「鼻の日」特別企画2004 |
この企画は2004年8月7日(鼻の日)にちなんで松山耳鼻咽喉科会が愛媛県中予地方の市民の皆様を対象にメールでの無料医療相談を行ったものです。質問の皆様には予め質疑応答をHPに掲載することのご了承を頂いています。質問者・返答者ともに特定できないように配慮しました。ご了承ください。最下段に公示した応募の要領等を添附しています。 |
2004年8月1日〜8月10日 |
「鼻の日」インターネット医療相談 |
松山耳鼻咽喉科会 |
相談 1 | のどの違和感 |
相談 2 | 舌の腫れ |
相談 3 | アレルギー性鼻炎の原因 |
相談 4 | においの低下 |
相談1 | のどの違和感 |
3年前の冬から喉が腫れたような感覚がある、口の中が熱い、口中、口内炎のよう。時間が経過するごとに痛くなります。ひどくなるとあごの下、特に耳の下あたりに痛みがあり、首筋まで痛むようになります。常に咳が少しあるのと喉が渇きます。食事はたくさんの水分があれば問題ありません。喉の奥のほうにタンがあるのにはきだせません。2年半経つので悪いものではないものと理解していますが、痛みのために喋るのが辛くて、仕事は我慢できたとしても帰宅してから家族たちと話せなくて非常に辛い日々です。 痛みがひどくなる度に病院に行きましたが抗生物質で楽になりますが薬がなくなると元の状態に戻ってしまうし、飲み続けるのは胃が痛くなります。現在は軽い安定剤を飲んでいますが効果はありません。 ===関係がありそうなもの=== ○梅雨ごろ、喘息と内科でいわれました。 ○小児期、ビタミンの摂取不良から筋肉が弱くなる病気になりました。 ○鼻炎(中学生前後に蓄膿)・花粉症 ○喫煙(一日20本) |
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
ノドの症状でお困りのようですが、常に咳がある、ノドの奥のほうに痰がからんでいるなどの症状からは、ノドの炎症を繰り返しているだけでなく、慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿)やアレルギー性鼻炎が関係しているかもしれません。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因となっている場合には、まずそちらの治療を行う必要があります。 また鼻の病気以外にも顎関節症(あごの関節の炎症)や逆流性食道炎(胃酸の逆流)、喉頭神経症(ノドの神経の過敏症)、それ以外にも全身的な病気の一つの症状としてノドに症状が出てくることもあります。さらに小児期のビタミン関係の病気の影響も否定できないように思われます。現在の症状については、耳鼻咽喉科専門医に相談してみることと、それと同時にビタミンの病気や全身的な病気についても、もう一度診てもらうほうがよいと思われます。ビタミンの病気については、以前にかかられていた病院を受診されることをお勧めします。それと喫煙もされるようですが、喫煙の影響もあると考えられます。禁煙もされるほうが、ノドの症状もよくなる可能性が高くなると思われます。 |
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相談2 | 舌の腫れ |
3年ほど前から舌の先端に4ミリぐらいのイボができています。違和感もぜんぜんありませんが、一度診察していただこうと思っています。診療内容が耳ではなくて、気管食道を担当している病院がいいのでしょうか。その他アドバイスがございましたら、お願いいたします。
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
端の4mm程度のいぼで、大きさも変化なく、痛みも伴っていないようですので良性の腫瘍、とくに乳頭腫ではないかと思います。良性の腫瘍としては他に血管腫、リンパ管腫、腺腫などがあります。まれに痛みを伴わない腫瘤で悪性の場合もありますので、一度お早めに診察を受けてみられてはいかがでしょうか。舌の腫瘤は耳鼻咽喉科領域の疾患になりますので、耳鼻咽喉科を受診されたら良いと思います。 |
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相談3 | アレルギ―性鼻炎の原因 |
20歳頃から罹っておりますが私の抗体が「どんなアレル源」かを知りたいのです。今は匂いも殆ど感じなくなっています。専門の先生をご紹介ください。よろしくお願い致します。
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
アレルギー(性鼻炎)はアレルギーを引き起こす原因物質(抗原)(アレルゲン)と、アレルギー体質の人の体内に出来たもの、「抗体」との間で引き起こされた、いわゆる抗原抗体反応の結果発症します。 病院によって一律ではありませんが、アレルギー性鼻炎の検査にはおおまかに次のようなものがあります。 1)鼻汁中好酸球検査 2)皮内テスト 3)鼻誘発テスト 4)血液検査 1)は個別のアレルゲンの検査ではありませんが、アレルギー性鼻炎の診断を確定するときに役立ちます。2)はアレルギー性鼻炎の原因となる頻度の高い抗原エキスを通常4,5個皮内に注入し検査します。3)は抗原デイスクを鼻内粘膜において、くしゃみや鼻水が誘発されるかどうかで原因を調べます。 ただし、2,3)は原因物質を低濃度とはいえ、体内に入れることになり、滅多にはありませんが、ショックを起こしたり、鼻炎症状がひどくなったりすることもあり、施行している病院は少ないです。 ご質問は4)でアレルゲンがはっきりしなかった、ということだと思います。血液検査では「アレルゲン」に対して作られた「IgE抗体」を測定することで間接的にアレルゲンを推定していることになります。この分野は年々、検査技術の開発がすすみ、現在吸入性アレルゲンだけでも100種類以上、測定可能であり、検査できる項目は増加し続けています。 しかし、現在報告されている花粉症だけでも50種類以上あり、例えば共通抗原性があるとはいうものの、イネ科花粉だけでも日本国内で約300−500種類くらいあるとも言われており、検査可能なものは一部分、と言ってもいいかも知れません。 また検査自体、かなり高額ですし、無制限に血液を採るわけにもjいかず、保険適応範囲内でやることとなりますが、おおよそいつの季節が一番ひどいか、または通年性か、など当たりをつけて検査することとなります。 上述の理由で種々の検査で、アレルゲンがはっきりわからない場合が少なからずあります。このような場合、症状はアレルギー性鼻炎と同じでも血管運動性鼻炎、過敏性鼻炎、好酸球増多性鼻炎などと診断されることとなります。これらは一部は将来的に、もっとアレルゲン検査の項目が増えれば確定診断がつくものと、急激な温度変化や、排気ガス、アルコール、精神的ストレスなどで一種自律神経失調的なもので、将来的にもアレルゲンとしては検出されにくいものも含まれます。 最後に「匂いが殆ど感じられなくなっている」のは単にアレルギー性鼻炎で鼻が詰まっているのか、副鼻腔炎が合併している可能性はないのか、などの検討も必要です。もし嗅覚が低下しているようですと、アレルギー性鼻炎の原因探索も勿論重要ですが、嗅覚神経は非常に弱い神経ですので、早めの治療、対策が必要です。「原因がわかった頃はもう手遅れだった」ということにもなりかねませんので、早めに耳鼻科専門医を受診され、早めに治療をする必要があるように思います。 |
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相談4 | においの低下 |
においを嗅ぐことが出来なくなりました。 復活する手段はありますか。 |
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
においは、鼻の奥の粘膜(嗅粘膜)の表面で感じて、嗅神経を通じて脳内に伝わり、脳で
認識します。におい(嗅覚)の障害の原因としては、 1、鼻炎、副鼻腔炎、鼻のポリープなどでにおいの分子を含んだ空気が嗅粘膜に到達しない場合 2、カゼや有毒ガスの吸入、加齢などで嗅粘膜が障害された場合 3、慢性副鼻腔炎などの1と2が合併したもの 4、外傷や脳腫瘍などで嗅神経が障害された場合 5、においの感じ方の異常による脳での認識の障害 など様々です。 また原因に応じて、検査や治療も多岐にわたります。かぜをひいて嗅粘膜が障害されても一時的で自然に治る場合もあれば、高度な神経炎や副鼻腔炎で容易に治らない場合もあります。 特に注意したいのは、急に起こって全くにおわなくなる高度な障害や、においの障害が長期化した時などには、嗅覚が回復しない場合もあることです。また、有効な治療法のある病状もあれば、治療効果の出にくい病状もあります。早めに耳鼻科専門医を受診して、回復する手段があるかどうかを判断してもらって下さい。 |
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「鼻のインターネット無料相談」 |
当会では昨年度に引き続き、鼻の日(8月7日)にちなんで、愛媛県中予地方の市民の皆様を対象にメールでの無料医療相談を行います。 本年度の相談では、昨年度の鼻の分野だけでなく耳鼻咽喉科の全般的な相談も受け付けることとなりました。鼻や耳、のどに関するお悩みがあれば、以下の実施要綱をご了解の上、メールをお寄せ下さい。耳鼻咽喉科専門医である当会会員がお答えします。 実施要綱 1、相談受付期間 8月1日(日)〜10日(火) 2、相談内容は、鼻を含めた耳鼻咽喉科に関する心配事や病気です。 3、相談は、愛媛県中予地方にお住まいの方とさせて頂きます。 4、メールアドレス 00@000 まで相談メールをお送り下さい。(公開を終了しました) 5、相談メールには、簡単な住所、氏名、年令、性別、メールアドレス、この医療相談を知ったメディアを記入してください。 記入されてない場合には当会より確認のメールをお送りするとともに、 場合によっては相談にお答え致しかねる場合があります。 6、返答には1週間程度のお時間を頂く場合がございます。 そのため、緊急性を有したり即応性を求める相談にはお答え出来ません。 7、あくまでメールを介した相談であり、診察する訳ではありませんので、 返答は一般的なアドバイスとなることをご理解下さい。 8、特定の医療機関の紹介はしません。 9、相談と回答の概要は、プライバシーに配慮し個人を特定できないように改変した上で、 当会ホームページ上で紹介します。予めご承知下さい。 *携帶電話から発信される場合、着信制限を設定していると当会よりの返信が届かない場合がございます。ご注意下さい。 |
参考 8月7日は鼻の日 ー鼻の病気の色々な症状ー(山形和彦記) 松山耳鼻咽喉科会 2004年8月4日発 |