「鼻の日」特別企画2009 |
この企画は2009年8月7日(鼻の日)にちなんで松山耳鼻咽喉科会が愛媛県中予地方の市民の皆様を対象にメールでの無料医療相談を行ったものです。質問の皆様には予め質疑応答をHPに掲載することのご了承を頂いています。質問者・返答者ともに特定できないように配慮しました。ご了承ください。最下段に公示した応募の要領等を添附しています。 |
2009年8月1日(土)〜8月10日(月) |
「鼻の日」インターネット医療相談 |
松山耳鼻咽喉科会 |
相談 1 | 舌扁桃 |
相談 2 | におい |
相談 3 | 子供の難聴(中耳炎) |
相談 4 | アレルギー性鼻炎(点鼻薬) |
相談 5 | 滲出性中耳炎と鼻炎 |
相談 6 | アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎 |
相談 7 | 鼓膜穿孔(難聴と耳鳴) |
相談1 | 舌扁桃 |
19才の時、口蓋扁桃を切除しましたが、20代後半から舌扁桃が悪くなり現在に至ります。ひどい時には2ヶ月毎に悪くなり、高熱に悩まされます。いつも気を付けてうがいをしていますが、それでも発症します。入院をした時もあります。舌扁桃は切除できないと言われましたが、本当ですか?100人中2番目に悪い状態と言われました。このまま、ただうがいで予防するしかないのでしょうか?うがいをしても悪くなるし、仕事にもたびたび差し支えがあります。手術ができれば、切ってしまいたいですが、このままどうしようもないのでしょうか。適切な対処方法を、どうぞよろしくお願いいたします。 |
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
口蓋扁桃は1)極端に大きい時、2)習慣的に高熱を出す原因となっている時、3)病巣感染の可能性がある時、などに手術的に除去します。完全に根っこの部分から除去する場合は「摘出」と言い、部分的に除去する場合は「切除」と言いますが、最近の方法では多くは根っこの部分から完全に除去することが多いので、2)の理由で「摘出」したということで話しを進めます。口蓋扁桃を除去しますとそれによって熱が出ることはなくなりますが、その代償として舌扁桃や周囲の咽頭のリンパなどが炎症を起こすことがあります。通常はそれらの炎症では微熱であったり、いがいが感であったりすることが多く、頻回に高熱が出ることは少ないです。舌扁桃は解剖学的理由により口蓋扁桃のように完全に除去することは困難です。サイズが余りに大きい時や、はっきり熱の原因となっているときはレーザーなどで減量することは可能ですが、実際のところ、手術の長期的効果が不明で、積極的にその部位だけを手術をすることは少ないです。貴方の場合は舌扁桃以外に高熱の原因は考えられないのでしょうか。なかなか原因を同定するのは難しいのだとは思いますが、手術を受けられた病院でより詳しい説明を聞くか、セカンド・オピニオンを聞かれると答えが出るかも知れません。
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相談2 | におい |
20年ほど前にアレルギー性鼻炎になり、その後蓄膿症と診断され2年ほど治療しましたが、あまり改善せず、アレルギー性鼻炎の方は改善したので、そのまま放置しておりました。5年ほど前にたばこをやめてからほとんど臭いを感じなくなりました。特に生活に支障がなかったので放置していましたが、最近、傷んだ食品を食べて腹をこわすことが多くなりました。長期にわたって放置して、今でも蓄膿による鼻垂れを少々感じます、臭いを感じるようなる治療は可能なのでしょうか。よろしくお願いします。
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
以前にアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)と診断され、5年ほど前からニオイがわからないという御相談ですね。まず、ニオイを感じる仕組みですが、ニオイ成分は気体となり空気中に浮かんでいます。これが鼻の中に吸いこまれます。鼻の中の奥の上のほうにある嗅覚細胞(この周辺を嗅上皮といいます)にこの成分が触れます。そこでニオイ成分の刺激は電気信号として神経に伝達され、すぐ上の大脳の中の嗅球といわれる部分に伝わり、ニオイとして認識されます。嗅覚障害は以下の原因で起こります。 |
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相談3 | 子供の難聴(中耳炎) |
4歳娘の難聴について、ご相談させて下さい。2歳のころ、娘が鼻にビーズを詰め、取れなくなり、近所の耳鼻科にかかったところ、中耳炎が発覚し、即切開!と言われましたが、初めてのことだったので躊躇していたら、切開しないと治らないと言われ、泣く泣く切開をしました。それから、お薬と通院で1ヶ月程で完治しました。繰り返すこともなく、3歳5ヶ月の時、保健所で3歳児健診を受けたところ、難聴だと診断されました。再度、耳鼻科で検査をするように言われ、別の耳鼻科にかかりました。そこでも、やはり難聴だと診断され、中耳炎になり切開した経験を伝えると、切開の穴が塞がらず、鼓膜が十分に再生していないのではないか、と言われました。鼓膜の3割くらいの穴だそうです。自然に塞がることはないそうです。それを聞き、切開したことの後悔と、寝耳に水の診断結果で、本当にショックで娘に申し訳なく、悲しい思いをしました。前回の耳鼻科でのことなので、難聴の件をお伝えし、相談した方が良いのでしょうか?あと、通院していたのにも関わらず、鼓膜の穴のことは一言もおっしゃいませんでしたが、お医者様は穴の存在に気付かなかったのでしょうか?今後、どうすれば良いのか分からなく、正直途方に暮れる気持ちです。よろしければ、アドバイス頂ければ有難いです。宜しくお願い致します。 |
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
中耳炎の治療において、鼓膜の切開が必要なケースは決して少なくありません。もちろん全例に必要ということではなく、鼓膜切開が必要がどうかは鼓膜の状態、発熱や痛みなどの程度、中耳炎の罹病期間などによって決められます。鼓膜切開によってできた穴は、ほとんどの場合数日から2週間程度で閉じてしまいます。しかし稀に穴が閉じずに開いたままになってしまうこともあります。娘さんの鼓膜の穴が鼓膜切開によってできたものなのか、また担当医が鼓膜の穴に気付いていたかどうかは、それを判断する情報がないために残念ながらわかりません。ですので一般的に鼓膜切開後の穴が塞がらなくなった場合について述べてみたいと思います。 |
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相談4 | アレルギー性鼻炎(点鼻薬) |
19歳の息子のことでお聞きしたいことがあります。幼少期よりアレルギー性鼻炎を患っています。一年中、鼻水、鼻づまりに悩まされており、鼻炎シーズンのときには熱が出ることもあります。15歳のときにレーザー治療を試みましたが効果はありませんでした。その頃から市販の点鼻薬を使用しています。(一ヶ月に1本程度使用) それから本日に至るまで、もう点鼻薬が手放せなくなっているようです。毎日毎日使用していますが、このまま薬に依存してしまって大丈夫でしょうか? |
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
市販の点鼻薬のほとんどに、鼻粘膜の毛細血管に働き鼻づまりを改善させる血管収縮剤が含まれています。確かに速効性があり、点鼻した直後は快適になりますが、効果は数時間です。血管収縮剤を数カ月以上の長期にわたって連用すると、毛細血管への効果が落ちてきて、普段逆に鼻づまりが強くなる「薬剤性鼻炎」になる可能性があります。1日1〜2回の点鼻であれば薬剤性鼻炎化する可能性は少ないのですが、それ以上の回数での点鼻薬の連用は長期的には問題です。一度、病院で市販の点鼻薬の連用による不都合が起こっていないか確認してもらってはいかがでしょうか。また、医療機関向けの点鼻液には、内服薬と異なりほとんど副作用の無い吸入ステロイド剤や、市販の点鼻液に含まれているものより効果の高い抗アレルギー剤があります。内服薬にはより多様な作用の抗アレルギー剤もあります。同時にご子息への最善の処方を検討してもらってはいかがでしょうか。 |
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相談5 | 滲出性中耳炎と鼻炎 |
小学5年生の子供が、アレルギー性鼻炎と中耳炎で、小学生になってからずっと耳鼻科に通っています。小さいころも中耳炎になったことが数回。今は鼻炎よりも耳が良くなりません。最近はずっと耳の鼓膜がへこんでるといわれています。聞こえは悪くなったりしたことはないのですが。先日は、またチューブも入れたほうがいいかもといわれました。今までに、何度かチューブも入れたこともありますが、よくなることはありませんでした。5年間鼻炎の薬も飲み続けています。こんなに長く薬を飲み続けて大丈夫なのでしょうか?診察に行くたびに耳に空気を通すことが痛く、本人も嫌がってきました。痛くない治療はないのでしょうか?長く耳が治らないと、完治することができるのか、不安になります。 |
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
ご相談のお子さんの病気は滲出生中耳炎と思われます。耳鼻科の病気は治療が長くかかるものが多いのですがこの病気もその一つです。成人になっても治療が必要な場合もあります。 |
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相談6 | アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎 |
相談内容は、私の子供のことです。小学二年生の息子は一年生のときから、花粉症・副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎と診断され、以来ずっと毎日投薬治療中です。目もアレルギー性結膜炎があります。私も花粉症や副鼻腔炎です。今悩んでいることは、子供はこの先治るのか?ずっと一生お薬を飲み続けていいものか?と言うことです。お薬を飲んでいるのに、ところかまわず鼻水ジュルジュルでベシュンベシュンとくしゃみをして私はイライラしてしまいます。毎週通院し、治療費もかかって、お薬を飲んでるのにどうして?って悩むこともあります。薬剤師さんに愚痴っても「お子さんは悪くないんよ、仕方ないよ、お子さん責めたらいかんよ」って言われると、そうなんよねって分かるのですが。手術とかしたら楽になるのかな?とか色々考えてしまいます。どうか良いアドバイス等あれば宜しくお願いします。 |
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
子供さんの鼻の症状は恐らくお母さんから受け継いでいるようですね。お母さんも小さいときはこのようではありませんでしたか?そして今は小さいときより少し楽になっていませんか?鼻の病気は飲めば直ぐに治ってしまうという薬はありません。まず、目の前の症状を薬などで改善させましょう。アレルギー性鼻炎は飲み薬、点鼻薬の他、レーザー治療などがありますが、治り方に個人差があります。レーザー治療で劇的によくなる人も時々みかけます。また成長するに従って免疫能が強くなっていくとアレルギー症状は軽くなっていく傾向がみられます。小学低学年の子の激しいアレルギー症状が6年生になって、すっかり良くなったという例も経験したことがあります。 |
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相談7 | 鼓膜穿孔(難聴と耳鳴) |
私の母の耳についての相談なのですが、10年以上前に、鼓膜に穴が開いていると病院で診断されました。しかし医師の心ない一言で傷付いたらしく、病院に行くことが嫌なようです。年々耳鳴りがひどくなっているようです。それと関連してか、頭痛もよくあります。これからでも病院で診てもらい、よくする方法はあるのでしょうか。鼓膜を元に戻すような手術等をしたほうがいいのでしょうか。それとも年月が経ち過ぎて、もうできることはないのでしょうか。教えてください。 |
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松山耳鼻咽喉科会 | 返信 |
質問の内容からすると10年以上前に鼓膜穿孔を指摘されたようですね。鼓膜穿孔の原因として最も多いのは中耳炎で、そのほかに外傷や気圧の急激な変化によって鼓膜に穴があいてしまうことがあります。ただ、外傷や気圧の急激な変化によるものであればその記憶が残っていると思いますので中耳炎が原因となっている可能性が高いと考えられます。 |
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「鼻の日」インターネット医療相談のご案内 |
当会では昨年度に引き続き、鼻の日(8月7日)にちなんで、愛媛県中予地方の市民の皆様を対象にメールでの無料医療相談を行います。 本年度の相談では、鼻の分野だけでなく耳鼻咽喉科の全般的な相談も受け付けます。鼻や耳、のどに関するお悩みがあれば、以下の実施要綱をご了解の上、メールをお寄せ下さい。耳鼻咽喉科専門医である当会会員がお答えします。 実施要綱 1、相談受付期間 8月1日(土)〜10日(月) 2、相談内容は、鼻を含めた耳鼻咽喉科に関する心配事や病気です。 3、相談は、愛媛県中予地方にお住まいの方とさせて頂きます。 4、受付期間中に公開されるメールアドレス 00@00 まで相談メールをお送り下さい。(公開は終了しました) (相談の終了に伴い、クリックは無効です) 5、相談メールには、簡単な住所、氏名、年令、性別、メールアドレス、この医療相談を知ったメディアを記入してください。 記入されてない場合には当会より確認のメールをお送りするとともに、 場合によっては相談にお答え致しかねる場合があります。 6、返答には1週間程度のお時間を頂く場合がございます。 そのため、緊急性を有したり即応性を求める相談にはお答え出来ません。 7、あくまでメールを介した相談であり、診察する訳ではありませんので、 返答は一般的なアドバイスとなることをご理解下さい。 8、特定の医療機関の紹介はしません。 9、相談と回答の概要は、プライバシーに配慮し個人を特定できないように改変した上で、 当会ホームページ上で紹介します。予めご承知下さい。 *携帶電話から発信される場合、着信制限を設定していると当会よりの返信が届かない場合がございます。ご注意下さい。 携帯電話用ホームページへ |