essay 今治ジャズタウン2001感想記
昨夜の土曜日のナイトジャズは行けなかった。1時から無料講習会がある。初めての試みだ。どんな生徒さんが集まるのかも興味がある。11時30分の汽車に独りで乗る。12時着。ゆっくりと駅前の並木道を歩く。大型の台風が来ている。影響が心配されたが進みが遅く今日は無事らしい。甲子園では夕方に松山商業の準々決勝がある。駅前の並木道は静寂。木立が風に揺れる音に山中にいる錯覚を覚える。500メートルほどの長さの広い歩道には私とその前を歩く若いアベック。若い二人も講習会に行くのかな?。と、女が振り返って景色を探している。踵を返して駅に向かい出した。「だから違うっていったでしょ」。すれ違いに甘えた女の小言が聞こえる。昔ながらの食堂と旅館が目立つ。港から汽車駅までの街道の賑わいが偲ばれる。営なみをやめている店も多い。携帯電話の店看板が目に煩わしい。会場の市役所まで街並みを独占した。広い駐車場に人影が2つ。「や〜や〜」と挨拶して公民館に入る。フローアには70前の老夫婦が二組。ジャズ講習とは無縁のよう。和装の展示会をやっている。見て回ると小部屋の扉にベース、サックスと張り紙がしてある。講習会の雰囲気がしてきた。ピアノはどこかな?。楽器の準備が必要なのはピアノとドラムだけどな。分からない。ソファーに座っていると一人、二人と見慣れた顔が増えて賑やかになってきた。結局ピアノとドラムは向かいの公会堂だと聞き、急ぎ移動。ドラムは表玄関にセットされていて、猪俣さんがスタンバイしている。生徒も10人程度と多くて賑やかそう。カメラを向けたら猪俣さんが手を振ってくれた。明るい気遣いの人だ。ピアノ講習会はホール内。ステージの真ん中にピアノ。講師の青木弘武氏の指示で客椅子をステージに上げてピアノを丸く取り囲む。生徒は小学6年生、CDとコピー譜で独学中の若者、50歳くらいのクラシック畑の女性、70歳の元ヤマハ女性講師、ビッグバンドのピアノ(顔見知り)と私。バラエティー豊富。ということはジャズピアノの認識も技術もばらばら。講師はおおごと。で、青木氏は「今日は何を教えて欲しいですか?」と質問から始めた。よい選択だと思った。でも結局質問も幅がありすぎてまとめきれず、ますはジャズのノリの大切さとノリを得るためのコピーの必須性を語った。講習はノリを中心にして進められ、それぞれ受講者が実技をしてそれにワンポイントのアドバイスが行われた。模範演奏を聴いて、この人にピアノを習ってみたいという衝動がおこった。美しく無用の気負いのない音を創る人だ。1時間はたちまちに過ぎて終了した。楽しい時間だった。カメラが来ていると思ったら、僕が大写しでテレビに出たとのこと、汗が出る。
 終わって2時、予想通り5時の開演時間までの過ごし方に困惑したが、猪俣さんのシャトルバスに勝手に同乗して3時に市民の森へ着く。茶色に黒字の記念タオルをゲットして一段落。暑い。市民の森は素晴らしい野外コンサートの会場だ。調律師のTさんと長時間お話。9時入りで11時調律終了で松山に帰宅したのに最終調律も必要と依頼されて戻ったのだそうだ。夕日があたってピアノが煮えている。調整してもすぐに変わるとのこと、結局ケイ赤木さんの演奏が終わる8時まで居残っていた。
K・K・カルテットの若いAsは若年なのに音場を維持する能力を持っているようだ。若者の畏れ知らずがそのまま成長すれば早成、畏れに戸惑い克服すれば大成か?。若者を見ることが楽しくなる歳になった。選曲には疑問あり。このカルテットを引き立たせる曲想はほかにあると思う。I氏のしゃべりは面白くない。音楽をする人の目線でもないし、かといって聴く人の立場でもない。図書館の整理屋さんだ。デュークエイセスが楽しかった。ケイ赤木はすごいが楽しいというジャンルではない。。快活を求める音楽ではないのだろう。グルーブは律動して心の機微に迫るリズム、スウィングは躍動して鼓動に接するリズム、という字句を思い立ったのだがどうだろう。猪俣氏のビッグバンド「ジャズ・オールスターズ」は上手の集まりなのは分かったが、ビッグバンドとしては完成途上か。中にデンタル・ヤマモト氏を見つけて仰天。高橋達也氏の代役とのこと、素晴らしい経験だろう。写真撮影禁止のご禁制を犯して決死のヤマモト氏撮影を決行。猪俣カルテットの「黒いアルフェ」が流れるなか実行委員長の謝辞に感動した。辞頭で委員長がオルフェを歌い出したのでそのまま歌うのかと勝手に焦った。言葉は淡々だったが、この祭りが彼の情熱と実行力で運営されているのを知る者として深い感動と感謝の念が込み上げた。「ちんまくなっても続けられるなら・・」の言葉に苦労が偲ばれる。シャトルバスに乗って10時30分の列車に乗った。11時30分帰宅。
 
Smilly(^-^)Tama 今治ジャズタウン2001の感想です。1日目のナイトジャズに行けなかったのが残念です。