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「鼻の日」特別企画2003
この企画は2003年8月7日(鼻の日)にちなんで松山耳鼻咽喉科会が愛媛県中予地方の市民の皆様を対象にメールでの無料医療相談を行ったものです。質問の皆様には予め質疑応答をHPに掲載することのご了承を頂いています。質問者・返答者ともに特定できないように配慮しました。ご了承ください。最下段に公示した応募の要領等を添附しています。

   2002年度「鼻の日」医療相談 回答集へ

2003年8月1日〜8月10日
「鼻の日」インターネット医療相談
松山耳鼻咽喉科会
相談 1 鼻詰まりと痛み
相談 2 突然の鼻水
相談 3 蓄膿症
相談 4 鼻詰まりと鼻中隔
相談 5 鼻詰まりと」のどの痛み
相談 6 鼻茸(はなたけ)と睡眠時無呼吸
相談 7 アレルギ―性鼻炎と副鼻腔炎
相談 8 嗅覚脱失
相談 9 アレルギー性鼻炎と鼻血

相談1 鼻詰まりと痛み
鼻詰まりの症状で顔・歯の痛みがあると医学の本にかいてたんですがどんな痛みなんですか?それは若い年代でもあるんですか?
松山耳鼻咽喉科会 返信
鼻詰まりで顔、歯の痛みがでることはよくあります。その場合、二つ考える必要があります。

一つは鼻詰まりの原因が副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)の場合です。この病気の時は頬の部分や、鼻の付け根(目と目の間)、額の部分などに膿がたまるので、当然顔や頭、歯の痛みがでます。

もう一つは副鼻腔炎でなくても、鼻が詰まることによって起こる頭痛や顔面痛です。これはアレルギー性鼻炎でも起こるし、肥厚性鼻炎、鼻中隔湾曲症など、鼻の構造からくる鼻詰まりの場合にも起こります。

上記二つの原因で痛みの種類、性質は異なりますが、どちらも比較的 急激に発症すればズキズキしたり、結構激しい痛みがきますし、慢性の場合はどーんとした鈍い痛みとなります。年代によって痛みの感受性は違いますが、勿論若い年代にもあります。逆に若い年代の方が痛み方はよりひどいかも知れません。
 

相談2 突然の鼻水
昨夜夜中に突然鼻水がダラダラでたんですが何か病気ですか?前もあったんですが最近は全然なかったんですが。何かワルイ病気じゃないか心配です。
松山耳鼻咽喉科会 返信
アレルギー性鼻炎か、急性鼻副鼻腔炎だと思われます。

鼻汁(鼻水)が水のようにさらさらとしたものでくしゃみや鼻づまりがあるようでしたらアレルギー性鼻炎の可能性が高くなります。

夜中にということですからハウスダスト(家の埃)のアレルギーやカビまたペットを飼っているようでしたらそれが原因の場合があります。また、クーラーなどで急な温度変化があった場合もアレルギー性鼻炎と同じような症状が出てきます。

鼻汁がねばねばしたものであったり黄緑色の膿汁で、発熱・痛みなどがあるようでしたら急性副鼻腔炎の可能性が高くなります。

いずれにせよ症状が続くようでしたら受診することをおすすめします。
 

相談3 蓄膿症
慢性的な蓄膿症で、長年つらい思いをしています。
耳鼻科へは行きますが、〔悪くなる⇔やや良くなる〕の繰り返しで、完治は難しいらしいです。
ここから相談ですが、三ヶ月ほど前から、頭がボーっとして考えがまとまらない・物事を覚えにくい・勘違いや些細なミス・目がかすむ・鼻の奥が熱いなどの症状が続いています。
耳鼻科では「一週間分の薬で治らなければ脳の病院でCT」と言われ、薬で一時的に良くなったものの今又症状が出てます。
どんな病気が考えられますか?。又、何科の病院へ行けばいいでしょうか?。
よろしくお願いします。
松山耳鼻咽喉科会 返信
 メールありがとうございます。さぞお困りのこととお察しします。

小学生までの小児期は、体格的にまだ鼻の中が狭い、扁桃腺が大きい、などの要因で急性の副鼻腔炎を繰り返しやすいのですが、古田様の場合、大人になっても慢性的な蓄膿症(=副鼻腔炎)とのことですのでアレルギー性鼻炎や一般的な過敏症などの体質的な鼻の粘膜の弱さや、副鼻腔の換気が充分行えないような鼻の構造の問題があるのかも知れません。

カゼをひいた後などに悪化しても、耳鼻科の治療で日常生活に不都合がない程度に改善するのであれば、これまでのような「こじらせない」治療でいいと思います。ただ、手術でかなり改善するケースもありますので、かかりつけの先生に改めて手術治療の適否も相談してはいかがでしょうか。

以下、ご質問に関してですが、質問者ご経験のように、副鼻腔炎が悪化した場合には結構高度な頭痛や集中力不足はきたしますので現在の症状が副鼻腔炎から誘発されたものである可能性はあると思います。特に重症の副鼻腔炎では目の神経や脳まで影響する場合もあり注意が必要です。ただ、これまでの副鼻腔炎の悪化時と違う感覚もあるのあれば、脳内や目の病気、副鼻腔炎以外の鼻やのどの病気が隠れている可能性も否定できません。良性、悪性の腫瘍、脳内や視神経の神経炎、感染症、精神的な失調などの様々な病気が考えられます。耳鼻科以外にも脳神経外科、神経内科、眼科、時には精神神経科での精密検査も必要かもしれません。これまでの質問者の体質や副鼻腔炎の経過を良くご存知の耳鼻科かかりつけの先生とまず相談の上、上記のような科を受診するのが適当と思います。

お大事になさって下さい。
 

相談4 鼻詰まりと鼻中隔彎曲症

はじめまして。今回相談したい件は、鼻づまりの件です。左の鼻の穴がつまっているようなんです。鼻水はでないのですが、鼻の奥で痰がつまっているような感じもします。一度耳鼻科でみてもらったら、鼻中隔湾曲症でなおすことはないといわれたのですが大丈夫でしょうか? 20歳代女性です。

松山耳鼻咽喉科会 返信
 お鼻がつまる原因としては一般的に鼻中隔彎曲症、肥厚性鼻炎、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などがあります。一度診察を受けられて鼻中隔彎曲症と診断され、なおす必要はないといわれたとのことですが、鼻中隔の彎曲の程度がそれほどひどくなく手術までする必要はないといわれたのではないでしょうか。現在鼻の奥に痰がつまっているような感じがするとのことですのひょっとしたらアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎を起こしているのかもしれません。
 一度診察をして頂いた先生にご相談になってはいかがでしょうか。
 

相談5 鼻詰まりとのどの痛み
家族のことで相談です。
慢性的に風邪をひいてるわけでもないのに、鼻がつまり気味で、喉が痛いようです。本人は鼻の症状より、喉の痛みの方がつらいらしいです。病院へ行こうにも平日は6時までだし、土曜日は仕事が各週であるのでなかなか病院へ行けません。
去年も年に数回は病院へ行ったものの続けて行けず、症状が回復しないままそのうち市販のうがい薬やのど飴、のどヌールなどで間に合わせています。常に咳払いをしていて、痰もからんでいます。私は一度寝つくとなかなか目が覚めないのですが、たまに家族のいびきで目を覚ますと、なんだか苦しそうにいつも寝ていて心配です。いびきがうるさいのと、痰がつまってるのか口の中をくちゅくちゅいわせて寝ています。
病院へ行くように言ってるのですが、仕事が忙しいのとたまに行っても結局治らないのとで、本人はなかなか行こうとしません。家族はたばこは吸いませんが、太っています。
病院で処方される薬を飲んでも、症状が改善されている感じはいつも受けないのですが、それでも放っておくよりは病院へ行った方がいつかは治るんじゃないかという希望を持っています。どうすれば改善されるでしょうか。先生はどう思われますか?
松山耳鼻咽喉科会 返信
鼻づまりとノドでお困りのようですね。
症状からすると副鼻腔炎(いわゆる蓄膿)が原因となっている可能性が高いように思われます。それ以外にもアレルギー性鼻炎も原因となっている可能性もあるでしょう。このような鼻の病気のために、鼻汁がノドに流れ込んで痰や咳が生じることはよくあります。また鼻づまりのために夜間口呼吸をしてノドの痛みを生じたり、いびきの原因となることもあります。
治療は、まず内服薬や点鼻薬による保存的治療があります。副鼻腔炎がひどい場合などには手術が必要になることもあります。このような症状で日常生活にお困りであれば、やはりお近くの耳鼻科にかかることをお勧めします。ただし、治療は比較的時間がかかることがありますので、根気よく続けることが大事です。根気よく続けることで、症状はよくなってくる可能性は充分にあると思います。
 

相談6 鼻茸(はなたけ)と睡眠時無呼吸
はじめまして。ご相談があってメールいたします。
家族の鼻詰まりがひどく、いびきもひどいため、寝苦しそうです。以前、他府県に住んでいるときに、耳鼻科で「はなたけがある」と診断され、手術を勧められましたが、そのままです。 「はなたけ」の手術はどこで執刀していただけるのでしょうか? また、入院期間や手術の難易度についてもお教えいただければ幸いです。
 睡眠中の無呼吸もしょっちゅうで、心配しています。
松山耳鼻咽喉科会 返信
「はなたけ」は通常は慢性副鼻腔炎の時に鼻の中にできる余分な「いぼ」、ポリープです。薬物治療ではなかなか消失することがなく、手術的に除去するのが原則です。

昔かたぎの耳鼻科医は外来で手術することもありますが、「はなたけ」の根っこの部分から取ってしまう方が治りがよく、再発しにくいので、この頃では入院して内視鏡を使って手術することが増えました。

つまりは「入院設備があり、内視鏡手術の技術がある耳鼻咽喉科専門医がいる病院」ということになります。ここでは具体的な名前までは出せないので、その点は、あしからずご了承ください。

入院期間は「はなたけ」の大きさ、根っこの病気の程度によります。両側にある場合、一度に両側手術できる場合は4−5日から1週間程度、片側ずつですと、10日から2週間くらい必要です。手術の難易度は耳鼻咽喉科専門医で内視鏡手術に堪能であれば極端に難しいということはないです。

睡眠時無呼吸症も基本は「鼻呼吸ができているかどうか」が重要ですし、無呼吸症の全身に及ぼす色々な弊害が最近の研究でわかってきているので、ぜひ、一度、専門医で詳しく診察を受けてみてください。
 

相談7 アレルギ―性鼻炎と副鼻腔炎
毎日扇風機をかけて寝ており、先月下旬くらいから朝起きると少し鼻づまりになっています。又日中もくしゃみが多くなったり、むずむずしたりします。
今月末に旅行に行く予定で、海でシュノーケルを使って長い間泳ぐので、お風呂で練習をしているのですが、鼻からうまく息を吐くことができません。
風邪かな?と思い病院にいっていませんが、以前からアレルギー性鼻炎で、ひどくなると耳鼻咽喉科に行ったりしていました。3月末には副鼻腔炎だと診断され、何回か耳鼻咽喉科に通い途中でやめてしまいました。
もう一度耳鼻咽喉科で診察したほうがよいでしょうか。
よろしくお願いします。
松山耳鼻咽喉科会 返信
診察を受けられた方がよいでしょう。

現在のくしゃみ、鼻づまり等の症状はアレルギー性鼻炎によるものと思われます。家の埃(ハウスダスト)等の特定の物質(抗原)によるものか温度差によるものと両方の可能性があります。さらに、三月に副鼻腔炎の治療を受けられ途中で治療を中止されているとのことですので再度副鼻腔炎がアレルギー性鼻炎とともに起きている可能性があります。

このような疾患による鼻づまりを放置していますと、

旅行を予定されているとのことです飛行機で上昇・下降時に大きな気圧変化が生じた際に耳や副鼻腔(ほおや額の奥になります)の部分に強い痛みを覚えることがあります。

これと同じことは潜水などでも起こります。シュノーケリングで浅い深さで泳ぐようでしたらこのような症状が起きる可能性は低いですがダイビングなど深く潜るようでしたら特に浮上時に強い痛みが生じることがあります。

これらの症状が起きたあと中耳炎や副鼻腔炎がひどくなることがよくあります。

楽しい旅行を過ごされるためにはきちんとした治療を受け鼻づまりなどの症状をきちんと無くしておくことをおすすめします(鼻呼吸ができないとシュノーケリングはむずかしいですよ)。
 

相談8 嗅覚脱失
私は小さい頃から、臭いがまったくわかりません。でも、そのことで生活上困ったことは、今までなかったので、病院で診てもらったこともなく、今更まわりの人にも相談できずにいました。(親も知りません)味覚は正常です。
中学生の時、てんかんの発作があったぐらいで、今までこれといって大きな病気にかかったこともありません。嗅覚の回復は無理としても、もしこの先、味覚など他にも障害がおきることがあれば不安なので、今回思い切って相談しました。(20歳代 女性)
松山耳鼻咽喉科会 返信
嗅神経自体や脳内の嗅覚を認識する部分などが完全に働らかず再生の余地がないのであれば、
残念ながら回復の可能性は少ないと思われます。

ただ、あきらかな自覚症状がなくても、鼻炎や副鼻腔炎、ポリープのような鼻の中の腫瘍、脳腫瘍で嗅覚低下を来している場合もあります。また、嗅神経を活性化する亜鉛などのミネラルやビタミンの慢性的な不足が原因かも知れません。このような場合は、治療で嗅覚が回復する可能性もあります。

味覚と嗅覚は別の神経ですので、カゼをひいた後以外は連動して障害されることは少ないのですが、鼻とのどの慢性炎症があったり、味覚と嗅覚の神経の共通の栄養分であるミネラルやビタミンの不足があると、遅れて味覚が低下してくる場合もあります。

これまで一度も嗅覚障害に関して医療機関を受診されたことがないのであれば、まず耳鼻科を受診して鼻とのどの状態を確認することをお勧めします。また、過去にてんかん発作を経験したこともあるようですので、脳神経外科、神経内科、精神神経科などの受診の必要性があるかどうかも
耳鼻科受診の際に相談してみて下さい。
 

相談9 アレルギー性鼻炎と鼻血
はじめまして。20歳代女性です。
 
インターネットで気軽に相談できて、とても嬉しいです。ちょうど悩んでいたところなので、相談させてください。
 
私は幼い頃から、鼻水や鼻血が出やすいほうでした。鼻血は年に数回でしたが、一度ティッシュ1箱使うぐらい止まらないこともありました。鼻水は夏以外は悩まされていたような・・・
それほど、年中鼻のコンディションが悪いなぁと感じていたように思います。社会人になってから、アレルギー性鼻炎という存在を知り、病院で検査してもらいました。結果、ダニとホコリにものすごく反応が出ました。一時期、飲み薬と点鼻薬を処方していただいていました。
前置きが長くなりましたが、今悩んでいるのは鼻血です。ここ最近、2・3日に1回ぐらいのペースで出るのです。いきなり、スーっと出て、割とすぐ止まるのですが。私は外回りの仕事をしているので、暑くて出るのかなぁと思ったりするのですが・・・実際汗がすごく出て、体がほてっているのを感じます。またお風呂に入っているとき、寝ているときにも出たことがあります。仕事中出ると、服も汚れてしまうときもあるので、困っています。

長くなってしまいましたが、よろしくお願いいたします。
松山耳鼻咽喉科会 返信
 鼻血でお困りのようですね。鼻血の原因には鼻の中に病気があって起こるもの、たとえばアレルギー性鼻炎・副鼻腔炎や鼻腔腫瘍などと、鼻以外に原因があって起こるもの、たとえば血液の病気で血が止まりにくくなって起こるような血小板減少性紫斑病、白血病などがあります。メールのご質問のお話からすると、通年性のアレルギー性鼻炎があり現在は特に治療をされていないようですので、アレルギー性鼻炎によってお鼻の粘膜の血管、特に鼻中隔という真中の仕切り板のキーゼルバッハ部位の血管が脆弱となり鼻血を繰り返しているのではないかと思います。鼻炎の治療をすれば鼻血は良くなるように思うのですが。一度かかりつけの耳鼻科で診察を受けてみられるといいと思います。
 

「鼻のインターネット無料相談」
鼻の日(8月7日)にちなんで、当会では、愛媛県中予地方の市民の皆様を対象にメールでの無料医療相談をします。鼻に関するお悩みがあれば、以下の、実施要綱をご了解の上、メールをお寄せ下さい。耳鼻咽喉科専門医である当会会員がお答えします。

実施要綱:
、相談受付期間 8月1日(金)〜10日(日)
2、相談内容は鼻に関する心配事や病気に限定させ
て頂きま
す。
3、ご相談は、愛媛県中予地方にお住まいの方に限定させて頂きます。
4、期間中開設されたメールアドレスまで相談メールをお送り下さい。(終了しております) 
         
5、相談メールには、簡単な住所、氏名、年令、メールアドレスを記入してください。
  記入されてない場合には当会より確認のメールをお送りするとともに、
  場合によっては相談にお答え致しかねる場合があります。
6、返答には1週間程度のお時間を頂く場合がございます。
  そのため、緊急性を有したり即応性を求める相談にはお答え出来ません
7、あくまでメールを介した相談であり、診察する訳ではありませんので、
  返答は一般的なアドバイスとなることをご理解下さい。
8、特定の医療機関の紹介はしません。
9、相談と回答の概要は、プライバシーに配慮し個人を特定できないように改変した上で、

  当会ホームページ上で紹介します。予めご承知下さい。
   

  *携帶電話から発信される場合、着信制限を設定していると当会よりの返信が届かない場合がございます。ご注意下さい。
参考 あなたの鼻は大丈夫?(藤原康雄記)  松山耳鼻咽喉科会 2003年8月6日発

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