http://www.rene.com/sakeyoshi/index.html       2003年5月16日アップ
2002年5月から第5金曜日に酒好に集まって、ピアノ発表会を開いています。
「酒好ピアノ秘密倶楽部」
日時     第5金曜日 午後9:00〜
場所     BAR 酒好
演奏順   阿弥陀くじによる
演奏曲   ジャンルは問いませんが、ひとり一曲5分以内の曲
費用    各自飲んだ分
応援、ひやかし大歓迎です。第一部はピアノだけですが、第二部からは楽器もセッションも自由です。
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独り1曲で5分以内(厳守)
弾語り・セッション・メドレーなどは後のお遊びタイムでお願い致します。
演奏聞くだけでもOKです。冷やかし大歓迎! 演奏者で毎回同じ曲勿論OK。 参加をお待ちしています。
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            BAR酒好 ふるさわ

Smiley Tamaの演奏曲
音楽日記から抜粋
関連する記載

Smiley Tamaの演奏曲
第1回 2002  5 31日  Almost Like Being In Love
第2回  8 30  On A Slow Boat In China
第3回 11 29  Day By Day
第4回 2003  1 31  Moon Grow ・ Autumn Leaves
第5回  5 30  Watermelon Man
第6回  8 29  Manhattan
第7回 10 31  Michel〜Wave

音楽日記から抜粋
2002年 3月13日 提案
ひみつクラブ酒好ミニミニ音楽発表会を思いついた。掲示板に送信。
1)練習した曲を1曲(1パート)を発表(持ち時間5分)
2)発表者 2〜3名  聴衆 発表者と友達のみ(秘密クラブ)とする
3)その後懇談会30分〜1時間
4)2〜3ヶ月に1回 午後9時〜10時頃
5)マナー 時間制限を守ること・人の演奏を聴くこと・心の込もった拍手をすること
Smiley Tama
2002年 4月3日 成立
酒好に提案していた「ひみつクラブ酒好ミニミニピアノライブ」を第5金曜日(第1回は5月31日)に決定した。
Smiley Tama
2002年 5月30日 第1回

Allmost Like
Being In Love

21時から酒好ピアノ秘密クラブ 第1回例会。当初言い出しっぺ3〜4人で「こじんまり」の目論見だったが、予想外の盛況。9人の出演、観客も10人くらいいて満員。あみだくじで順番を決めて開演。それぞれに持ち味を出して、酔って勝手に弾くときとは大きく違う立派な演奏をした。あがっているはずなのだけど格段にいい。ある面予想通り、ある面予想以上。弾き終わっても誰もクドクドとした言い訳をしない。大人だ。永い酒好の努力の成果だ。素晴らしい仲間が出来そうな予感がする。
「自分の演奏は?」と言うとこれがヒドい。1ヶ月練習したヤマハ教本のAllmost Like Being In Loveを演ったのだが、「左手が飛ぶ、楽譜を見失う、エンディングを完全にしくじる」など散々だった。楽譜を弾く難しさを痛感した。自分に不足している2段譜の修練によい場所を得た。2ヶ月に1度の試練と思って練習をしたい。10年前デュオで練習していたベースのTさんが出演に来ていてAll Of Meを演った。懐かしく楽しかった。機会を得てまた演りたい。
追記:ジャズの譜面は「有名な短いテーマを依頼された編曲者がたまたまアレンジしたもの」であり、絶対的な価値を認めない。クラッシックの楽譜は「それが絶対的な価値を有している」。当たり前のことだが、目の当たりに確認してその精神の遠い違いに驚いている。私はショパンの曲の中のフレーズに感動すれば「お〜イイジャン。頂きましょう」と思う。「だいたい同じに弾ければイイジャン」と思う。付随したところは作曲家の好みに過ぎないと思う。だが、クラッシックでは「そうではない」のだ。遠い距離感だ。
Smiley Tama
2002年 8月30日 第2回

On A Slow Boat
In China
11人の参加があり盛況。定例化への緒につけた感じだ。On A Slow Boat In Chinaを弾いた。不満もあるが前回よりは良い感じだ。2拍裏、3拍裏の左手のタイミングとアクセント、その次の拍がツマらないように徹底した練習が必要と分かった。この曲調は地味なのだがスイングの基本的な弾き方だと思うので、次回も同じ曲調の楽譜を続けてみたい。メンバーは全般的に前回より上達している。場慣れもあるか?。単純に巧拙がはっきりするのはペダルの使い方で「上手はペダルを使わない、使うタイミングを間違わない」。部屋の大きさ・残響なども考慮してペダルを踏む技術と感性は、経験が大きいだろう。友人のM氏が見事にYesterdayを弾いた。集中した有益・効果的な練習を感じた。50男の確かな意地を感じて友人として誇らしかった。総演奏時間の過長は問題だ。2時間かかった。できれば1時間で収めて、9時スタート・10時終了・打ち上げ懇談30分で、その後セッションして12時に中締めとしたい。そのためには演奏時間5分の厳守が必要だ。また、泥酔を言い訳にするのは禁じたい。長期的な継続を考えると総時間と泥酔の問題はよく相談しておきたいと思った。セッション後に若い人達3人と話し合えた。楽しい。クラシックの2人は音楽に真面目だから一切の問題はない。技術の向上と聴き手を楽しませることに多少の心を配れば、よい結果につながるだろうと思う。酒好倶楽部が試行錯誤の場として役立つだろう。曲想をペダルを使わない明るい小曲(トルコ行進曲やエリーゼのために)などを選ぶと酒好では映えると思うのだが・・・。フリー系(と思っていた)の若者がハードロック出身と知って腑に落ちた。今回はシンセサイザーとピアノとの共用で演奏したが成功していた。シンセサイザーを自在にしていた。彼は無茶苦茶な音楽をするフリーではないと知った。ピアノの楽器特性と彼の現在の音楽感の不調和の解決が彼の課題だろう。坂本龍一の世界かもしれない。
Smiley Tama
2002年11月29日 第3回

Day By Day
8時45分に酒好着。参加者は少し減ったが常連(このメンバーが核だろう)ばかりで落ち着いた。3回目になり明らかに皆に落ち着きと場慣れ、沈着な選曲と時間感覚が身に付いている、「経験は大切だ」と改めて思う。クラシック系の人達に「協力の精神と聴き手を意識した弾き方の向上」が明白だった。自分のDay By Dayはヤマハの教本を弾き、2コーラス目をアドリブにした。今までで一番良かったかな?。「ペダルを踏まない」という「私の拘り」に気付いた女性がいた。愛媛オペラのメンバーと聞く。S元教授の教え子とのことにて話題で盛り上がる。聡明な女性と拝察した。「坊っちゃんJF」の広告に参加者全員300円ずつの寄付を頂いた。感謝。
Smiley Tama
2003年 1月31日 第4回

Moon Grow
演奏者は6人。減ったけれど、むしろ人数としては適当と思う。「応援団も多い方がいい」との考えもあるが、核が決まるまでは演奏者以外のひとに配慮するのは無用と思う。聴き手も含めて和気藹々になるには、まだ演奏者も演奏会も未熟だ。クラシックの人達の上達は明白だ。止まらなくなった。ノクターンばかりを選曲する傾向がある。5分の中でのメリハリを考えると良くなるだろうと思う。クラシック系にやや没個性を感じた。Moon Growを用意していったが、「順番が最後になった」のと「ノクターンが続いた」ので枯葉のテンポ240に変更した。破綻。いきなりの240は指運動的にきつかった。終わってからMoon Growを含めて3曲ほど弾いて泥酔。エ○×さんとモカモカへ席を移して1時30分に帰宅。
Smiley Tama
2003年 5月30日 第5回

Watermelon Man

昼間に今夜の酒好の練習を3回する。うまく出来ないのと飽きてつまらない。一人弾きのジャズはどうも面白くない(というより面白くできない)。と言い訳し諦めて酒好へ向かう。呼んだタクシーが目の前を通り過ぎる。引き返してくるのを待っていると途中でUターンをする。迷っているらしい。戻ってきたので手を振るが30b先でまたUターン。これを20分繰り返した。遅れて酒好9時10分着。
演奏者は9人、盛況だ。店も満員。クラシック系のひとは確実にうまくなっている。ジャズ系でひとり急に上達したひとがいる(おじさん)。まずペダルを踏まなくなっている。音質にも配慮している。素面だ。泥酔を言い訳にして大音響で弾く傾向があり、普段は傲慢にも見えた人物だが、助言に耳を傾ける姿勢があったらしい。元来音楽の素養のある人だから「気付くだけで解決できる多くの要点」をもっているのだろう。感心した。しばらく離松とのことだが、再会が楽しみになった。
自分の番が来て自己紹介等の長すぎるスピーチをした。反省多々!。演奏は最悪。ピアノのアクションの反応が重いのは承知して覚悟して弾き始めるのだが、それでも弾き初めはたまげてしまう。と心の中で言い訳して、ズタボロ演奏のことはずぐに忘れる。秘密倶楽部も1年たって常連は自分の演奏のことをぐずぐず言わなくなった。素敵なことだ。と言って拍手以外の「一切の反応がない」のも拍子抜けがする。加減が難しい。アフターセッションに初めて参加した人が、自分のピアノについて色々と言い募ってくる。いささかメンドイが「自分の演奏への評価」から「参加して友となること」へと意識が昇華するには、1年が必要だろう。この繰り返しを先達は知り寛容する必要がある。クラシックピアノでポピュラーが抜群に旨い女性がいた。連弾させてもらい楽しかった。さすがのテンポキープだ。クラシックの卓越した名手と拝察した。
なんにしても、ピアノ技術は私は下手だ。痛感させられる。それでいて場を盛り上げる辛さには毎度へこたれる。けれど、たとえ世間的には恥であっても、心が柔らかく強くなれれば自分のためになる。そう信じたい。
Smiley Tama
2003年 8月29日 第6回

Manhattan



13人の参加。クラシックが7人、ポピューラー系が6人だ。ほぼ全員が演奏参加者という状況で、当初の目論見に沿った落ち着いた演奏環境を得た。いまのところはたいへんに順調だが、原則は「演奏者または演奏参加経験者または演奏参加を目指しているおとなだけで構成するのが適している(親族は別)会」と考えている。”聞くだけのひとには、この会の趣旨を完全に理解してもらうことが大切だ。例えば上手な人の参加が増えて、上手の演奏を聴きに来るお客さんが来場するようになると、下手は辛い。現在は演奏者もその点を十分理解していると思われる。そのあたりの共通認識が行き渡ったことが確認できれば、私の任務も完了だろう。
4番目のくじを引いた。今までは中盤以降の順番が多く、酒を飲み始めるのが遅くなっていたので「ラッキー!」と思ったら、クラシック系の上手の間に挟まれてしまった。
対応(その1)軽い笑いをとるおしゃべりをする・・・前の演奏との連続性を断つ効果がある。
(その2)前後の演奏とは別物と割り切る・・・幸いジャンルが違った。
その結果
(成功その1)場の雰囲気の転換は出来た
(成功その2)上手に対する惹け目が自分自身の中で消えた(忘れた)。
(失敗その1)ピアノに座ってから楽譜の位置などの確認が出来なかった。
(失敗その2)喋っている間に音楽を忘れた・・・緊張感の転換がスムースに出来ていない(これはなかなか難しい)
なにしろ「楽譜を見失う」というアクシデントが3回もあった。楽譜の距離が「近視と老眼の境目」になっていることも原因の一つと気付いた。
だけど本当の理由は
(1)狼狽のために目がうろついている
(2)コード進行とメロディーを完全に把握していない(楽譜弾きをするときの最大の欠点を解決せずに本番に至っている)。
(3)ヤマハの教本楽譜をそのまま弾いたのでは、音数が少なく人前演奏としては不十分だ。それで本番で焦りが出て即興を弾くことになるが、準備不足で破綻する。だから自分なりに前もって音数やアレンジの練習をする必要がある。などだろう。
 今回が6回だが、今まで全回違う曲をやってきた。この会での演奏目的を
1)楽譜弾き練習を忘れないこと・・練習するキッカケにする
2)ヤマハの楽譜弾きを人前で弾けるように完成させる・・自分なりに○を付けてケジメにする。
と定めてきたからだが、より有意義にするためには、(この会の発表が終着ではなく)、「演奏した曲を人前で独り弾きをするための出発点」だと銘ずることが必要だ。同じ曲を何度も繰り返して人前で弾かなければいけない。そのためにはかなりの部分は暗譜して、しかもそれを自由にアレンジして弾けるように進化させる必要がある。でなければ独り弾きは上達しないだろう。まずはボサノバのDay By Dayや、今回のManhattanやみんなが弾きたがるAs Time Gose Byなどのバラッドの楽譜をマスターした上で、自分のアドリブを交えながら弾く時期に来ているかも知れない。
ポピュラー系で初参加が3人あった。嬉しいことだ。ピアノの初心者が2名。今回は「子犬のワルツ」の3人競演などクラシック系の上手達がアフターセッションを盛り上げた。クラシックも楽譜を材料にした個性と自己表現なのだと強く感じた。その一方で、上手(ピアノ教師等)が弾くにつれ、クラシック系のアマチュアの人達は(上達はしているが)、反面大胆さと個性を失なう傾向を感じる。上達の過程だとも言えるが、プロ(教師達)と同じレベルに到達する結末は絶対にない。対策としては「上級の曲を弾いて上手と競うのではなく、初級の曲を個性的に弾くのが良い」と思うのだけど、ポピュラー系の思考かな?。ポピュラー系の人達が3回程度参加して慣れたら、アフターセッションでポピュラー系の意見交換などをしたいと思う。が、今のところなにぶんにも彼らの気分が昂揚しすぎていて「アフターセッションを楽しむ環境創りは無理だ」と判断した。技術の問題ではなく心の整理の方が経験を多く必要とする。楽譜がないジャズ系は一切全てが自己表現だから、自己を晒しても動じない自分の心を創るまでには、少なくとも3年が必要と思った。実際自分自身がまだ安定できないのだから・・。
17才のプロボーカル(ポピュラー系)志望の伴奏をした(Fly Me To The Moon Am)。リズムと音程の安定感、伴奏が間違っても動じない姿勢などの技術面だけでなく、挨拶や人との会話などプロになるための躾も既に受けている印象があり感心した。東京に出てからの苦労を思いやるが、それ故に松山でも出来るだけ経験を積んでおく(場馴れしておく)ことの大切さを感じて、モンクのセッションやライブの案内をしてみた(相変わらずのお節介だ)。酔ってアマチュア・クラシックの若者が「この会の趣旨が少し違ってきている印象」と「ピアノへの情熱の喪失」を語っていた。前者はいましばらくは見守る(様子を見る)べきだろう。後者は若者が「音楽より先に成すべきもっと大切なことが自分には課せられている」と気付く「人生の真の出発点で戸惑っているのだろう」と察して、頼もしく嬉しかった。
Smiley Tama

2003年 10月31日 第7回

Michel〜Wave

連日の飲み過ぎでグロッキー。 なのに、なんと!7時〜9時Power Pointの使い方 中級編講習会、9時〜11時 酒好ピアノ秘密倶楽部。両方共に忘れていた。大急ぎで酒好ピアノ秘密倶楽部の曲をMichel〜Waveに決めて練習するも、月末にて忙しい。2回練習して”よし”とした。講習会は9時40分まであり、終了して大急ぎで酒好に向かったが、第一部は終わったところだった。10人くらいと今まででは一番少ない。でも入った瞬間の雰囲気はとても良かった。落ち着いていて、みんなの顔に無理のない作業をし終えた安堵感がある。弾かない人がひとりも居ず、それぞれに演奏を楽しんだ感じだ。取り急ぎ第2部のトップで弾いたが、まず全く音楽をするモードに自分が切り替わらないのに驚いた。テンポもメロディーもイメージが浮かぶのに、ピアノの前に座ってから30秒くらいかかった。その割には演奏はまあまあか。M氏が遅れて夫婦で着いて弾いたが、素晴らしい上達をしていた。ご夫婦と初めてゆっくりとお話しをした。東京に居るF氏も遅れて着いて弾いた。彼も素晴らしく上達した。酒好クラブは間違いなく有効に機能している。そのあと、F氏やI氏の演奏に助言をしていて飲み過ぎた。くどくなってしまった。後悔一杯。マスターと星に願いをデュオした。マスターのハーモニカも良くなった。イン・テンポが出来るようになっている。みんな素晴らしいな。発表する機会を得ると言うことは、かくも大切なことなのだと再認識した。1時帰宅。
Smiley Tama

関連する記載
2001年6月12日記 メロディーを弾く
友達が50歳でピアノを習い始めた。続けられるように心から願う。助言しようと思ったが何から手を付ければいいのか途方にくれる。ともかくも、おじさんがピアノを始める場合一番大切なのは「メロディーを弾く」という本質からはずれないことだと思った。ピアノは「指が10本使えるから和音が作れる」とか「指使いを正しくした方が早く弾ける」とかはピアノの楽器の特性を生かす方法ではあるが、おじさんピアノの場合はそれらはメロディーを弾きやすくしたり飾ったりするための方策に過ぎない。おじさんが音楽をする目的そのものではない。とにかく「メロディーを弾くことが絶対無二の目的なのだ」ということを見失わないで欲しいと思った。覚えているメロディーを鍵盤に置き換えれば「どこにその音があるのか」、それを探り覚えるのを第一の喜びにして欲しい。
教師に楽譜で習うことは大切だ。好きな曲の楽譜を提示してもらって2段譜の練習をする。指使い、左右のタイミングや指の対応などなど教えてもらうことは必須だ。けれど、ほとんどの人が2段楽譜に取り組んだ途端に「いま何を弾いているのか」という基本を忘れてしまう。ほんとう、不思議なほどに2段譜の練習始めるとメロディーを忘れてしまう。巨大な落とし穴だ。2段譜の練習には潜在的に過ちに落ち込む要素が隠されている。2段譜の練習を30分したら、10分間楽譜から離れてメロディーだけの練習をするといいと思う。知っている曲を鍵盤に置き換える練習を必ずしてほしい。最終目的は「目の前の2段譜を弾けるようになることではなくメロディーを弾くことなのだ」ということを確かめるためにも大切だと思う。
Smiley Tama 大人になってからのピアノ練習「応用精神編」
2001年10月10日記 50歳でピアノを始める(私の場合と比較して)
同級生が50歳になってからピアノの練習を始めた。3ヶ月だ。とても嬉しい。無理なく楽しんで長く続けて欲しいと思う。彼との比較で、私自身の音楽経験を考え直してみた。
「検証」
私は37歳でジャズピアノを始めたが、50歳になって初めてピアノに触る彼とは違った。開始年齢が13歳違うと言うだけではない。私は小学校で1年間ピアノを習いブルグミューラが弾けた。たった1年だが、子供のときの1年は50歳の3年・3倍に相当する。当時1週間で4時間練習させられていた(なんと少ない!)。ということは50歳では1週間に12時間だ。大人が出来る通常の練習時間を超えている。ブルグミューラの25曲を弾けるようなるには、1年間週に12時間練習するか、週に4時間で3年間が必要だろう。単に1年と3年の違いだけでなく、10歳の子が11歳になること(成長する)と、50歳が53歳になること(老化する)の違いは大きい。
小学校時の1年間のピアノ経験者37歳(13年前の私)と50歳初心者とには大きな違いがあった(私はそのことに気がついて驚いた)。ピアノでは「左手の小指と右手の親指が対応する」ということは37歳時の私には自然だった。が、彼は小指と小指、親指と親指が対応していた。考えてみれば、それが自然だ。左手の小指→薬指→中指に、右手を親指→人差し指→中指と対応させて動かす方が不自然だ。ピアノ弾きにとってはごく当たり前の対応を50歳になってから覚えなければならない。大人のピアノ練習は「最も基本的な指の使い方を覚えるのが最大の難関」だと痛感した。
第2に私は13歳から20歳までギター(エレキベース)を弾いていた。「軽音楽にはコードというものがあり、コードを弾きながら歌うことができる」ということを13歳から知っていた。コードは3和音しか知らなかったが、ピアノで軽音楽の曲を弾く最初の練習は「ギターで覚えたコード和音をピアノに置き換える作業」だった。また、ベースの経験があったので、コード進行を支える根音の流れを知っていた。彼は「コードがなんたるか」を50歳で初めて知った。
第3に私はエレキバンドを5年間やっていた。アンサンブルを創るという基本を経験していた。アンサンブルという分業作業とピアノの独り弾きとの大きな相違も知っていた。
第4にエレキバンド時代に「楽譜は読めなくてもコードを見ながら適当に弾く」という行為をしていた。それが即ちアドリブだった。巧拙は別にして、私にとってアドリブをすることはピアノを弾く以前に当たり前だった。
私は上記の4つを21歳までに覚えていた。彼はこの4要素を50歳になってから覚えなければならない。彼を見て「私は37歳の真っさらの初心者ではなかった」と気が付いた。彼に望みがないとは思わない。50歳人間は理解力がある。人生経験がある。自分がこれから得なければならないこと、即ち上記の4要素をまず頭で理解することが出来る。それを段階を追って、しかし一部端折りながら、「自分が必要とする階まで階段を駆け上がる方策を自分なりに考えること」、それが解決の糸口になると思う。やみくもにピアノに向かうのでは難しいので、先達の言葉に耳を傾けることが大切だと思う。一方、助言をする側には正しい分析と深い配慮が必要だ。「50歳のピアノ初心者は、何を求めて何が可能で現在どのステップにいるか」を判断し的確に説明することが大切とつくづく思う。
Smiley Tama 大人になってからのピアノ練習「応用精神編」
2002年4月13日記 おじさんピアニスト・ピアノ・バー発表会
普通のおじさんが習うジャズピアノは2段譜の独り弾きだ。ただ発表の場がない。おさらい会で昼間子供と一緒にコンサートホールで弾くのは寒すぎる。おじさんは酒場でジャズを弾きたい。でも酒場にわざわざ楽譜を持っていて弾くのは不細工だ。と言って暗譜は出来ないし、酒を飲んだら忘れてしまう。
50男でピアノを習っている仲間達がいる。ピアノ・バーで会うとピアノ練習については語り合うのだが、薦めてもなかなか弾かない。たまに弾いても、酔いすぎていて最後まで弾ききれない、酔った勢いでないと弾けないのだ。そんな状況を見ておじさんだけのピアノ発表会を思いついた。ピアノ・バーに仲間4〜5人が集まって発表会をする。聴き手は仲間のおじさんだけ。5分づつ順番に弾いて30分でお仕舞い。あとは自分たちの演奏を肴に飲もうという趣向だ。私自身も2段譜の楽譜練習は発表を目的にしていなかったから、どれもこれも中途半端にしてきた。この際キチリと仕上げる機会にしようと思う。自分のピアノ技術のためにも、仲間つくりのためにも、ピアノ遊びをおじさん達の本当の趣味にするためにも、発展を期待したい
Smiley Tama 大人になってからのピアノ練習「応用精神編」
2002年9月3日記 五十男の初ステージ
40年来の友人がピアノを始めた。始めて半年目に酒場での発表会に参加した。渋っていたのだが周囲の誘いに決意した。3分足らずの小編曲だが見事に弾ききった。私は彼に五十男の意地と賢明と懸命を感じ取って嬉しく誇らしかった。彼の初ステージが成功体験であったことに安堵し羨ましかった。私も初ステージは成功体験だった。半年に1回のおさらい会で4回目までは成功感覚だった。5回目に大きな失敗をした。本番直前に仕掛けが変わって、それに対応できなかったのだ。私の4年目の苦悩(バンドに入りたい、入れない等の悩み)はその日から始まったと思い起こす。
半年に1回のおさらい会での失敗の解消は半年を待たなければならない。毎週・毎日人前でピアノを弾いているプロやアマチュア(週2回はどこかで弾いている現在の私がこれにあたる)の失敗は翌週・翌日に解消できる。初心者は半年を待たなければならない。半年は永い。性格によるとは思うが中年以降の男は失敗体験を忘れない。「失敗は成功のもと」というが失敗に意義があるのではない。それを知る中年の男が、失敗を取り返す機会を与えられることなく、半年間待っている。失敗のままの半年は本当に永い。最初のおさらい会で失敗してそのまま辞める人は多い。当然の選択だと思う。大人になって以降、不可欠ではない失敗体験が人生の糧になるとは限らない。「ピアノを弾いて恥をかくことが人生の糧になる」とは私も信じない。成功体験の大きな重なりの中に小さな失敗が盛り込まれることが人生に喜びを与える。だから先達の指導は「失敗をさせない」ことを最重要としなければいけない。と常々思っていたが、実際に友人のピアノに助言をしようと思うと実に難しい。私が何をしたわけではない。案ずるに及ばず。彼は自分で考え自力で成功を得た。50歳男の意地と賢明と懸命を知って40年来の知己として誇らしかった。そして彼の強運を羨ましく思った。
Smiley Tama おじさんピアニストのボヤキとグチ