構大変。これでは左右一緒には出来るはずがなかった。片手では220までテンポアップしたが両手になると180まで落ちる。これはタイヘンです。めげそう。
○○に聞いてもらう。「16分音譜で弾いているんでっショ!?」といきなり背中から切りつけられた。○○はときどきヒドイことを言う。僕はだいぶん慣れた。気を取り直してテヌートに気をつけて弾き直し。「ふんふん、それでまーまーよし」とのこと。やったね。それにしても200を越すと手癖になり支離滅裂だ。左も追いつかない。とても遠い感じ。
「ブルースをUXで割って演奏するとブルージーを失う悩み」をポストしたら、同じ悩みのひとがいると分かった。それだけでも充分収穫になった。「音楽は感性」と説明して済ます人が多いが、「表現された音楽は技術と理論で説明が出来る」と信じている。
10 テンポ180で両手でやってみる。随分とよくなった。嬉しい。が、180では所謂「グルーブ感」ではなく「スイング感」だ。220を越してからが「未知との遭遇」のはずなのだが、まだ遠い。辛いなーー。やまとさんがWhat a different a Day MadeとThis Masquerade。different a Dayの楽譜を送ってくれた。歌伴だ。テンポは120。早速練習。なんかヘン!。感じがつかめない。8分音譜はイーブンになるし、3連譜や16分音譜が出てこない。ミディアムファストのバップの練習をしてきたせいか。ひとつやれば、ひとつを失うのかなーー。つらいなー。masqueradeはKeyDのマイナー曲(Bm)。これもフレーズが自由にならない。イラつくけど、この2曲はとてもメロディカルでいい。僕は本当はこの曲想の方が好きなんだな。なんて、いかん、いかん、とりあえずミディアムファストを身につけなければ、、。
11 バンド練習日。今日の勝負はAnthropology。「結果は期待しないように」と心に刻んで始めたが、やはり追いつかない。特に6小節目からの左手が入らなかった。ヤマさんが「先週よりいい」と言ってくれたのが救い。途中でだいぶんテンポが遅くなった。200程度かな?。現時点での限界なのだろうね。僕は「自分のための練習だからいい」けれど、一緒やるミュージシャンやお客さんに申し訳がない。そういえば、Anthropologyを始めたときにはいたお客さんが、終わったときには誰もいなかった。悪いね。全体に他の曲も前のめりになっている。あせあせしい。速いテンポの練習中はいつもこうなる。「ひとつを手に入れるためにひとつを失う」って、そんな感じが辛いね。
13 Anthropologyは200より速くはならない。現在の筋肉では無理なのかもしれない。もうすぐ50歳なのを考えるとこの辺が終生の限界点かな?。Bluesを練習してみた。少しメロディカルになったようで嬉しい。でもFだけではいかんな。
14 Joy Springを始めて弾いてみた。16分音譜で弾きにくいところがある。掌の中で弾けるフレーズなのだが、親指くぐりで弾いたほうが弾きやすい。「小指が曲がっている」というハンディキャップにも起因していると思うが、諦めずに粘ってみた。テンポ160までなら親指くぐりでも間に合うけれど、速くなると掌の中で弾きらないと厳しい。が、まだ使い物にならない。今日、このhpを仮アップしたけど、誕生日をSmilly Tama's homepageのアップ日とすることにした。
15 どの曲もテンポ200になるとバラバラになるので、原因は左手にあるのかと思い左右交互に連打してみた。160でばらつき始め180で破綻、200では左右交互の連打が出来ないことが判明した。基礎的技術的(肉体的)な課題がある。こういうときにイラだつ。本当に左右交互の連打が出来ないことが200以上のテンポが弾けない本当の理由なのかどうかが分からない(診断者がいない)。そして、もしこれが原因だとしても、その解決法(練習法)が分からない(文章化された治療法がない)。「過去の症例から解決の実証をする(実証法)」という発想での導きが欲しい。大人になってからのピアノは「(幼少時からピアノを習った)ピアノを教える先生」の上達過程と必ずしも一致しないところがありそうだから、彼らの経験では語れない部分がある。幼児期からの上達過程が、大人になってからピアノを始めた人に対しても「通用する部分」と「通用する部分」を早い時期に実証してほしいと思う。
16 ○○がニューヨーク研修旅行から楽譜を少し仕込んで帰ってきた。マイナスワンレコードのバッキングの楽譜など多彩。アメリカには理論書だけでなくジャズ分野の楽譜が溢れていると推察。推察していた状況が確認された気分。日本にはジャズの音は入ってきているけれど、背景になる文化や学問の体系が入っていない。技術屋ばかりが留学して学者や教育者は渡米していないのだろうか?。日本の音楽大学にジャズ講座(教授)がもっと育ってほしい。とは言うものの、ジャズが学問になったときはクラシックになりますね。
17 仕事・子持ちの女性アマチュアピアニストからメイルを貰った。学生時代やっていて主婦業ブランクの後、最近「一念発起、音楽復帰した」と聞いている。すごい「がんばりやさん」のよう。同じ主婦業のピアニストが僕達のバンド仲間にもいる。彼女達の頑張りを見ると「女の時代」の到来を身近に感じる。感服する。
 彼女のメイルから、勢いのいい若者ジャズメン達のホームページを見て「アセリと多少のイラダチを覚えているようだ」と勝手に解釈。「背負うものが多い中年と身軽な若者の違いよ」と返信。実は僕も「若者達の気負い」には「羨ましかったりうっとうしかったり」してるのだ。イラダチやネタマシさがなくなったのは老人へ入り口かな?。若者との交流はすごく役立っている。若者と交流できるのは音楽をやっている恵みのひとつだね。
18 Felicidadeをやってみた。「ワリといい」との評価を得たが、ココというときに突っ込みすぎてバックと「チギレる」のが辛い。チギレた瞬間に分かるから破綻はしなかったけど、折角ノッタ気分が「だいなし」になるものね。残念!。Joy Springを初めてやった。ままー、のデキかな?。黒鍵を連続で弾くときに指の力の弱さを痛感した。歌伴のデキがひどくてVOに悪かった。そう話し違うけど、左手を省くように心してみたら、なにか変わった感じがした。この感触は大切にすべきだと思った。ただし音の選択が重要なようだ。それとJust Freindsのbackingに時々裏コードを使ってみた。いけるかも。きちんとした押さえ方を覚えてみようかな。
19 第2回のJam Sessionに参加した。若い人とするのは「ちいさな楽しみ、大きな負担」ってな感じもあるのだけど、経験不足の中年(初老かな?)は好機を逃すわけにはいかんのデス。結構楽しいし有益なのデス。てなわけで参加したのですが、280でDona Leeをやっていた。もちろん見てただけ。速いね。「僕には無理よね」とあっさり退散。僕の最速目標は240と決めてもよさそうだ。録音にしくじった。後半は若者達に任せて大いに飲んだ。帰宅2時。
21 3時間練習した。Candy やIt Choud Happen To Meなどいろんな曲のテーマを200で弾いてみた。正月からテンポを速めてみようと試みて1ヶ月弱、少し成果を感じている。肩凝りがきつい。Balladeを練習したくなった。よいBallade曲を探してみよう。
23 昨日は仕事も忙しく会合もあってピアノの前に座らなかった。今日はJorduとTinny's Bluesを練習した。暗譜しよう。歌モノは暗譜している曲も多い(覚え易い)が、インストものはよくやっていた曲でも覚えていない(覚え難い)ことに気付いた。インストものは難曲が多いのだから、まずは暗譜して左手のポジショニングを自在にしなければ上達しないね。
24 Joy Springのテーマを掌の中で弾く練習はだいぶん成果をあげている。妙に手首がねじるがどうにか弾ける。小指が曲がっているハンディは間違いなく、この手首の妙な動きは必然と思われるが、親指くぐりよりは早く弾ける。使いものになるといいな。
25 昨夕サックスのKさんが亡くなった。定例の練習は「今日は休みかな?」と思いながら一応出かけた。kさんとは私の10周年記念でMy One & Only LoveをDuoで演って貰った。大きな思い出になった。共演したミュージシャンへの弔いは故人との演奏を思い出しながら演奏すること、それで叶うと思う。彼から受けた音楽の影響はきっと僕の演奏に生きているはずだから、、。素晴らしいことだ。彼と演ったMy Oneのビデオを追悼の心で見た。
ドラムのYさんとべースのWさんはやはりお通夜に行っていた。若い人がTpをベースに持ち替えたり、Voがドラムをしたりでとにかく始めた。なかなか楽しかった。途中でYさんが帰ってきてDo You Know What Love Isをやった。Kさんを思い出しながら演った。わりとよい出来だったらしく誉めてもらった。明日Kさんの葬式に行く。
26 Kさんの葬式に参列した。親族代表の「お前は少し早すぎるんじゃないか」の挨拶は悲しかった。それと「NHKのバンドリーダーを勤めさせてもらったこと」に対する感謝の辞があった。生前彼がその立場を喜んでいたどうかは別として、指導的立場に任じられることは人生において大切と思った。その人に対する社会の評価・認識は、楽器の巧拙ではなくてやはり指導性のようなところにある。
27 50歳の誕生日。今日をSmilly Tama's Homepageの立ち上げ日とする。1月の練習は前半はAnthropology、後半はJoy Springが中心だった。練習時間が多かったこともあって有意義だった。2月はJoy Spring、Jordu、Wach What  Happen、Undicided、They Say It's Wonderful、それとTinny's Blueなどのバップ曲のテーマを課題としよう。前々からIsraelをやりたいと思っているな。
28 朝まで飲んでしまった。練習する気力なし。1時間ほどJorduとWach What  Happensを練習して「おしまい」にした。いけませんね。でも昨夜の酒も楽しかった。音楽だけが人生じゃないけんね。
29 今日は仕事が忙しくて練習なし。夜は宴会、たくさん飲んだ。ジャズライブハウスの××に2時間座っていたけど客は一人だった。ヒマだったな。
30 仕事ヒマ。Jorduのサビを1時間練習した。この部分はオンチにはツライ。ともかくも「D♭、Bにそれぞれ解決出来ればどうにかなる」と決めて試した。パターン化するけどまあまあかな。今週木曜日にデビューさせよう。♭7の連続をオルタード→オルタード→オルタード→トニックでつなぐとまとまり易いけど緊張感がない。ナチュラルテンション系でつなぎたいのだけど、トニックに解決するためにオルタードまたはミキソリディアンに切りかえるところで破綻する。テンポは今は140だけど180でやりたいね。
31 今日は練習する時間があったのだけど気がなかった。Undicidedを遊びで弾いた。この曲は2年前に自前でイントロとエンディングを創った。イントロの教則本を読んでいた頃だ。一度だけバンドでやって出来なかった。自分で創った楽譜が出来ないと堪える。それに「自作もの」は仲間の信頼を得ていない(実際に間違いが多い。拍が余っていたりする)のですぐには練習に入れない。チェックして間違いが見つかると気力が萎える。訂正したフレーズはすぐには出来ない。「出来る」と思うフレーズを創って行って「出来なくて」、創り直して「また出来ない」とショボクレてしまう。前のときはそうだったから明日は一発で出来て終わりたいな。