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イヤー・ケア・グッズの被害調査
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平成8年の地方ジャーナル誌への投稿です。イヤー・ケア・グッズが流行った3ヶ月ほどは1日に1〜2人の耳内火傷の患者さんが来診しました。松山での流行は半年で終わりました。


 2月にイヤー・ケア・グッズの被害調査の結果が通産省製品評価技術センターから出ました。この製品は15センチの円錐形の筒の中に蝋(ろう)が入っていて、円錐筒の広い口の方に火をつけて、口の小さい方を耳に差し込むというものです。「耳垢が大量に取れる」という噂がたち、爆発的に全国に広まりました。同時に被害も続出しました。
 「耳が塞がった感じ、かゆい、聞こえにくなった」などが訴えです。診察した結果は、外耳道の中に「ロウがこびりついていた、けがをしていた、火傷をしていた、アレルギーを起こした」など様々な 状態でした。
 この噂の商品に真っ先に飛びついたのが若い女性でした。噂を聞いて商品を手に入れ、仲間で集まって「イヤー・ケア・グッズごっこする」がトレンディーだったようです。
 流行は終わったようですが、この種の民間療法は根拠の無いことが殆どです。気をつけましょう。